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映画初主演の織田梨沙さん「やっとこの日が」 『STAR SAND -星砂物語-』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった三浦貴大さん、織田梨沙さん、満島真之介さん、吉岡里帆さん、ロジャー・パルバース監督(左より)
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 1945年の沖縄を舞台に、日米兵士の心の交流と彼らを見守る少女を描いた『STAR SAND -星砂物語-』が8月4日に東京・渋谷のユーロライブで初日を迎え、主演の織田梨沙さんとロジャー・パルバース監督らが舞台あいさつをおこないました。

 現在72歳のロジャー・パルバース監督の初監督作となる『STAR SAND -星砂物語-』は、戦火を避けて沖縄の小さな島へと渡った少女・洋海(ひろみ)を主人公に、島の洞窟に隠れ住む日本軍の脱走兵・隆康と負傷したアメリカ兵・ボブ、そして洋海が、国や立場の違いを越えて心を通わせていく姿が描かれていきます。

 洋海を演じた織田梨沙さんは『STAR SAND -星砂物語-』が映画初主演作となり、緊張を覗かせながら「今日は足を運んでくださってありがとうございます。ついにやっとこの日が来たなって、待ち遠しかったです」とあいさつ。

 隆康役の満島真之介さんは「監督の想いと、いろいろな人種とか年代、肌の色、いろいろなものを超越した作品に挑戦できたということにぼくはすごく喜びを感じていて、この映画が毎年8月の時期に全国で上映されるような映画になっていればいいなと、みなさんまた力をお貸しくださいください」と作品への応援を呼びかけ、隆康の兄・一(はじめ)を演じた三浦貴大さんは「この映画はすごく大切に演じた、ぼくにとっても大切な作品でもありますし、こうやって初日にたくさんの人に観てもらえるのはほんとに幸せだなと思っています」、主人公・洋海の足跡をたどる現代の大学生・志保を演じた吉岡里帆さんは「この映画がほかの戦争映画と明確に違う点、それは残虐なシーンや人が亡くなっていくさまを描くことで戦争に対しての怒りを表現するのではなくて、普通の人たちが普通に恋をして普通に生きて、普通に幸せになるということを願った人を描いていて、そこにすごく面白みを感じました」とそれぞれ作品について語りました。

 作家・劇作家・演出家として多くの作品を生み出すほか、大島渚監督『戦場のメリークリスマス』(1983年)では助監督をつとめたパルバース監督は「感無量です。私が初めて日本の土を踏んだのは昭和42年(1967年)でございます。あれから50年の歳月が流れているわけですが、やっとこの映画を作ることができて本当に嬉しいです。これがぼくにとってライフワークですし、なんといっても非暴力がテーマですから、それを日本人をはじめ世界中の人々にわかってもらいたいですね。それが本当の人間のあるべき有り様であるということですね。本当にこの4人と仕事することができて最高に嬉しいです。今日もみなさんにこの映画を公開するのを最高に嬉しいです」と、初日を迎えての心境を語りました。

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主人公・梅野洋海役の織田梨沙さん

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脱走兵・岩淵隆康役の満島真之介さん

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隆康の兄・一役の三浦貴大さん

 織田さんは「洋海を演じるにあたって、(洋海は)16歳という幼い少女なんですけど、戦時中の昔の16歳はいまの16歳と違うのかなと考えて、彼女のバックボーンをちゃんと意識して演じました」と、戦時下を生きた人物を演じるにあたり意識した点をコメント。

 そして沖縄出身の満島さんは、これまでも沖縄や戦争を扱った作品のオファーがありつつも「勇気がなくて一歩が踏み出せなかった」と話し、その理由として「ぼくはクォーターなんですけど、沖縄戦がなければぼくら家族はいなかったんですよ」と自らのルーツを挙げ、基地がある中で育ち、戦争で受けた傷を持ちながら笑顔で生きている年配の方たちと触れ合ってきた満島さん自身を「狭間にいた人間なんです」と表現。その中で『STAR SAND』の出演依頼があった際「(監督は)日本にぼくらよりも永く関わっていて、そしてたぶんいろいろ人生の中であった中で、日本で映画を作るということを決めたその勇気にぼくは一緒に乗っかりたいなと思って」パルバース監督となら「この一歩を踏み出せるかもしれない」と出演を決意したことを明かし「ぼくらがこれから大人になっていくにあたって、いろいろな人たちと関わっていくと思うんですけど、世界にこのメッセージと、いろいろな世界の方々とちゃんと会話ができる日本人であってほしいなと思う」と、作品へのあふれるような想いを語りました。

 また舞台あいさつでは、ライフセーバーの資格を持つ三浦さんが映画の序盤の織田さんが海に潜るシーンで「(事故が)ないのが一番なんですけど、なんかあったら大変だなと思って」(三浦さん談)、出演シーンではないにもかかわらず現場で織田さんを見守っていたというエピソードや、現代に生きる役のため織田さんや満島さん、三浦さんとの共演シーンはなかった吉岡さんが東京で撮影を終える日、織田さん、満島さん、三浦さんの3人がサプライズで現場を訪れたものの、撮影が長引いたため織田さんと満島さんはスケジュールの都合で撮影終了前に移動せざるを得ず、三浦さんが代表して撮影を終えた吉岡さんに花と星砂を贈ったというエピソードも紹介されました。

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現代の大学生・保坂志保役の吉岡里帆さん

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原作と脚本も手がけたロジャー・パルバース監督

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潜水シーンのエピソードを語る織田さんと三浦さん

 パルバース監督は「この私がね、初監督でこの素晴らしい4人のアクターたちと仕事ができて、本当に果報者ですよ。こんなに恵まれている監督はないですね。三浦さんは日本のロバート・ミッチャムですよ。この顔を見てください。なにも言わないで貫禄があって存在感がある。真ちゃん(満島さん)は、日本のカーク・ダグラスですよ。ほんとに似ているし、カーク・ダグラスってすごいdiverse(※多様)でなんでもできる俳優で、彼もそうだ。喜劇も悲劇もなんでもできる俳優です。織田梨沙さんはね、日本のエリザベス・テイラーですよ。エリザベス・テイラーは10代からすごい役をやっているし、ものすごい美しくて素敵な女優だったんですよ。なんでもできるし、梨沙さんのようにあどけなさもあって『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1966年・米)という(マイク・)ニコルズ監督の映画にも出ているし、素晴らしいです。そして最後になりましたけど、英語でこのことわざがあるんですね。“good things comes in small packages”。“小さい小包こそ中にいいものが入っている”。それがこの人(吉岡さん)。日本のオードリー・ヘップバーンですよ。頭が良くてなんでもできる。ぼくはね、予言します。この人たちは世界的な有名な俳優になると思う。そのためにも『STAR SAND』を作ったと言っていいと思います。本当に(スターに)なってください。世界の次の世代の大スターです」と4人の俳優陣を絶賛し、舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、海外での評価も高い寺島しのぶさん、渡辺真起子さん、ベテランの石橋蓮司さん、緑魔子さんらが出演し、パルバース監督とは『戦場のメリークリスマス』からの縁である世界的音楽家・坂本龍一さんが主題曲を手がけている『STAR SAND -星砂物語-』は、8月4日(金)より東京・渋谷のユーロライブにて公開、ほか順次公開されます。

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