日本マンガ史に燦然と輝く２作品のヒーローが奇跡の共演を果たす新作アニメーション『サイボーグ００９ VS デビルマン』（10月17日公開）の完成披露上映会が10月５日に新宿バルト９で開催され、主人公の声を演じた福山潤さんと浅沼晋太郎さん、川越淳監督が舞台あいさつをおこないました。
　故・石ノ森章太郎さん原作の「サイボーグ００９」と永井豪さん原作の「デビルマン」という、漫画界のふたりの巨匠の作品が融合する『サイボーグ００９ VS デビルマン』は、それぞれの敵と熾烈な闘いを続ける００９たち９人のサイボーグとデビルマンが、ある事件をきっかけに出会い、争うことになるストーリー。全３話のシリーズを劇場では一挙上映します。
　原作者の異なる超有名作２作品のコラボレーションはキャストやスタッフにとっても驚きだったようで、００９＝島村ジョーの声を演じた福山さんは「『サイボーグ００９ VS デビルマン』という衝撃作で、まさか島村ジョーをやらせていただくことになるなんて思っていなかった福山潤です」とあいさつし、デビルマン＝不動明の声を演じた浅沼さんも「同じく、まさか衝撃作でやるなんて思っていなかった、不動明＝デビルマン役・浅沼晋太郎です」と、さらに川越監督も「ぼくもまさかこんな作品をやるとは思っていなかったんでビックリしています(笑)」と、３人で「まさか」を連発。
　さらに、タイトルを聞いたときの驚きを福山さんは「衝撃的すぎて“いろいろ整理させてもらえますか？”という状態(笑)」、浅沼さんは「正直１回じゃ受け止められないくらいのサプライズが来たので(笑)」と振り返り「途中までドッキリだと思ってましたからね(笑)」（浅沼さん）、「リアクション取れるかどうか心配ですよ(笑)」（福山さん）とジョークも。川越監督は「最初はもっとお祭りみたいな作品かと思っていたんですよ。それが話を聞いていくとちゃんと正史のものをやりますというのでビックリ」と、監督を依頼されたときの心境を語りました。

　これまで何度も映像化され多くのキャストが演じてきたキャラクターを演じるにあたっての心境を、福山さんは「本来ならものすごく畏れ多いことだと思うんですけど、ぼくの勝手な解釈として『００９』という作品はアニメ史、マンガ史における古典になっていて、いろんな解釈が存在するというところが根本的にあるんじゃないかと。先輩たちがやってきたものがあったからこそ自分の解釈で自然に役に取り組んでいいんじゃないかと思ったので、プレッシャーはあるんですけど自分の感じたままでやらせていただきました」、浅沼さんは「リスペクトはしつつ、監督の作り上げた新しいビジュアルのデビルマンに生命を吹きこもうと、そして（過去の作品に）触れたことのない若い方々にも受け入れてもらえるようなものを新しく作ろうという感覚でやっていましたね」とコメント。
　川越監督はふたりの声の演技について「福山さんの（００９のセリフ）“加速装置！”の叫び方がいままでの方とはちょっと違って新しい感じになっていますので、楽しみにしていてください。ぼくもこの（叫び方の）解釈はいいなと楽しみにしていました。浅沼さんのほうは、喉がとても心配なくらい不動明とデビルマンふたつの演じわけがすさまじい」と、賛辞を送りました。

　舞台あいさつは上映前におこなわれたため詳しいストーリーには一切触れられずに進行しましたが、浅沼さんは「最後、キューティーハニーが出てきてですね」と衝撃発言。福山さんも「嘘じゃないかもしれない(笑)」と笑い、川越監督は「次、やりたいですね」と話して会場を沸かせました。
　そして、福山さんは「このふたつの作品を知らない方にも、きっと熱量は伝わるという自負があります。ぜひとも我々の熱、魂をこれから受け取ってください」、浅沼さんは「この脈々と続く歴史の中のものすごい衝撃に触れていただいて、それを伝えていただけたらなと思っております」、川越監督は「劇場公開用のバージョンは（Blu-ray・ＤＶＤでリリースされる）製品版とは別のものになっていますので、ここでしか観られないものをぜひ楽しんでいってください」と、それぞれメッセージを送り、舞台あいさつを締めくくりました。

　ふたつの作品のストーリーが見事に融合、原作漫画や過去の映像化作品の要素も巧みにミックスされた新作アニメーション『サイボーグ００９ VS デビルマン』全３話は、10月17日(土)より新宿バルト９ほかにて２週間限定イベント上映されます。