東京と沖縄を舞台に“父”と“息子”それぞれの視点から家族の関係を描いた『ばななとグローブとジンベエザメ』が２月２日に銀座シネパトスで初日を迎え、主演の中原丈雄さんと塩谷瞬さんら出演者と矢城潤一監督が舞台あいさつをおこないました。
『ばななとグローブとジンベエザメ』は、家族と捨てて奔放に暮らす男・敦を主人公に、敦の息子・光司や周囲の人々の繰り広げる人間模様をあたたかに描いた作品。
敦を演じた中原さんは「まず、銀座シネパトスの最後に私たちの作品が上映されるということの喜びを感じております。劇場の方にほんとにお礼を申し上げます」と、３月閉館となる劇場への感謝を述べ「この映画は、今日初めて東京で上映されて“お父さんお母さん、行って来ます”とランドセルを背負って玄関を出て行った小学１年生です。決して裕福なところで育った子供ではありません。なんとかみんなの力で育てあげて送り出したような状況ですけど、みなさんのお力で大きく育っていくことを願っています」と、映画を子供にたとえて想いを語りました。
また、敦の母親・俊江を演じた馬渕晴子さんは映画撮影後の昨年10月にこの世を去り『ばななとグローブとジンベエザメ』が遺作となっており、矢城監督は遺影とともに登壇。光司役の塩谷さんは「馬渕晴子さんは最後までぼくたちに凛とした姿で芝居とはどういうものなのかいきいきと話されていました。そういうひとりひとりの役者の魂を伝えてくださるのはみなさまだと思うので、この映画がいいなと思ってくださったら家族とか友達とかに伝わるといいなと思います」とコメント。敦の弟・を演じ、脚本・プロデューサーも担当した大城英司さんは「みなさま、この映画の中の馬渕さんをご覧になると思いますが、馬渕さんの姿を記憶の中に留めていただけたらと思います」とメッセージを贈りました。
「この映画は小学１年生」『ばななとグローブとジンベエザメ』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった大城英司さん、今井ゆうぞうさん、趣里さん、原田佳奈さん、塩谷瞬さん、中原丈雄さん、黒田福美さん、佐藤Ｂ作さん、川上麻衣子さん、矢城潤一監督（左より）
「よくぞこれだけの多くの俳優が力をあわせてやってくれたなと」と主人公・園田敦役の中原丈雄さん。「銀座から私たちの作品が大きく羽ばたいていってくれることを心から願っています」とあいさつ
「東京で初日を迎えることができまして、たくさんの人に支えられてこの作品ができたんだなと実感しております」と堂本光司役の塩谷瞬さん。「名優の方々とお芝居させていただいて、毎日刺激の連続でした」
「何度観ても、筋をよくわかっているのに泣けてしまう、優しさが散りばめられた映画だなと思います。何度も観ていただいて、家族について考えていただけたらと思います」と堂本真理子役の黒田福美さん
「黒田さんや趣里さんは初めてお会いする方たちだったんですけど、自然に家族のムードというのができたような現場だったので、その空気が伝わればいいなと思っています」と山辺倫子役の原田佳奈さん
「素晴らしい方たちとご一緒で、初日はすごく緊張してしまっていたのですが、みなさん優しくてすぐに場が和んで、そういう感じが画面にも出ているんじゃないかと思います」と堂本さつき役の趣里さん
「この映画は、タイミングとか周りの環境とか、いろいろなことを自分の個人的なところで置き換えて、考えてもらったり、想像してもらえたら嬉しいなと思っています」と蜂谷雄一役の今井ゆうぞうさん
「じっくりと味わえる映画なので、シートにどっかり座って楽しんでください。私の出番は終わりのほうなので、くれぐれも途中で寝たりなさらないようお願いします(笑)」とタクシー客を演じた佐藤Ｂ作さん
「出演させていただくことも楽しいんですが、できあがった作品を観て、ほんとにこの世界が大好きです。それぞれの立場で心に残る作品になると思いますので、楽しんでください」タクシー客役の川上麻衣子さん
「映画というのはエネルギーでできるんですけども、劇場にかけてお客さんに観ていただくことはほんとに大変なんで、こんなに多くの人にお集まりいただいてほんとに感動しております」と矢城潤一監督
脚本・プロデューサーをつとめ、園田崇役で出演もしている大城英司さん。「ツイッター、フェイスブックで友達申請をお待ちしています」とあいさつして場内を沸かせました
矢城監督は、園田俊江を演じた馬渕晴子さんの写真とともに登壇しました
原田佳奈さんは映画のタイトルにちなんでジンベエザメのぬいぐるみを持参
舞台あいさつ登壇者のほか、渡辺真起子さん、清水美砂さん、渡辺哲さん、松重豊さん、螢雪次朗さん、仁科貴さん、柄本明さんら、日本映画界を代表する豪華キャストが共演するヒューマンドラマ『ばななとグローブとジンベエザメ』は、２月２日(土)より銀座シネパトスにて公開中、ほか全国順次公開されます。