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「世界へ向けてのスタート」:『スケッチ・オブ・ミャーク』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつに登壇した大西功一監督(左)と久保田麻琴さん

 沖縄県宮古島で古くから伝わる唄を歌い継ぐ人々を姿を追ったドキュメンタリー映画『スケッチ・オブ・ミャーク』が9月15日に東京都写真美術館ホールで公開初日を迎え、原案・監修・録音を担当したミュージシャンの久保田麻琴さんと、大西功一監督が舞台あいさつをおこないました。
 『スケッチ・オブ・ミャーク』は、ミャーク=宮古島で『アーグ(古謡)」「神歌」の録音を続けてきた久保田さんの「どうしても音楽だけでは伝えきれないだろう」という想いと、久保田さんをつうじて宮古の唄を知った大西監督の「祭祀はいつ消えてしまうかわからない。あるいは島の歴史を知る世代も最後だし、みすみす放っておいて消滅させることはできない」という想いから実現した作品。
 大西監督は「(撮影は)1年半ありましたけど夢の中のような時間で、やめたくないくらいの楽しい経験でした」と振り返り、久保田さんは「宮古は人がすごいんですよ。どうしてそうなのか、みんなで考えたらいいと思うんですよね」と話し「この1本で伝わり切れていないと思う。我々と宮古の関係はもっと進むはずです」と今後の活動にも意欲を見せました。

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久保田さんは初日を迎えての心境を訊かれると「Go Myahk!という感じですね」と答え「大西くん、おめでとうございます。がんばりましたね」と大西監督に声をかけてがっちりと握手。
大西監督は「全国、もしくは世界に向けてスタートを切ったんだなという感覚をすごく持っています。永くこの映画を観ていただけるように永くつきあっていこうという想いが来ました」とあいさつ

 大西監督は「普通のドキュメンタリーは最後に結論に持っていってひとつの答えをみなさんで共有するみたいなところがありますが、この映画は風呂敷から開けてそのままをみんなで見つめているような状態だと思います。そこで見つめているものはすごく大事なものであるし、傷つけられてきた、見えなくなってきているものだと思います。一緒にものを考えて生きていけたらという想いで作っていますので、いつか街なかで出会ったらお話ししましょう」とコメント。
 久保田さんは「みなさん宮古に行ってほしいですね。いまはインターネットの検索でなんでもわかるような錯覚に陥るんですけど、行ってみないとわからないものがある。みなさん行ったらいろいろなものを発見されると思うんですよね」とメッセージを送り「宮古の人たちは大事なものをちゃんと持ってきて、常にリアルだった人たち。我々もそうなりたいよね」と舞台あいさつを締めくくりました。

 唄を受け継ぐ人々の貴重な歌声や談話で、島の歴史と祈りを綴っていく『スケッチ・オブ・ミャーク』は、9月15日(土)より東京都写真美術館ホールにて上映されています。

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