女性監督有志による短編映画祭「桃まつり presents なみだ」が５月11日に渋谷ユーロスペースで幕を開け、初日に上映された３作品の監督・キャストが舞台あいさつをおこないました。
「桃まつり presents なみだ」は、２００７年以来年１回開催されている短編映画際の第６弾。タイトルのとおり“なみだ”をテーマにした９本の短編を「壱のなみだ」「弐のなみだ」「参のなみだ」の３プログラムで２週間にわたって上映するもの。
８ミリフィルムで撮影された『愛のイバラ』の小口容子監督は「私は映画はディティールだと思っていまして、今回であれば撮りたかったのは出演してくれた彼女たちの表情であったり、偶然出会った方のリアクションであったり、そういうものを重視していて掟破りがいろいろあったと思うんですけど、こういう大きなハコでそれをやりたいと思っていて、楽しかったしいい経験になりました」とあいさつ。
女優として活躍し、今回初めて映画のメガホンをとった『雨の日はしおりちゃん家』の森田亜紀監督は「私は“桃まつり”は一番最初から役者として出演させていただいていまして、今回、監督としてこの場に立たせていただくことに感激しておりまして、初日にこれだけたくさんの方にご覧いただいたということも嬉しく思っています」と初監督の心境を述べました。
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毎年恒例の女性監督による映画祭が開幕 「桃まつり presents なみだ」初日舞台あいさつ
「私は８ミリフィルムがなくなるまで撮るというのをずっとやっていまして、フィルムのよさをいろいろな人に知ってもらいたいなと思ってやっています」と『愛のイバラ』の小口容子監督
『愛のイバラ』で主人公のマキを演じた縞野ほぞ(※)さんは小口監督の強い要望で映画に初出演。「これをきっかけに８ミリの業界がもっと盛り上がってくれるといいなと思っています」
「最初に野外の公園で撮影していて、数分で蚊に30ヶ所くらい刺されて、耐え切れずにいえの中で撮影したのが印象的でした」と『愛のイバラ』でマキの友人を演じた安部芙美子さん
『雨の日はしおりちゃん家』の森田亜紀監督は監督・脚本に加えて鈴木しおり役で出演。「ほんとにたくさんの方に支えられて、この作品を完成させることができて感謝しています」
「今回、最後のカットを撮り終えたときに森田さんとの友情が芽生えたと勝手に思ったんですけど、いかがでした？(笑)」と『雨の日はしおりちゃん家』瑠川由季子役の宮田亜紀さん
「冬のほんとうに寒い山中湖で撮影しました。とてもつらい環境だったのですが、キャスト・スタッフのみなさんのおかげで撮りきることができました」と『MAGMA』の渡辺あい監督
『MAGMA』でリサを演じた五十嵐令子さんは「ほんとうに撮影は過酷だったんですが、キャストさんと監督さん、スタッフさんのおかげで撮りきることができました」とあいさつ
「どこか根底にチャレンジするようなことがあるような映画だと思っていて、そこに参加できてよかったと思っています」とコメントした『MAGMA』澤田コーチ役の舩木壱輝さん
『MAGMA』出演の中原翔子さんは「寒かったんですが、いろいろ勢いはあってとても熱い現場でした。また、このメンバーで作品を作れたらいいと思っています」とコメント
冬の山中湖周辺でロケをおこなった『MAGMA』でリサを演じ主演をつとめた五十嵐令子さんは「ほんとに撮影が寒くてつらくて、撮影が終わったあとのケータリングがおいしくて助けられました(笑)。そのつらさの中でリサと重なる部分があったり、なにか見出す部分があったり、経験をさせてもらってすごい感謝しています」と撮影を振り返り、同じく『MAGMA』出演者でこの日唯一の男性登壇者となった舩木壱輝さんは「それぞれの“桃”がほんとに生き様をかけてやっていらっしゃったと思うので、そこに参加できたことを誇りに思っています」とコメントしました。
舞台あいさつに登壇したキャスト・監督。左より、中原翔子さん、舩木壱輝さん、五十嵐令子さん、渡辺あい監督（以上『MAGMA』）、宮田亜紀さん、森田亜紀監督（以上『雨の日はしおりちゃん家』）、安部芙美子さん、縞野ほぞ(※)さん、小口容子監督（以上『愛のイバラ』）
『愛のイバラ』『雨の日はしおりちゃん家』『MAGMA』３本の「壱のなみだ」は５月11日(土)より15日(水)まで、『いたいのいたいのとんでいけ』（朴美和監督）『サヨナラ人魚』（加藤綾佳監督）の「弐のなみだ」は16日(木)より19日(日)まで、『貧血』（加藤麻矢監督）『葬式の朝』（糠塚まりや監督）『東京ハロウィンナイト』（岡田まり監督）の「参のなみだ」は20日(月)より24日(金)まで、渋谷ユーロスペースで連日21:10よりレイトショー上映。上映期間中にはイベントも開催されます。
※「ほぞ」は“木偏”に“内”ですが、環境によって表示されないためかなで表記しています