出身地の台湾のみならず日本でもファッション誌モデルなどとして活躍するヤオ・アイニンさんが邦画初主演をつとめる恋愛映画『恋愛奇譚集』が2017年2月4日に公開されることが発表されました。メガホンをとるのは2014年公開の長編デビュー作『思春期ごっこ』で少女の青春を瑞々しく描いた倉本雷大(くらもと・らいた)監督。
福島県天栄村を舞台とする『恋愛奇譚集』は、台湾からの留学生・ユーウェンが主人公。恋愛をバカバカしいものと考えていたユーウェンが不思議な少女・ユリと出会い、ユリと友情をはぐくむ中でユリの“心残り”を晴らすためにユリとともにある秘密の作戦をおこなうというストーリー。
ヤオ・アイニンさんがユーウェンを演じ、不思議な少女・ユリには子役時代から永いキャリアを持つ福田麻由子さん。さらに、舞台である天栄村出身の和田聰宏さんや、さまざまな作品で活躍する内田慈さん、モデルから俳優へと活躍の場を広げる栁俊太郎さん、女優としての評価を高める遠藤新菜さんらが共演。さらに、水橋研二さん、山本浩司さん、前野朋哉さんと日本映画界に欠かせない個性派俳優陣も出演しています。
アジアのニュースターとして注目されるヤオ・アイニンさんは、日本での主演デビュー作となる『恋愛奇譚集』公開を前に以下のようにコメントしています。
ヤオ・アイニンさんコメント
私にとって本作はとても美しい映画です。その美しさは人と人のつながりにあります。いま、ここで誰かといることを大事にして、心で感じたいのです。撮影のとき、私自身はユーウェン役そのままでした。ひとりで日本に来て、みなさんと仕事をして、最初はなじめなかったのに後半はすごく仲良くなりました。まさに映画の中にある台詞の通り「みんなすぐに忘れちゃうと思う。でも、それでもいい。ときどき思い出してくれさえすれば。」
私たちは一緒に映画を作ってた、そう思い出してくれればいいのです。またある台詞「きっと恋によってだけ、人は誰かの物語の登場人物になることができるんだ。」の通り、人が他人の人生に関わることは、ちゃんと理由があると思います。みなさんもこの映画を見て、いまを大事に、一緒にいる人を大事に思っていただければと思います。
脚本は矢崎仁司監督作品『ストロベリーショートケイクス』(2005年)『スイートリトルライズ』(2010年)や『七夜待』(2008年/河瀬直美監督)、『百瀬、こっちを向いて。』(2014年/耶雲哉治監督)などの狗飼恭子さん。人と人の関係を繊細に描いてきた狗飼さんの脚本を、少女や若い女性の微妙な心理を描き出すことで定評のある倉本監督がどう映像化しているかも期待されます。
また、実験的なサウンドからポップスまで多彩なフィールドで活動する音楽家・蓮沼執太さんが音楽を担当しています。
映画を通して「ふくしまの今」を知ってほしい、若手クリエイターやキャストを起用して生み出される映画が福島県を訪れるきっかけになってほしいという願いを込めて製作された『恋愛奇譚集』は、2017年2月4日(土)より新宿シネマカリテ、フォーラム福島ほか全国順次公開。公開に先駆け、2016年12月11日(日)には映画の舞台となった福島県天栄村の天栄村生涯学習センター(文化の森てんえい)で完成披露試写会がおこなわれます。
『恋愛奇譚集』ストーリー
台湾からの留学生・ユーウェン(ヤオ・アイニン)は、「感情は一瞬で変わるから、恋愛することは馬鹿馬鹿しい」と思っていた。
思うように言葉が通じないもどかしさを抱えながら、ホームステイ先の古川酒造の三代目涼太(和田聰宏)や同じクラスの気になる男子・光孝(栁俊太郎)とその彼女・香織(遠藤新菜)たちと日々過ごしているユーウェン。
ある日、ユーウェンは、彼女にしか見えない赤いコートを着た謎の少女・ユリ(福田麻由子)と出会い、彼女と心の内の明かせる友達になることで笑顔を取り戻していく。
しかしユーウェンは楽しい時間を共有していく中で、ユリと涼太、そして東京から出戻ったワケあり娘・彩子(内田慈)との間に悲しい過去があることを知る。ユーウェンが気づくユリの秘密と、ユリの心残り。不思議な絆で繋がっているユーウェンとユリは、大切な日に秘密の作戦を決行する。
果たして、ユリとユーウェンふたりの想いは届くのだろうか?
そして、彼女たちは誰かにとって忘れられない存在になれるのだろうか……?