舞台あいさつをおこなった森本レオさん、小芝風花さん、香川京子さん、ウエダアツシ監督(左より)
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神話の里と呼ばれる奈良県葛城地域を舞台に、小芝風花さんが図書館職員役で主演をつとめた『天使のいる図書館』が2月18日に全国公開初日を迎え、シネマート新宿で小芝さんと共演の香川京子さん、森本レオさん、ウエダアツシ監督が舞台あいさつをおこないました。
『天使のいる図書館』は、葛城地域の図書館でレファレンスサービス(利用者の資料探しの手助け)に携わる職員・吉井さくらが主人公。考え方が合理的すぎて周囲となじめないさくらと、図書館利用者の老婦人・芦高礼子との出会いから始まる物語が描かれていきます。
さくらを演じた小芝さんは、いっぱいとなった客席を見て「ちょっといま、一気に心拍数が上がっております」と笑顔であいさつ。小芝さんは映画の舞台となった奈良県での先行上映でも舞台あいさつをおこなっており「先週、奈良県で6回舞台あいさつをさせていただいたんですけど、たくさんの方が来てくださって、映画を観終わった方がすごく笑顔で迎えてくださったので、東京のみなさんには(自信を持って)“どうぞ!”とお見せできるんじゃないかなと思っております」と、全国公開を迎えての心境を語りました。
芦高礼子を演じる香川京子さんとの共演シーンが多かった小芝さんは、大事なシーンの撮影でうまく感情が作れなかったときに香川さんが小芝さんのために何度もセリフを繰り返してくれたというエピソードを紹介し「大先輩の香川さんが私のためにこんなにしてくださるんだとすごく感動しまして、私も絶対こういう女優になりたいと心から思いました」と香川さんとの共演で得た想いを。
当の香川さんは「私のほうも長いセリフでね、自分も間違えないように練習しなくちゃと思って、小芝さんが少しでも助かったなら良かったと思いますけど、自分のためでもあったんです(笑)」と話して場内の笑いを誘いつつも「私は映画界が長くなりますけど、私が若いころ、田中絹代さん、高峰秀子さん、山田五十鈴さん、素晴らしい先輩の方たちがいらして、みなさんとっても優しく親切に私に接してくださったので、新人の私も何年か先に後輩に会うようになったらこういうふうに接してあげたいと教えられたんですね」と自身の過去を振り返り「私は素晴らしい先輩に恵まれて成長できたので、私にできることがあったら。(小芝さんは)どんどん伸びていく方ですから、これから楽しみにしています」と小芝さんに期待の言葉を送りました。
図書館嘱託職員の田中草一郎を演じた森本レオさんも「天才なんだよねこの子。長いセリフはバンバン覚えるし、役者筋肉みたいなものがすごくあって、役が要求していることを一瞬でスパーンと掴んじゃうんですね。それにちょっと手を加えるとどんどん膨れていくという、すごい筋肉を持っていて、すごい女優さんになると思いますねえ」と小芝さんを絶賛。
小芝さんは大先輩ふたりからの言葉に「こんなに褒めていただくと思っていなかったので、なんだかソワソワしています」とちょっと照れたような表情で語りました。
また、森本さんは「監督も気がついていないかもしれないですけど、この映画は神話なんですよ」と前置きしてロケ地となった葛城地域で感じた“歴史”を語ると「そういう歴史がすごく隠れていて、カメラが明るく淡々と撮っていて監督もスタティックに作っているんですけど、それが神話の優しいメロディになって全編を作っている」と、この映画には別の見方もあることを力説。
奈良県出身のウエダ監督はその森本さんの話を受けて「やっぱり古(いにしえ)の歴史のある場所ですからね。過去と現代が繋がる場所として奈良県葛城地域という場所を舞台に映画に撮れたというのは、ぼくにとって意味があることで、奈良県の出身でもあるので挑戦でもありました」と話しました。