劇場版『ゲゲゲの女房』などで知られる鈴木卓爾監督が3年をかけて完成させた150分超の新作『ジョギング渡り鳥』が3月19日より新宿K's cinemaにて公開中。あわせて、鈴木卓爾監督作品の特集も開催されています。
『ジョギング渡り鳥』は、映画美学校アクターズ・コースの講師もつとめる鈴木監督が、アクターズ・コース第1期生の若い俳優たちとともに作り上げた作品。毎朝ジョギングに励む女性や自主映画作りに励む青年など、ある小さな町に暮らす人々の日々を、宇宙船に乗り地球にやってきた「モコモコ星人」がカメラとマイクで記録していくという群像劇となっています。
出演者である俳優陣がスタッフも兼任、シナリオに沿うのではなく即興の演技をもとに映画全体を構成していくなど独特のスタイルで制作されており、完成した作品は「映画の中と外」の境界を崩していくような感覚を観客に与える意欲作となっています。
「『ジョギング渡り鳥』上映記念特集」と題された特集は、3月19日より4月1日までの2週間、同じくK's cinemaにて開催。
震災以降に制作され「最近の鈴木卓爾監督」の映画観がうかがえる「サイキング鈴木卓爾」、鈴木監督が20年以上にわたり制作している1作品ワンシーンワンカットの短編作品「ワンピース」シリーズから選抜された作品に『ジョギング渡り鳥』チームで制作した新作を加えた「特選!ワンピース」、1987年の鈴木監督の8mm作品『にじ』を監督自身が映写機を操作して8mmフィルムのまま上映する「鈴木卓爾初期作品『にじ』特別上映」、さらにゲストを招いてのトーク「ハラヘルモコトミア」という4つのプログラムが日替わりで上映・開催されます。
特集の詳しいスケジュールは『ジョギング渡り鳥』公式サイトでご確認ください。
メジャー・インディペンデントを問わず作品を送り出す鈴木卓爾監督と若き俳優たちによる革新的なエンターテイメントといえる『ジョギング渡り鳥』と旧作の特集は、きっと刺激的な映画体験となるはずです。