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佐野和宏さんの監督・主演作と主演作が4月上旬に2作続けて公開

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『バット・オンリー・ラヴ』より

 伝説的カルト映画『追悼のざわめき』主演俳優であり、ピンク映画に新風を吹き込んだ「ピンク四天王」と呼ばれる監督のひとりである佐野和宏さんの監督・主演作『バット・オンリー・ラヴ』と主演作『夢の女 ユメノヒト』が4月上旬、続けて公開されます。

 “映画監督・佐野和宏”の18年ぶりの監督復帰作となる『バット・オンリー・ラヴ』は、4月2日(土)より新宿K's cinemaにて公開(ほか全国順次公開)。かつての佐野和宏監督作品と同様、佐野監督が監督・脚本・主演をつとめています。
 主人公は、病気により声を失いつつも妻とふたりで穏やかな時間をすごす男。一人娘が実の娘ではないと知ったことから始まる男の心の彷徨がエロティックな表現も交えながら描かれていきます。
 円城ひとみさん、酒井あずささん、蜷川みほさん、芹澤りなさんら女優陣が主人公を取り巻く女性たちを演じるほか、佐野監督と35年ぶりの共演となる飯島洋一さんや、川瀬陽太さん、吉岡睦雄さん、柄本佑さんらが共演。プロデューサーをつとめた映画運動家の寺脇研さんをはじめ、佐野監督作品を愛するスタッフ・キャストが集まった作品となっています。
 また、新宿K's cinemaでは『バット・オンリー・ラヴ』公開に合わせ「『バット・オンリー・ラヴ』公開記念 佐野和宏監督特集上映 佐野の声を聴け!」を開催。4月2日(土)より8日(金)までの1週間にわたり、自主制作の8mm映画(※今回はDVD上映)『ミミズのうた』など佐野監督の旧作が上映されます。

【『バット・オンリー・ラヴ』予告編 】

 『乃梨子の場合』で注目を集めた坂本礼監督が佐野さんを主演に迎えた『夢の女 ユメノヒト』は、4月9日(土)よりポレポレ東中野にて公開(ほか全国順次公開)。
 40年近く世間と隔絶して生きてきた初老の男が、高校生のときの「初めての相手」に会いにいく官能的でロマンティックなラブストーリー。震災と原発事故に見舞われた福島と東京を舞台とし、震災によって変わった人々の姿を描く異色の作品ともなっています。
 ピンク映画やインディー映画で活躍してきた女優・伊藤清美さんが主人公の「初めての相手」だった女性を演じるほか『乃梨子の場合』主演の西山真来さん、和田華子さんが共演しています。
 坂本監督は『バット・オンリー・ラヴ』では助監督として佐野監督をサポートしており、その意味でも深い関係を持った2作品となります。

【『夢の女 ユメノヒト』予告編 】

 佐野和宏さんは2011年に喉頭ガンにより声帯を摘出しており、今回公開となる新作はいずれも声の出ない状態で演技と、監督作『バット・オンリー・ラヴ』では演出もおこなった作品となっています。
 それぞれタイプの異なる映画ながら、まさに佐野和宏さんが現在の自分をさらけ出したような2作品は、スクリーンからつよい力を観客に向けて発する作品となっています。

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