「JUNONスーパーボーイ・コンテスト」出身の佐野岳（さの・がく）さんが初めて映画主演をつとめた『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』（９月28日公開）の完成披露試写会が８月27日にシネマート六本木で開催され、佐野さんと共演の杉田かおるさん、イッセー尾形さん、メガホンをとった古厩智之監督が舞台あいさつをおこないました。
　喜多川泰さんの同名小説を映画化した『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』は、小さなウソがきっかけとなり熊本からひとり東京に来ることになった高校生・和也が、さまざまな大人たちと出会い成長していく青春ロードムービー。
　和也を演じた佐野さんは、映画のお披露目にあたり「嬉しいの一言です。公開日まで近づくにつれ、だんだんと実感がさらに沸いてきています」と心境を語り、初の主演について「すごい嬉しかったです。それだけの責任も伴うので、緊張というか、責任をしっかり感じながらやっていきました」と振り返りました。
　撮影では共演の尾形さんの毎回違う演技に「食らいつくのがいっぱいいっぱいで、いろいろ勉強になりました」という佐野さん。尾形さんは撮影中に佐野さんにアドバイスを送ったことを明かし「俺、そういうことって初めてなの。若い人にお芝居を（アドバイスする）なんて絶対しなかったんだけど、したくなったんだよね(笑)。それは岳くんの人柄でしょうね、すごい素直で」と語り、佐野さんに向けて「これからいっぱい傷つくこととか、諍いとか、嫌な黒いものがきっと来ると思う。来なきゃ人生じゃねえんだから。絶対に来るけれど、それよりも君の素直さのほうが強いと思うから、むしろ黒いものもウェルカムでね。いまのままでいいと思う」と、心のこもったメッセージを贈りました。
　また、杉田かおるさんは「（佐野さんが）東京に出てきてけなげにがんばっている姿を見て“ちゃんとご飯食べているのかな？”とか、芝居のことよりご飯のことばかり心配しちゃって(笑)。いい役者になってもらいたいけど、健康管理が気になっちゃって、ほんとにお母さんみたいな気持ち(笑)」と、尾形さんとは別の角度から先輩としての言葉を。
　そんな先輩からの言葉に、佐野さんは「映画と変わらなく、大先輩方と一緒にやらせてもらって、ぼくも和也と同時に成長した作品でした」と、主演を経験しての想いを言葉にしました。

　『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』には、年長者が若者に説教するシーンがたびたび登場しますが、古厩監督は最初は説教をする年長者の気持ちが「全然わからなくて、どうしようかなって思って」と告白。撮影を通じて杉田さんや尾形さんたち俳優さんとのやりとりの中で「すごくいろいろ教わって、いろいろ貰って、俺もなにかをあげなきゃって。じゃあ、説教というのもありだよな」と思ったと話し「親から貰ったものを親には返せないけど誰かにあげる。グルグル循環していくのが人間の営みなのかなって。一番のテーマが（撮影を）やりつつわかったというか、それはほんとにみなさんに教えてもらったことでした」と振り返りました。
　そして舞台あいさつは、佐野さんの「和也はこの旅を通していろんな人たちと出会って影響を受けて成長していくんですが、その過程とかを観ていただきたいです。また、出会う大人の人たちって、なにか問題を抱えている人たちで、それでも和也に“さよなら”と言わずに“また会おう、また必ず会いたいね”というキーワードを言っている意味をみなさんに感じとってもらったら良いなと思います。なにかひとつでも多くメッセージを受けとって帰ってもらったら嬉しいです」という言葉で締めくくられました。

　舞台あいさつ登壇者のほか、嶋田久作さん、塚本晋也さん、徳井優さん、水木薫さん、戸田昌宏さん、唯野未歩子さん、瀧澤翼さん、角替和枝さん、古村比呂さん、国広富之さんら豪華キャストが共演する『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』は、９月28日(土)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国ロードショーされます。