多和田秀弥さんと小野寺晃良さんの主演で人気コミックを実写映画化した『ひだまりが聴こえる』が６月24日に池袋HUMAXシネマズで初日を迎え、多和田さん小野寺さんと上條大輔監督、共演の三津谷亮さんが舞台あいさつをおこないました。

　『ひだまりが聴こえる』は、文乃ゆきさんの同名コミックが原作。難聴のために周囲になじめない大学生の杉原航平と、明るい性格で物事をはっきり言う同級生の佐川太一、ふたりの出会いから始まるストーリーが描かれていきます。

　杉原航平を演じた多和田秀弥さんは「公開が６月24日と聞いて、もっと先なんだろうなと思っていたのですがアッという間に感じて、ぼくらが精一杯作ったものが今日こうして無事に幕を開けられたことがほんとに嬉しく思いますし、ここからどんどん『ひだまり』の輪が全国に広がっていけばいいなと思っております」とあいさつ。
　佐川太一を演じた小野寺晃良さんも「ここにいるお三方（多和田さん、三津谷さん、上條監督）と、この作品に携わっていただいたみなさんと、精一杯作った作品がみなさんのもとに届いたという、この感じがすごくあたたかい感じというか、嬉しい限りです。もっといろいろな人に観ていただけるように、我々も頑張ろうかなと思っております」と、初日を迎えての意気込みを語りました。

　劇中では同級生を演じた多和田さんと小野寺さん、ヨコこと横山智紀役の三津谷亮さんは、実際は多和田さんが１９９３年生まれ、小野寺さんが１９９９年生まれ、三津谷さんが１９８８年生まれと、最年少の小野寺さんと最年長の三津谷さんの年齢差はほぼひと回り。
　その点について話を振られた三津谷さんは「ぼくは青春学園に通っていたので」と、やはり年齢差のあるキャストが同級生役で共演したミュージカル「テニスの王子様」の舞台校の名前を出して客席の笑いを誘い「そういうので若い子たちと一緒にお仕事する機会がたくさんあったので、コミュニケーションはすぐとれますね」とコメント。そう言いながらも「（小野寺さんとの）会話に関しては、たぶんジェネレーションギャップはあったと思いますね(笑)」と正直(？)な感想も明かしました。
　一方の小野寺さんは「三津谷さんはお兄さんって感じしなかったんです。カメラ回っているときでも回っていないときでも、ずっとワチャワチャしてくるんで、ひと回りも違うとは思えなかったですね。ごく自然でした」と振り返りました。

　また、池袋HUMAXシネマズでは24日からの１週間限定で日本語字幕付きバリアフリー上映が１日１回おこなわれており、多和田さんは「バリアフリー上映がおこなわれると聞いたときにすごく嬉しかったというか、たぶんバリアフリーをすることによってこの作品の世界観がより伝わるんじゃないかなと思いましたし、ぼくらも含めて観てくださる方も、バリアフリー上映をきっかけにバリアフリーというものに対しての考え方とか捉え方が変わったり、どんどん広がっていくきっかけになればいいかなと思っているので、ぜひバリアフリー上映も観ていただけたら嬉しいなと思っております」と話し、多和田さん自身もまだバリアフリー上映の字幕付き版を観ていないため「絶対に劇場に観に来たいなという想いはあります」。
　上條大輔監督はバリアフリー上映用の字幕のチェックを自らおこなっており「セリフを視覚化するって、洋画とか観ているときに字幕を見ていると思うんですけど、その感覚と少し近くて、たぶん字幕のない状態で観ているときより伝わってくるものが少し違うというのはあって、セリフとか気持ちが文字になっていると受け取り方が少し違うなというのは思っていて、それはそれで楽しみ方が変わるのかな」と、字幕版制作に携わっての印象を語りました。

　多和田さんは「なによりこの作品ができたのは原作者の文乃ゆき先生の想いがあったと思うので、原作を見たことがないという方がもしいらっしゃいましたら、ぜひ帰りに書店で手にとっていただけたら、より『ひだまり』の世界が好きになっていただけるんじゃないかと思いますので、何度もぜひ足を運んでいただけたらと思います」、小野寺さんは「ぼくもぜひとも原作を手にとってほしいなと思います。そしてこの（原作コミックの）続編もすごくよかったので、ぜひ読んでほしいと思います」と、主演のふたりは映画とともに原作コミックの魅力もＰＲ。
　三津谷さんは「もしかしたら、相手を傷つけようと思っていない一言が意外に傷つけてしまうことがあるというのがヨコ視点だと感じて、客観的に見ると、そういう相手を傷つけてしまう言葉ってたくさん転がっているので、相手を思いやって生きていきたいなとこの映画を通して改めて思いました。ご覧になったみなさんの中にどんな『ひだまり』が残ったのかというのを拡散していただけたら嬉しいなと思います」と、この作品を通して得た想いを語りました。

　そして上條監督は「最後に言うのも変なんですけど、そして内側の話をするのも妙な話なんですけど」と前置きした上で、撮影期間が短かったために多くのシーンをワンテイクで撮影していたことを明かし「みんな、１個１個自分なりに考えたお芝居というのを１回のチャンスでちゃんと出すというのは難しいことなんだろうなと思いながら、みんなに“ゴメンね”と思いながら撮っていました。なので、今日ご来場いただいたみなさまにも感謝の気持ちでいっぱいなんですけど、この３人と出会えたというのがすごい財産だと思っています。できれば、みなさんにこの映画の感想をいろいろなところで書いていただいて、さらに拡散させていただけると嬉しいなと思います」と、舞台あいさつを締めくくりました。

　舞台あいさつ登壇のキャストに加え、航平の母親を演じるベテランの高島礼子さんらが共演する『ひだまりが聴こえる』は、６月24日(土)より池袋HUMAXシネマズにて上映中。ほか、全国順次公開されます。