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森田桐矢さん初主演作は苦労も「気合で乗り切りました」 『フリーキッチン』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった中村研太郎監督、森田桐矢(もりた・とうや)さん、大貫真代さん、延増静美(えんそう・きよみ)さん(左より)
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 人間最大のタブー“カニバリズム”を題材にしたブラックコメディ『フリーキッチン』が11月28日にユーロスペースで初日を迎え、主演の森田桐矢さんと共演の大貫真代さん、延増静美さん、中村研太郎監督が舞台あいさつをおこないました。
 中村監督の劇場デビュー作となる『フリーキッチン』は、人気マンガ家・福満しげゆきさんのデビュー作「娘味」が原作。母親とふたり暮らしの高校生・ミツオを主人公に、ある方法で肉を調達する母親・キョウコとミツオの関係が、ミツオとペットショップ店員・カナの恋愛も絡めて描かれていきます。
 撮影から2年を経ての劇場公開となり、中村監督は「企画を企てたのは7、8年前で、撮影はもう2年ほど前で、ようやく本日お披露目となりました。ほんとに時間をかけましたけど上映できて光栄に思います」とあいさつ。
 ミツオを演じた森田さんも、撮影から時間が経っているためか「ぼくが、初めて……ですよね?」と確認しつつ「初めて出演させていただいた映画なので、とても思い出深い作品です。ぜひ楽しんでください」と初日を迎えての心境を語りました。

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中村監督が「暗い表情が似合うような、なおかつかわいい感じの子がいいなと思っていてので、ちょうどそれに適していた」と評した主人公・ミツオ役の森田桐矢さん

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ハ虫類を扱うペットショップの店員・カナを演じ「ヘビやらフトアゴヒゲトカゲやら、いろんな対面をして意外とハ虫類もかわいいんだなと」思ったという大貫真代さん

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「こうして劇場公開して舞台あいさつができるとは思っていなかったので、ここに立てていることをとても光栄に感じております」と母親・キョウコ役の延増静美さん

 息子を溺愛する“怖い母親”キョウコを演じた延増さんは、中村監督から「臓物にダイブしてほしい」と言われてシナリオを読む前に「ぜひやらせてください」と出演を承諾したと話し、演じるにあたって「脚本に素直にやろうと思ったので“怖い”とかそういうことはあまり考えずに、普通に“ある親子の物語”と思ってやろうと思いました」とコメント。
 延増さんとの共演シーンの多い森田さんは「(親子が)対面して話すことが多かったんですけど、(延増さんが)グイグイ圧をかけてくるんですよ。言葉ひとつひとつがプレッシャーを与えてくるというか、それにやられているうちに自然にミツオの圧をかけられている感じが出せたかなと思います。助けられたポイントですね」と語り、中村監督も「観ていただくとわかるんですけど、(延増さんが)すごい迫力です」と、延増さんの演技に賛辞を送りました。

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ミツオとカナについて「マンガ原作だからといってマンガの登場人物に似せようとせず、自分のイメージで選ぼうと」オーディションで選考したという中村研太郎監督

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撮影中の延増さんの迫力を「グイグイ圧をかけてくる」と表現する森田さんの言葉に、延増さんだけではなく大貫さんも思わず笑顔を見せていました

 劇中にはカニバリズムという題材ならではのハードな場面もあり、ミツオが恋するカナを演じた大貫さんは「(現場に)臓物があってビックリしましたね(笑)。臓物と一緒に横になるシーンがあって、髪の毛に付いちゃってメッチャ臭いがするんです(笑)」と苦労話を披露しましたが「それをみんなに嗅がせて楽しんでいました(笑)。意外と楽しくやっていました」と、過酷な状況も楽しめた様子。
 中村監督は「作り物を用意する予定だったんですけど、造形会社の方に相談したところ“リアルでやったほうがいいよ”と言われまして、食肉加工屋さんでブタの臓物を手に入れまして、すごい臭いがしてご迷惑をお掛けしたと思います」とキャストに詫びつつ「女性スタッフが喜々として記念撮影していたので、男性より女性のほうが強いのかな」とスタッフのたくましさに感心(?)。
 森田さんも臓物の中での撮影について「けっこう(臭いに)やられていましたね。気合でなんとか、気分で乗り切りましたね」と笑顔で振り返りました。

 衝撃的な題材を扱いつつも淡々とした描写や散りばめられたユーモアが不思議な味わいをもたらす『フリーキッチン』は、11月28日(土)よりユーロスペースにてレイトショー公開中。ほか、全国順次公開されます。

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