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世界の映画祭で受賞の続く注目の話題作が待望の日本公開 『FORMA』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった松岡恵望子(まつおか・えみこ)さん、梅野渚さん、仁志原了(にしはら・りょう)さん、坂本あゆみ監督(左より)

 2013年の東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞を受賞したのをはじめ、世界各国の映画祭で高い評価を得ている『FORMA』(フォルマ)が8月16日にユーロスペースで初日を迎え、主演の松岡恵望子さんと梅野渚さん、脚本と出演の仁志原了さん、坂本あゆみ監督が舞台あいさつをおこないました。
 坂本監督の初長編作となる『FORMA』は、9年ぶりに再会した高校時代の同級生・綾子と由香里の関係を通して人間の心の闇を描いたサスペンス映画。
 舞台あいさつは初回の上映後におこなわれ、登壇した坂本監督は「初めて東京国際(映画祭)で上映したときから、いろんな人の力を借りて作品がどんどん成長してきたと思っています。今日をきっかけに、またどんどん作品が成長していくと思っています。その記念すべき日にみなさんに観ていただいて、ほんとに心から感謝します」と初日を迎えての心境を語りました。
 複雑な内面を持つ由香里を演じた松岡さんは、役作りにあたり衣裳やヘアメイクを「この子はどういう子なんだろう」と考えて自身で準備し、さらに由香里と同じような境遇の人の体験談を参考にしたと話し「具体的にはなにが役作りとして役に立ったかはわからないんですけど、そういう時間を過ごすことで由香里という役が自分の中に落ちてきたと思っています」とコメント。
 同じく複雑な内面を持つ綾子役の梅野さんは「最初に台本を読んだときのイメージを1回全部捨てて、ゼロから役作りを進めました。松岡さんも言っていたように衣裳を監督と選んだり、炊事をしているシーンも(画面に)映ってはいないんですけど、普段どういうものを食べているかとか、そういう細かいことまで監督との共同作業でした」と振り返りました。

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主人公の保坂由香里を演じた松岡恵望子さんは「ほんとに由香里を生き抜いたという作品です。とてもとても私の中で大きな、大切な作品ができました」とあいさつ

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「自分でもこの『FORMA』の上映を心待ちにしておりましたので、ようやく上映ができて、とても嬉しいです」と心境を語った主人公・金城綾子役の梅野渚さん

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「監督と何年もかけて何百回と打ち合わせしながら作りあげた作品が、このような劇場で公開されるのがほんとに夢のようです」と、脚本と田村陽平役の仁志原了さん

 『FORMA』の見どころのひとつが、実に24分におよぶワンカット長回しのクライマックス。仁志原さんは「あのシーンがリアルでなかったらこの映画は失敗すると思っていたので、いっそのこと1回しかできない即興でやったらどうかなと思って監督に提案したんですよね」と、坂本監督の意図を実現するためにセリフは決めず「ビッシリと設定と背景と、このシーンに至るまで(登場人物が)どういうふうな想いだったか」を書いた台本による即興で演じられたことを明かしました。

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『FORMA』は本編145分。坂本あゆみ監督は「みなさん、朝から長くて暗い映画を観ていただいてありがとうございます」とあいさつし場内の笑いを誘いました

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劇場ロビーにて、東京国際映画祭スタッフより贈られた花を囲んで左より仁志原了さん、梅野渚さん、松岡恵望子さん、坂本あゆみ監督

 坂本監督は「東京国際のときから思っていたことなんですけど、ただひたすら諦めずにやって、あとはみんなの力で映画が勝手に成長していった。ほんとに私の力は(指先で示して)これくらいなので、これからもっとそのことに真摯に向きあって、もっと自問自答して、素晴らしい映画をもっと作っていきたいなと思っています」と、舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、ベテランの光石研さん、劇作家・演出家として注目されるノゾエ征爾さんらが共演、145分の長さを感じさせない圧倒的な力を感じさせる『FORMA』は、8月16日(土)よりユーロスペースにて上映中。ほか、全国順次ロードショーされます。

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