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吉岡秀隆さん「観ると元気になる」ナレーション作が公開 『ふたりの桃源郷』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった佐々木聰監督(左)と吉岡秀隆さん
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 電気も水道もない山で暮らす夫婦とふたりを支える家族を25年にわたって取材したドキュメンタリー『ふたりの桃源郷』が5月14日にポレポレ東中野で初日を迎え、ナレーションをつとめた吉岡秀隆さんと佐々木聰監督が舞台あいさつをおこないました。

 『ふたりの桃源郷』は、山口県のローカル局・山口放送が放送し好評を得てきたドキュメンタリーシリーズを1本の映画へと再編集した作品。還暦を過ぎて山での生活を選んだご夫婦とそのご家族の姿を通して、現代の「幸せ」のあり方を考える作品となっています。

 初回の上映は補助席もすべて埋まる盛況となり、佐々木監督は「こんなに大勢の方でギッシリで、ぼくもビックリしています。ありがとうございます」とあいさつ。「普通はドキュメンタリーでは“ここで盛り上がってほしい、ここでこう感じてほしい”というようなストーリー付けもするのですが、この『ふたりの桃源郷』に関してはそういうものをなるべく排除して、我々取材陣が山で感じて切り取ったままをお届けしなくてはならない、そのままを感じてほしいという想いで作りました」と、作品に込めた想いを語りました。
 吉岡さんは、ナレーションの依頼がある前からテレビ放送を観て作品を知っていたそうで「ずいぶん前に友達の家で飲んでいてテレビをつけたらやっていて、酔いも覚めて、寝て観ていたのが起き上がって正座して観たのを覚えていて、お話があったときにとても嬉しかったです」と振り返り、ナレーションにあたって「極力邪魔をしないように淡々と」心がけていたと話しました。
 また、佐々木監督は吉岡さんにナレーションを依頼した理由を「清潔感とか素朴さとか誠実さ、優しさが(山で暮らすご夫婦の)おじいちゃんの生き方に重なるんですよね。もうひとつは、取材班が私も含め40代半ばの人間が多くて、我々の想いをそのまま表現してくれる方にお願いしたかったので、ほかにはいないと」と語り「(ナレーションの入った作品を観て)また泣いてしまって、自分の作ったものを観て泣くのはどうかしていると思う人もいるかもしれませんが、作品に新しい命を吹き込んでもらって、まさにお願いしてよかったなと思いました」と吉岡さんのナレーションを絶賛。
 吉岡さんは「ぼくらが作っているドラマだったり映画だったりはどうしても作り物なので“ここで泣かせて”とか作為があるんですよね。『ふたりの桃源郷』を初めて観たときに、ドキュメンタリーにはかなわないなと」と話し「ドラマとかの可能性をもっと真剣に考えないとなと改めて考えさせていただいた作品で、勉強になりました」と、演じる立場からの作品への印象を語りました。

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山口放送の現役ディレクターである佐々木聰監督

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ナレーションを担当した吉岡秀隆さん

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観客に贈られた花束を抱える吉岡秀隆さん

 佐々木監督は「『ふたりの桃源郷』とありますけれど、おじいちゃんおばあちゃん(=映画のご夫婦)の桃源郷の先に、みなさんがご自身の桃源郷を見ながらテレビで放送されたドキュメンタリーをご覧いただいていたと思うんです。そういう映画だと思いますので、自分の大事なものを見つめなおすきっかけになれば」とコメント。
 吉岡さんは「説教くさいことは言いたくないですけど、とにかく観ると元気になるのはたぶん間違いない作品だと思うので、広めていただけるとみんなに喜ばれると思います。ほんとに(映画のご夫婦の生き方が)『北の国から2002 遺言』で五郎さんが最後に“お金なんて望むな。幸せだけを見ろ。自然はお前たちを死なない程度には食わせてくれる”って言う本物なので、そこを観てもらって、ぜひよろしくお願いします」と、出演した人気ドラマのセリフを織り込んだメッセージを送るとともに「佐々木監督はとてもいい方で、だからこそ、おじいちゃんもおばあちゃんもご家族の方も全部見せてくれたというか、佐々木さんだからこの作品が撮れたんだなあとほんとに思いました」と佐々木監督に賛辞を送り、佐々木監督は「もう、嬉しくて胸がいっぱいです」と笑顔で答えました。

 山口放送開局60周年記念作品となる『ふたりの桃源郷』は、5月14日(土)よりポレポレ東中野にて公開中。ほか、全国順次公開されます。

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