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吉祥寺の新たな映画館の構想も発表! 『さよならケーキとふしぎなランプ』初日舞台あいさつ

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映画のタイトルにちなんだお祝いのケーキを囲む、吉祥寺バウスシアター代表取締役・本田拓夫さん、金井純一監督、平田薫さん、梅垣義明さん、松江勇武プロデューサー(左より)

 5月末日をもって閉館する吉祥寺バウスシアターのクロージング作品『さよならケーキとふしぎなランプ』が4月26日に初日を迎え、出演者の平田薫さんと梅垣義明さん、金井純一監督らが舞台あいさつをおこないました。
 『さよならケーキとふしぎなランプ』は、2008年より続いているプロジェクト「ムサシノ吉祥寺で映画を撮ろう!」の第4弾となる作品。ミュージシャンの堂島孝平さんが主演をつとめ、吉祥寺でカフェを営む主人公・此野岸(このぎし)さんと、此野岸さんのカフェで働くことになったパティシエ見習いの波奈美アキやその父親・和義たちが繰り広げるちょっとふしぎな物語が描かれていきます。
 平田さんは劇中では髪を金髪に染めてアキを演じており「短髪で金髪になったので、金髪の力に少し助けられて、自分のテンションもアキちゃんに近づけたかなと思います」と振り返り「普段(の自分は)あんなに強めの女の子ではないと思います(笑)」と笑顔で話しました。
 和義を演じた梅垣さんは「うちの親父はパティシエじゃなくて散髪屋だったんですね。演じるときは親父のイメージで、あんまり喋らないような、ほんとは気がちっちゃいんだけど娘にはツッパっているところがある親父をイメージしてやりました」と、以外な役作りのヒントを明かしました。
 主人公の此野岸さんを演じた堂島孝平さんは以前より地方でのコンサート出演が決まっていたため舞台あいさつには欠席となりましたが、ビデオレターで「初めての俳優への挑戦ということで、当然ながら映画を作る現場というのも初めてで右も左もわからないような状態で撮影に行ったんですけど、うまいとかヘタとかはいい意味で度外視して、金井監督に“OK”という言葉をもらうたびにテストに受かっていくような感覚で日々撮影に臨んでいました。今回の映画の初出演で表現の場を広げてもらえたことにすごく感謝しています。ご来場のみなさんに映画を楽しんでもらえると、そこで初めて映画も完成するかなと思っています。ぜひ最後までじっくりとご覧になってください」とメッセージを寄せ、金井監督は堂島さんについて「すごく肩の力が抜けている方で、現場でもそのままの雰囲気で来ていただいて、自然体の演技というのは一番難しい中でそれを実現してくださったので、とてもやりやすかったし、人としても話しやすい方でしたので、やりやすい現場でした」と印象を語りました。

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「お父さんとあまり仲のよくない女の子を演じたのですけど、お父さんをすごく信頼して尊敬している子でもあるので、ただお父さんが大嫌いな子にならないように、そこを大切に演じました」という波奈美アキ役の平田薫さん

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アキの父親でパティシエの和義を演じた梅垣義明さんは「ぼくはパティシエには見えないし、平田さんと親子にも見えないし、監督もキャスティングに勇気があったなと思うんですけど」というジョークで場内を沸かせました

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吉祥寺の近くに住んでいた経験もあり吉祥寺が好きな街だという金井純一監督。「住んでいる方たちがあたたかくてこの映画を支えてくださったので、みなさんの協力のお陰で好きな街で映画が撮れて、とても嬉しかったです」

 30年の歴史に幕を下ろすバウスシアターのクロージング作品の初日ということで、舞台あいさつには吉祥寺バウスシアター代表取締役の本田拓夫さんも登壇し「長年ご愛顧いただいて、私自身申し訳ないなという気持ちでございますが、夢は捨てておりませんので、またいずれ機会があれば、吉祥寺に文化的な貢献を持つものをもう一度再現できればなと思っております」とあいさつ。
 そして『さよならケーキとふしぎなランプ』ほか「ムサシノ吉祥寺で映画を撮ろう!」で4本の映画を送り出してきた武蔵野映画社の松江勇武プロデューサーは「こうやって舞台あいさつができるような作品作りができたのは、参加してくれたスタッフや出演者の方々や観にきていただいたお客様があってのもの、そしてこの劇場が発表の場を与えてくれたからだと思っております。バウスシアターの閉館を受けて、目標として2年後を目処に新しい劇場を開設できるような方向で話をしております」と、吉祥寺での新たな映画館開館の構想を発表しました。

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特製ケーキ登場に拍手の平田薫さんと梅垣義明さん。ケーキには映画のタイトルと「ありがとうバウスシアター」の文字が

 松江プロデューサーは舞台あいさつ終了後、新映画館の構想についての取材に応じました。
 現在、松江プロデューサーが中心となった有志で資金調達など計画を進めており、建築基準法や消防法など建物のハード面の確認が必要なためまだ詳細は発表はできないものの、吉祥寺駅から徒歩10分圏内の場所で交渉が進んでおり、50席以下の小さな劇場ながらフィルム上映も可能な2スクリーンでの開館を構想中とのこと。
 現在のバウスシアターは「偏りがあるからこそ支持されていると思うので」と、番組編成などソフトの面で現在のバウスシアターを継承し「ちゃんと引き継いで次の人に伝えていく」映画館を考えており、館の名称も「自分としては引き継ぎたい」、現在のバウスシアターの名物企画「爆音映画祭」についても「防音の問題等々はあるのですが、爆音映画祭の発祥の地は吉祥寺なので(継承を)目指したい」との意向を明らかにしました。
 また、これまで松江プロデューサーが「ムサシノ吉祥寺で映画を撮ろう!」プロジェクトでおこなってきた映画製作については「劇場をやるということと映画製作が両立できるかというと難しくなると思うので、いいかたちで引き継いでいけたら」と、新たな体制での継続を示唆しました。

 『ムサシノ吉祥寺で映画を撮ろう!」プロジェクトのひとつの節目となる『さよならケーキとふしぎなランプ』は、4月26日(土)より吉祥寺バウスシアターで上映されるほか全国順次公開されます。

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