大人の恋愛をエロティックな描写を交えて描いた日韓合作「大人のラブシネマ」の２作品『君にあえたら　妻の恋人』『契約結婚』が８月27日に渋谷・ユーロライブでプレミア上映され、各作品の主演・階戸瑠李さんと小田飛鳥さん、メガホンをとったいまおかしんじ監督と森川圭監督らが舞台あいさつをおこないました。

　グラビアアイドルとして活躍し「セクシー番長」の異名を持つ小田飛鳥さんが映画初主演をつとめる『契約結婚』は、“移動キャバクラ”と称して男相手に小金を稼いでその日暮らしをするホームレスの女性・亜希と、不法滞在の韓国人青年・ジンイルが、それぞれ住む場所と在留許可を手に入れるため偽装結婚して共同生活を始めるというストーリー。

　映画初主演の小田さんは初の濃厚なラブシーンにも挑んでおり「私で初濡れ場だから、もっと極道系（の作品）とか来るかなと思ってたんですよ(笑)」と笑いつつ、実際に演じた亜希について「生い立ちとかが不幸なんですけど、わりと普通の女の子だったので“こういう役が来るんだな”って単純に思ったのと、タイトルからは想像できないほどあたたかいラブストーリーなので、素直に演じてみたいと思いました」とコメント。
　また小田さんは「かわいさを出すのがすごく苦手」だそうで、亜希がチェ・ミンホさんが演じるジンイルと共同生活を送る中で“かわいさ”を見せていくのを演じるのが「恥ずかしかった」とのこと。「“エロい”って言われるより”かわいい”って言われるほうが恥ずかしいんで。でも、そういう自分が変われたというのが感じられたときはちょっと発見でした」と、新たな一面の発見にもなった撮影を振り返りました。

　いまおかしんじ監督は、片岡修二さんと共同で脚本も担当しており、もともと片岡さんのアイディアにあった“偽装結婚”を「どういうふうに展開していくのがいいかな。女の人で偽装結婚ＯＫというのはなかなか難しい」と考える中で、実際に“移動キャバクラ”で生活するホームレスの若い女性二人組のルポ記事を読み「こういう（お金や住むところのない）人たちだったら契約結婚行くんちゃうかな」という発想から映画の設定を思いついたと説明。
　そしていまおか監督は小田さんについて「普通に前にいるとスタイルがすごくいいんで、それはちょっと緊張したみたいな。スタイルいい子を目の前にすると緊張するんだよね(笑)」と印象を語り、小田さんはその監督の告白に「（監督は）いつも飄々とされているので、緊張しているというのは伝わってなかったです(笑)」と答えました。

　ミスFLASH２０１３グランプリの階戸瑠李さんが主演する『君にあえたら　妻の恋人』は、韓流ドラマに夢中で夫には興味のない看護師・美咲が、ドラマから出てきた憧れの人に出会ってしまうという、現実と虚構が入り乱れるファンタジー。

　「こんなナースがいたら、この人に絶対なにもされたくないと思うようなナース」だと階戸さん自身が思うほどドジな看護師・美咲を演じた階戸さんは「私はけっこうちゃんとした人だから(笑)」と演じた役との違いをアピール(？)。
　また、美咲はドラマで見ていた憧れの人と恋愛関係になるという設定ですが、階戸さん自身は「“この作品がすごく好きで”とか監督さんとかに言ったり“この作品観ました”とか言ったりすることはあるんですけど、あんまり“めっちゃファンなんですよ”みたいなことはないです。あんまり興味が……(笑)」と、テレビなどで観ていた人に実際に会っても遠くから見ているタイプだと、やはり役との違いを挙げました。

　森川圭監督は、階戸さんについて「今回初めて会ったんじゃなくて、前に（階戸さんが出演した）『ハダカの美奈子』のときにぼくがメイキングとかで入っていたりとかで、舞台とかも見せていただいていて、今回“階戸さんなんだ”ってちょっとビックリしましたけどね。素晴らしいと思いました」と評し「エッチシーンをしっかり撮らなくちゃいけないなというのが強迫観念のようにあったので、いろいろなことをやってもらっちゃって、影で泣いていたという話も聞いたので」と撮影中の階戸さんの様子を紹介。「すみませんでした」と謝る森川監督に階戸さんは「いえ、全然」と笑顔を見せていました。

　美咲の夫・浩太郎を演じた川瀬陽太さんは『契約結婚』にも出演しており、先に撮影していた『君にあえたら』の撮影中「（制作会社の社長に）“川瀬くん、いまおか組なんだけどね”って“いやいやいや、俺なんも聞いてねえよ！”って、なし崩し的にそっちにコンバートして」と両作品出演の裏話を明かして客席の笑いを誘いました。

　両作品とも日韓合作で両国の俳優が共演しており韓国語のセリフもあるため「いいも悪いも（韓国語の）セリフがあってるかあってないかもわかんなくて、通訳の人がいて“あそこセリフ間違っていました”って言うと“じゃあもう１回行こう”って」（いまおか監督）、「ＯＫ出して、次の準備をしているときに通訳の人が来て“セリフ違っていたんですけど”って、早く言ってよみたいな感じで(笑)」（森川監督）と、両監督は通常の現場との違いを感じる部分もあった様子。

　出演者は「（韓国の俳優陣が）すごくいい方たちなので、（言葉を）教え合ったりとか」（小田さん）、「文字を入れるだけで日本語が韓国語で届いて韓国語は日本語で伝わるっていうアプリがあって、待ち時間とかはアプリで会話していました」（階戸さん）とコミュニケーションに工夫していたそうで、韓国の俳優陣と英語でやりとりをしていたという川瀬さんは「ちょっとだけ。英語ができる人とできない人がいらっしゃったんで。まあ、どっちかというと国民性としてあちらの方々のほうが積極的にコミットしてくるので、いまおかさんみたいなぼんやりした人でも大丈夫みたいな(笑)。グイグイ話をしてくれるからけっこう楽だったと思いますけど」と、日韓共演の感想を述べました。

　舞台あいさつでは『君にあえたら　妻の恋人』出演のミン・ドユンさんからのビデオメッセージも上映。
　そして舞台あいさつの最後には、森川監督は「撮影期間中に大雨が降ったりなんかして、いろいろ完成までに大変なことがありました。わりと不思議な感じの作品になっていると思います」と語り、いまおか監督は「韓国から来た女優さんがいるんですけど“ここでこうやってさ”って（動きの指示を）言ったらわりと的確にわかってくれて、言葉の壁じゃないなと思って、面白かったです」。
　川瀬さんはいまおか監督のコメントを受けて「意外と（言葉が通じなくても）できちゃうもので、このまま行けばジンバブエの人たちとでも普通に芝居できるなと思って、そういう意味ではほんとに楽しかったんですよね。変な言い方ですけど、どこの国の人でもセックスはするし恋もするし飯も食うってのが両方とも通底してあることなので、楽しかったです」と両作品出演者としての視点でコメントを。

　小田さんは「初主演で初濡れ場で初の舞台あいさつで、すごく舞台あいさつという響きに憧れがあって、ひとつの作品をこういう大きいスクリーンで共有することがものすごく贅沢なことなんだなと思って、みなさんとまた素敵な時間を過ごせるように、セクシー番長、邁進してきますので、これからも応援よろしくお願いします」と今後の抱負を込めてあいさつ。
　階戸さんは「今回、この映画を初めて主演でやらせていただいて、映画って撮っても世の中に出ないで終わってしまう作品もあったりするじゃないですか。でもこうやって、私この映画館が好きでよくプライベートで来るんですけど、そういう会場で１日上映させていただいて、観に来てくださる方がいて、ほんとにすごく幸せなことだなと改めて感じました。今日はありがとうございました」と、舞台あいさつを締めくくりました。

　韓国のチェ・ミンホさんや、先ごろ引退したセクシー女優・さくらゆらさんらが共演する『契約結婚』は11月２日、チェ・ミンホさん、韓国で人気のセクシー女優・めぐりさんらが共演する『君にあえたら　妻の恋人』は12月２日に、それぞれＤＶＤがリリースされます。