舞台あいさつをおこなった古川雄輝さん、広瀬アリスさん、下山天監督(左より)。古川さんと監督はサプライズゲストに贈られた花束を持ち、広瀬さんはタイトルの「L」をかたどったパネルを
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広瀬アリスさんを主演に人気ロックアーティスト・Acid Black Cherryのアルバムを映画化した『L−エル−』が11月25日に初日を迎え、TOHOシネマズ新宿で広瀬さんと共演の古川雄輝さん、下山天監督が舞台あいさつをおこないました。
映画『L−エル−』は、ヴォーカリスト・yasuさんのソロプロジェクトであるAcid Black Cherryが2015年にリリースした同名アルバムが原作。ひとりの女性の生涯の物語を音楽で綴る“読むアルバム”であるコンセプトアルバム「L−エル−」のストーリーに忠実に、架空の街ラ・ヴィ・アン・ローズで生まれた少女・エルが送る波乱の人生が描かれていきます。
エルを演じた広瀬さんは「やっと初日を迎えられて嬉しいです」とあいさつ。広瀬さんはエルの若いころだけでなく年老いた姿も演じており「10代からおばあちゃんになるまでを演じたので、少しずつ彼女が成長していっている姿をぜひ観ていただきたいと思っております」とコメント。特殊メイクを施しての老人役について「まだおばあちゃんになったことがないので、そこが一番大変でしたね(笑)。特殊メイクは10時間付けているとわりと長いほうらしいんですけど、18時間くらい付けていて。古川さんなんてそのうち10時間くらいは待ち時間で大変だなあと」と、撮影の苦労をうかがわせました。
エルを一途に想い続ける幼なじみ・オヴェスを演じた古川さんは「オヴェスは自分の気持ちを伝えるのが不器用というか苦手な部分があると思っていて、愛する人に単純に“愛しているよ”とか“好きだよ”とか言うだけじゃなくてほかの行動で見せてしまうとか、そういうところは自分と共通しているのかなと思います」と役と自身の共通点を語り、古川さん自身も「愛している」という言葉は「あんまり言えないですね、恥ずかしくて(笑)」と照れ笑い。広瀬さんも話したように古川さんも特殊メイクで年老いたオヴェスを演じており「10時間おじいちゃんで待っているので、特殊メイクをしているとけっこう口も動かないんですね。なのでご飯を食べるときもなんとか口にいれるみたいな」と振り返りました。
舞台あいさつでは「どんな人に映画を観てもらいたいか」という質問もされ、広瀬さんは「エルという女性の人生のお話なので、恋愛だけでなくいろいろなことで悩んでいる女性に観ていただければ嬉しいかなと思います」、古川さんは「愛というのがひとつのテーマになっている気がするので、ご夫婦とかカップルとか愛する人と一緒に観ていただきたいなと思います」と、それぞれ回答。
同じ質問に下山監督は「監督としては、ABC(=Acid Black Cherry)のファンのみなさんにまず観ていただきたいです。yasuさんが『L−エル−』に込めた想いをぼくたちスタッフとキャストが一丸になってフィルムに焼き付けたつもりでいますので“アルバム『L−エル−』が映画になってよかったな”とファンのみなさんが思っていただければそれが一番の本望です。それともうひとつは、(Acid Black Cherryの)ファン以外の方も観て、ABCにハマっていただければなと思っています」と、Acid Black Cherryを知らなかった監督の知り合いが映画に感動して「“天ちゃんこんなの撮れるのか!”ってメールを送ってきた(笑)」というエピソードを交えて答えるとともに「どう映像化していいのか何日かは途方に暮れていたんですけど、yasuさんが“読むアルバム”という新しい音楽界の扉を開いたので、これは映像でも負けていられないと、ぜひ“観るアルバム”に挑戦しようと思って取り組みました」と、日本初となる音楽アルバムの映画化に挑んだ想いを語りました。
そして、監督が原作アルバムについて想いを語ったタイミングで、広瀬さんと古川さん、下山監督の3人とも知らなかったサプライズゲストとして、Acid Black CherryのyasuさんとAcid Black Cherryプロデューサーの菊池真太郎さんが登場しました。
原作者であるAcid Black Cherry・yasuさん(後ろ姿ですみません)の登場に驚きを抑えられないまま花束を受け取る広瀬アリスさん
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大きな歓声の中、花束を持って登壇したyasuさんは「映画初日おめでとうございます。そして撮影と制作ほんとにお疲れ様でした」と、3人にねぎらいの言葉を贈り「ぼくたちはマンガ家志望で、Acid Black Cherryの作品を作るときにいろいろなかたちのエンターテイメントを作りたいと思ってコンセプトアルバムを作ってきていて、まさか映画化していただけるなんて夢にも思っていなかったので、しかもこんな素敵な監督と素晴らしい役者さんで、ほんとにこの作品にいろんな人の気持ちとか魂とかが改めてこもって、ぼくたちの手を離れて違うかたちでみなさんのもとに行くというのはなんとも言えないくらい幸せな気持ちです。ぼくたちを知らない方もたくさんいると思うんですけど、いろいろな人の想いが詰まった『L−エル−』という作品をみなさんの人生の1ページに刻んで観てもらえればいいかなと思いますので、楽しんでいただければと思います」と自身の作品が映画化されての心境を語りました。
yasuさん、菊池さんが舞台を降りると、広瀬さんは「ビックリしたー、ホント知らない!」と改めて驚きをあらわにして「撮影現場にyasuさんがいらしたときは、ただお互いの好きなマンガの話をして終わってしまったので(笑)、初めてyasuさんから今回の『L−エル−』の話が聴けてよかったです」と話し、Acid Black Cherryの大ファンだというお兄さんに「超自慢します(笑)」と笑顔。
yasuさんと菊池さんの登場にもクールに落ち着いて見えた古川さんも「ぼくはいま(yasuさんと)初めましてでして、けっこうビックリしてますよ(笑)」と、サプライズの感想を述べました。
あいさつするAcid Black Cherry・yasuさん(中央)と、Acid Black Cherryプロデューサーの菊池真太郎さん(右)、yasuさんのあいさつに聞き入る広瀬アリスさん
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下山監督は「この『L−エル−』はyasuさんの熱いアルバムへの想いから始まって、ファンのみなさんが先にありまして、ぼくたち映画のチームがそれを受け継ぐかたちで一丸となって映画のかたちにしました。『L−エル−』の新しい進化のかたちとして観ていただいて、この映画を観て改めてアルバムを聴いていただけるとアルバムとの新しい関係が生まれるのかなと期待します。ABCのことや『L−エル−』のことを知らない方でもどっぷりyasuさんの世界に入っていただける映画だと思いますので、ファンの方は周りのみなさんも誘って観ただけたらなと思います」、古川さんは「ぜひですね、一度と言わずこの『L−エル−』の世界観を楽しみに劇場に来ていただきたいなと思います」と、それぞれ観客のみなさんにメッセージを。
そして広瀬さんは「この作品のお話をいただいたときからほんとにプレッシャーで、ファンの方々だったり原作を知っている方々からいろいろな意見をいただいて、それでも自分の中で新しい挑戦として頑張りたいなと思って撮影をして、やっと今日という日を迎えることができました。この作品で自分が大きく成長したなと自分でも思うときがたくさんあって、この瞬間瞬間を大事にしたいなと思いながら作った作品です。ほんとにスタッフのみなさん関係者のみなさん、そしてキャストのみなさん、全員で身を削って作った作品です。ぜひたくさんの方に観ていただきたいですし、Acid Black Cherryのファンの方にも観ていただければなと思っています」と、時折声を詰まらせながら語って舞台あいさつを締めくくりました。
共演に高橋メアリージュンさん、平岡祐太さんらを迎え、最新の映像技術を駆使してアルバム「L−エル−」の無国籍でファンタスティックな世界を映像化した映画『L−エル−』は、11月25日(金)より3週間限定全国ロードショーされています。