市役所職員を主人公にした異色のヤクザ映画『民暴』が1月30日にシネ・リーブル池袋で初日を迎え、出演者の紗綾さん、IZAMさん、河本タダオさんと、貝原クリス亮監督が舞台あいさつをおこないました。
人気の個性派俳優・木下ほうかさんが主演をつとめる『民暴』は、木下さん演じる市役所勤務の聖人(きよと)が、住民運動に対応する中で弁護士やヤクザの組長と知り合いになり、数奇な運命に巻き込まれていくストーリー。
主演の木下さんはスケジュールの都合で舞台あいさつは欠席となりましたが、ビデオメッセージで舞台あいさつ欠席を「ホンマすいません」と謝罪するとともに「ジャンルとしては一見ヤクザ映画と思われるような雰囲気もありますけど、思わぬ展開とか意外な展開をしていきますので、ぜひとも最後までお楽しみください」と映画の見どころをアピール。
聖人の恋人となる弁護士の希美子を演じた紗綾さんは「撮影に入る前にほうかさんとリハーサルをさせていただいて、どういう関係を作るかとか話し合いました。私は22歳でほうかさんが51歳なので、けっこう歳の差あるんですよ。役の上では25歳と42歳の設定なのでそれなりな感じなんですけど、実年齢が離れているので、辻褄を合わせるためにいろいろコミュニケーションをとらせていただいて役作りをしていきましたね」と、木下さんとの共演を振り返りました。
紗綾さん“上からものを言う”弁護士役に「すごいスカッとした」 『民暴』初日舞台あいさつ
香坂組長役の河本タダオさんは「役者生活初めてのキスシーンをやらせていただきました。次はもっと激しい奴を監督よろしくお願いします(笑)」とジョークを
当日の天候にちなんで「雪が降るのかと思いきや降らないという、ちょっともどかしい感じの夜にぴったりの映画だと思います」と若頭・村崎秀樹役のIZAMさん
弁護士役で難しいセリフが多く「“懲戒免職“という言葉がきちんと言えなくて、10回近くNGを出してしまったのが心残りです(笑)」と藤沢希美子役の紗綾さん
ヤクザの若頭・村崎を演じたIZAMさんは、ベテランの白竜さんとの撮影の日に車が渋滞に巻き込まれ「大先輩を待たせてはいけない」と焦ったという裏話を披露し「現場に着いたら白竜さんもぼくよりうしろの渋滞に巻き込まれていて、1時間遅れて入られたので逆にホッとして。すごいのは白竜さんは(現場に)入られてすぐに“ハイ、やろう”と。もう(役が)できあがっていたんでしょうね。すごいですね」と共演の感想を。
IZAMさんが所属する組の組長・香坂を演じた河本さんは、そんなIZAMさんの若頭役に「ぼくは組長だから座っていて(IZAMさんを)見上げると、けっこう迫力がありました。堂々としていましたよ」と太鼓判を押しました。
「一般公開が初めてで緊張しております(笑)」という貝原クリス亮監督。「内向的なタイプなので、ヤクザ役の方々に囲まれると怖くて(笑)」と裏話を披露
舞台あいさつの司会は「Vシネマが大好き」というお笑い芸人の瞬間メタルのおふたりが担当。河本さんのリクエストに応えてネタも披露しました
河本さんは「緊迫した場面も多くて楽しめると思うので、最後までよろしくお願いします」、IZAMさんは「任侠ものっぽい雰囲気もありますが、それだけでは留まらない映画になっていると思います。まさに世の中いろいろあるじゃないですか。そんなのも含めて楽しんでほしい」、紗綾さんは「新米弁護士という役で悪い方に上からものを言って解決していく役だったんですけど、普段は人に対して上からものを言ったりするタイプではないので、すごいスカッとしたんですよ。みなさんも私の気持ちになって観ていただければすごいスカッとするシーンがいっぱいあるので、そういうところを観てほしいです」、貝原監督は「人生いいことも悪いこともあって、楽しいこともあれば哀しいこともある。そういうのを全部引き受けて生きていかざるを得ないのが大人なのかなって、自分としてはそういうような感じで作ったので、割り切れなさや、人生は苦いということを感じていただければと思います」と、それぞれに作品のポイントを挙げて舞台あいさつを締めくくりました。
木下ほうかさんや白竜さん、舞台あいさつ登壇者の方々のほか、個性派キャストが多数出演する『民暴』は、1月30日(土)よりシネ・リーブル池袋にて連日20時30分より上映されます。