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「夏のホラー秘宝まつり」開幕に塩でお清め! 『マウント・ナビ』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった野口大輔さん、木田友和さん、小野村麻郁(おのむら・まゆ)さん、秋山タアナさん、片山享さん、金子彩奈さん、國重直也さん、千葉誠治監督(左より)

 新作旧作洋画邦画を取り混ぜホラー映画の傑作・名作14本を上映する映画祭「夏のホラー秘宝まつり」が7月5日にキネカ大森でスタートし、日本初上映となる新作『マウント・ナビ』の千葉誠治監督と出演者の片山享さん、秋山タアナさんらが舞台あいさつをおこないました。
 『マウント・ナビ』は、ホラー映画撮影のために不吉な山と伝えられる中部地方の“なび山”を訪れた撮影クルーが体験する恐怖をPOV(主観映像)で記録したフェイク・ドキュメンタリー作品。千葉監督の「UFO映画をどうしても作りたいなと思って勝手に台本を書き始めて、それから『パラノーマル・アクティビティ』や『REC/レック』のようなPOVが作りたくて、それをガッチャンコ(合体)させた」という発想から生まれた作品で「POV映画が出尽くしている感があるのでそれをひっくり返してやろうという意味で、フェイク・ドキュメンタリーを撮りに行った奴らが出てくるフェイク・ドキュメンタリーという、みなさんに先が読めないものを作りたい」という監督の意向から、なんと撮影クルー役のキャストが実際に機材の運搬など撮影スタッフとしても働くという、監督曰く「実際に体験させることによってその役柄に没頭していくという演出方法」で撮影されたとのこと。
 そのためキャストにとってはハードな現場だったそうで、主演の片山享さんは「挙げたらキリがないくらい、とんでもないエピソードがいっぱいある(笑)」と話しつつ「格闘するシーンがありまして、千葉監督から“こうやるんだ”と監督と組み合った状態で演出を受けていたたときに、監督は意図していないと思うんですけど監督の力がグッと入ってぼくの皮膚がだいぶズリッと(笑)」と裏話を披露。秋山タアナさんも「すごい寒いところで夜の7時から明け方5時くらいまでぶっとおしで撮影していまして、なんとか最後まで撮影が終わって、安心感からか車で待っているときに体が震えてきちゃって、過呼吸気味になってきちゃったんです」と、現場の苛酷さをうかがわせました。

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あいにくの天気の中の初日となりましたが「この『ホラー秘宝まつり』にぴったりのジメジメした天気で盛りあがっていくんじゃないかなと思います」と多田役の片山享さん

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「みなさんの期待や想像をいい意味で裏切るようなとんでもない作品になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいってください」とあいさつしたしおり役の秋山タアナさん

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美麗を演じた金子彩奈さんは「美麗という、大変な目に遭う……みんな大変な目に遭うんですけど(笑)、大変な目に遭ってしまう女の子をやりました」と自己紹介しました

「夏のホラー秘宝まつり」では、来場者の投票でグランプリを選ぶ企画「ホラー総選挙」がおこなわれており、出演者に「『マウント・ナビ』のライバルとなる作品は?」という質問も。「うちの近所のレンタルビデオ店にぼくが観ていないホラー映画はほぼない」というほどのホラーファンだという國重直也さんは「映画館で観ていて、また観られるのが楽しみな作品」と『へんげ』を、金子彩奈さんは「私の大学時代の友人の大畠奈菜子さんが出演していて、ライバル視しつつも一緒に(上位に)あがっていきたい」と『クソすばらしいこの世界』を、小野村麻郁さんは「ライバルといえば同じ千葉監督の作品」と『いま、殺りにゆきます』をそれぞれライバル作として挙げ、野口大輔さんは「命がけで作った作品です。きっとほかの作品も命削って作った作品だと思うんですが、今日ここにいるみなさまはぜひ『マウント・ナビ』に」と、木田友和さんは「冗談じゃなくて命がけ。夜中12時過ぎから太陽が登るくらいのときまですごい高いところから照明を降っていたんですけど、眠くて落ちそうになっちゃって(笑)。そういう現場が映像に残っている作品ですので、ぜひ1票をよろしくお願いします」と応援を呼びかけました。

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吉見役の國重直也さんは自身もホラー映画ファン。「『マウント・ナビ』はそんなぼくが観てもだいぶ面白い作品になっていますので、楽しんでいただければと思います」

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田辺役の木田友和さんは「この作品は、とても痛々しく苦しい、そんな気持ちになれると思います。それを観にきてくださってほんとにありがとうございます」とあいさつ

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「今日、(いまの時期には)珍しく涼しいというか寒い。なんでだろうと思ったら、やっぱりこの初日だからなのかなというふうに思っています」と真藤役の野口大輔さん

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沙耶役の小野村麻郁さんはほかの登壇者とは少し違った役柄で「この中で唯一痛い目に遭わない役で、ちょっとしか出ていないんですけど、ぜひ観てください」とあいさつ

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かつてセゾングループに勤め「この劇場の立ち上げのときぼくもいたりして、20何年も経ってぼくの作品がここで公開されることにとても感動しています」と千葉誠治監督

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ホラー映画大ファンの國重直也さん(一番右)は、ライバル視する映画を尋ねられるとおもむろに「夏のホラー秘宝まつり」の全作品が掲載されたチラシを取り出して真剣に解説

 そして、初日を前にして関係者に体調不良者が続いているということで、お清めの意味を込めてステージ上から塩を撒くことに。千葉監督の「塩撒いて『ホラー秘宝』スタート!」の声で登壇者が一斉に小袋入りの塩を撒き、お清めとともに「夏のホラー秘宝まつり」成功を祈願しました。

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壇上から塩を撒くキャストと監督。塩を撒く直前に「必ず(塩を)受け取ってくださいね。受け取り損なうと不幸が訪れます」と宣言する監督にキャストからは「やめてください(笑)」の声が。この写真のあと、片山さんは受け取れないお客さんがいないよう客席最後方まで移動して塩を撒きました

 千葉監督は「すごく短い時間で撮ったんですけど、考えていたのは相当前からで、かなり思い入れのある作品です。絶対に先が読めないような感じになっていますので、ぼくや出演者と闘うつもりで(先を読んで)観ていただいて、気に入ったらお薦めしていただいて、大勢の方に楽しんでいただけたら幸せです。気に入っていただけなくても、ホラーとかスリラーってけなしてりディスったりするのも面白いところだと思うので、ツッコんでもらうのもぼくは嬉しいです。語られない映画ほど哀しい映画はないので(笑)、ディスっていただいて、あるいは褒めていただいて、けなしていただいて、かわいがっていただけたらぼくとしては幸せです」と舞台あいさつを締めくくりました。

 キングレコードのホラー専門レーベル「ホラー秘宝」とキネカ大森のタッグで贈るキネカ大森初のホラー映画祭「夏のホラー秘宝まつり」は7月5日(土)より18日(金)まで2週間にわたり開催中。『マウント・ナビ』のほか、過去に公開され好評を得た『へんげ』『クソすばらしいこの世界』『先生を流産させる会』『いま、殺りにゆきます』の日本映画や、日本からは井口昇監督、西村喜廣監督、山口雄大監督が参加しているオムニバス『ABC・オブ・デス』、ダリオ・アルジェント監督の名作『サスペリア』、日本初公開の韓国映画『ブラインド』、同じく日本初公開のアメリカ映画『エクソシスト・キルズ』など、古今東西14作品を上映。連日スペシャルゲストを迎えた「ホラーしゃべり場トークショー」がおこなわれるほか、リピーター割引、スタンプラリーなど様々な企画が実施されています。

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