2009年に完成しつつも未公開のままとなっていた映画『しあわせカモン』が、完成から3年以上を経て、2013年1月26日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次ロードショーされます。
『しあわせカモン』は、岩手県出身のミュージシャン・松本哲也さんとそのお母さんをモデルにした作品。主人公である母親の扶美江役に多くのドラマ・映画で活躍する鈴木砂羽さん、息子の哲也役に出演作の公開が続く若手俳優の石垣佑磨さんを迎え、波瀾万丈な人生の中でも「しあわせになりたい」という想いを胸に明るく生きる扶美江と、ときに反発しつつも母への想いを忘れることなくミュージシャンとしての成功を目指して奮闘する哲也の親子の絆を、映画初監督となる中村大哉監督があたたかなタッチで描いていきます。
2009年にロケ地の岩手県でおこなわれた先行上映では1万4千人もの観客を動員しましたが、資金的な事情から全国公開は実現しないままとなっていました。
しかし、2011年10月に“様々な事情から「お蔵入り」になった作品に光を当てよう”という趣旨のもと広島県尾道市・福山市で開催された「お蔵出し映画祭2011」でグランプリを獲得し、全国公開が実現することになりました。全国公開にあたって新たに再編集と音声の再録音をおこない、2012バージョンとして公開されます。
そして、映画公開とほぼ同時期に、映画の主題歌・挿入歌を歌い、特別出演もしている松本哲也さんも、10年ぶりにメジャーレーベルからCDをリリース、メジャー再デビューを果たします。
『しあわせカモン』が描くのは、くじけてもあきらめずにもう一度立ちあがろうとする姿。一旦は“お蔵入り”しながら全国公開を実現した『しあわせカモン』という作品自身や、故郷での活動を続けて再メジャーデビューを果たす松本哲也さんは、まさに映画が描く「あきらめず立ちあがる」姿勢に重なるようです。
近年、年400本を越える作品が公開される一方でお蔵入りになってしまう作品も多い日本映画界。異例の復活公開を果たす『しあわせカモン』は、日本映画の現状を考える上でも注目の作品です。
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