舞台あいさつをおこなった島田元監督、元・オトメ☆コーポレーションの比留川知絵さん・荒井菜緒さん・久保田光さん、FantaRhyme(ファンタライム)のAyuさん・Sayaさん、3776(みななろ)の井出ちよのさん、田中要次監督、大工原正樹監督 (左より)
元・オトメ☆コーポレーションの3人は劇場で販売されているロゴ入りタオルを持ってポーズ
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3組のロコドル=地方を拠点とするアイドルと3人の監督によるオムニバス『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』が9月30日にシネマート新宿で初日を迎え、オトメ☆コーポレーション元メンバー、FantaRhyme、3776と田中要次監督、大工原正樹監督、島田元監督が舞台あいさつをおこないました。
『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』は、長野県公認信州応援アイドルのオトメ☆コーポレーションと田中要次監督、福岡県を拠点とするFantaRhymeと大工原正樹監督、静岡で活動する富士山ご当地アイドルの3776と島田元監督という3組の組み合わせで、虚と実が交錯するドラマ&ドキュメンタリーで描いた3編からなるオムニバス作品。
「Last DAYS~君といた場所~」に出演するオトメ☆コーポレーションは2016年8月で活動を終了しており、登壇した元メンバー3人はソロ活動中の久保田光さんを除くとファンの方々の前に立つのも久々。「すごい久しぶりなので、なんて喋ったらいいのかわからなくて」(比留川知絵さん)、「私も人前で生で話すのは1年ぶりくらいで、すごく緊張しています」(荒井菜緒さん)と、緊張ものぞかせました。
グループの解散が決まったのは映画制作中で、当時リーダーだった久保田光さんは「映画を撮っている途中で解散が決まってしまって、いろいろすごい迷惑をかけてしまったんですけど、本当にすみませんでした(笑)」と田中要次監督に謝りつつ「(久保田さんがメンバーとして活動した)7年間の集大成をこうして映画にしてもらえて、すごく幸せだなと感じています。それをみなさんに観てもらえるのもとても嬉しいので、楽しんでいってほしいと思います。そして、映画の背景にある私たちの気持ちのホントやウソとかいろいろ感じながら、いま(ファンの方々が)応援しているアイドルさんがいつ辞めてもおかしくないので、そういうことも考えながら観てほしいと思います(笑)」と、映画公開を迎えての心境を述べました。
俳優として知られる田中要次監督は「珍しく監督としてここに立っております。なにも言いません。観ていただければわかると思うんですけど、撮っている最中に予期せぬことが起こりました(笑)」とグループ解散に触れ、撮影中に印象に残ったことを質問されると「この企画も低予算だし、ぼくはね、1日2日で撮って、それで軽く終われたらいいなと思ってたらね、大変なことが起こって、自分でも“俺はなにを作るつもりだったんだろう?”ということになり、こういったかたちの作品になっておりますけれども(笑)。もうほんとに、考えに考えてありのままをそのまままとめてみました。ぼくの中では1年がかりでした」と予想外の展開となった撮影を振り返りました。
また、同じ撮影中に印象に残ったことという質問に、久保田さんは劇中で田中監督にインタビューを受けているシーンを挙げ「楽しかったんですけど、インタビューしているときは、出したいことと、出せること、出したくないこと、言いたいこと、いろいろあって、あのときといまとはまた感情が違うんじゃないかなと思っていて、その部分も映画に入っているので観てほしいなと思います」と、映画撮影時のさまざまな想いをうかがわせました。
「ファンタスティック ライムズ!」に出演しているFantaRhymeのAyuさんは「私たちみたいなのがスクリーンに出て大丈夫かなって最初は思っていたんですけれども、どんなときでも楽しむことだったりとか、自分だけにしかできないこととか、映画の中にもそういう気持ちがたくさん入っているんですけど、それを観たみなさんも一緒に、自分らしいことだったり、自分にしかできないこととか、みんなでできることとか、もっと楽しいことをできたらいいと思います」と、Sayaさんは「普段は私たちは歌を歌って活動しているんですけども、今回の映画では初めてふたりで演技とかにも挑戦させていただきましたので、いつもと違う私たちが観られるんじゃないかと思っています」と、それぞれあいさつ。
島田元監督とともに制作も担当している大工原正樹監督は「この映画はほんとの手作り、インディペンデントの映画で、島田さんとBoBAさん(田中要次監督)と3人で飲み屋の企みから始まった企画が、こんなに立派な劇場で公開できることにほんとに喜んでおります」と公開を迎えた喜びをコメント。
映画では設定だけを決めFantaRhymeのふたりのアドリブで進めるエチュード形式で撮影された部分もあったそうで、FantaRhymeのふたりが印象に残った点として「台本がありつつ、その中の会話は考えつつというのがあったので、それがすごい苦手で」(Sayaさん)、「(そのときは)もう演技したくないと思うた。めっちゃ楽しかったけど、いままでしたことないこととか、もう恥ずかしくて」(Ayuさん)とエチュードの難しさを挙げると、大工原監督は「ドキュメンタリーとドラマを合わせたものを撮るというのは初めてだったので、なかなかドラマ部分のシナリオが書けなかったんですよね」と台本なしで撮影を進めた理由を明かし「ぼくはほんとに楽しかったんですよね、その撮り方が。ふたりが映画の演技とかしたことがないから“映画はこういうものなんだよ”って言ったのに騙されてくれたのがほんとによかった(笑)」という大工原監督の告白に、FantaRhymeのふたりからは「悪い人や(笑)」という言葉も飛び出しました。
「富士消失」出演の3776・井出ちよのさんは「初めて演技をして、そのとき中学生だったんですよ、撮ったのが。ちょっと初々しさが残っててね、とてもかわいらしい井出ちよのが観られると思います(笑)」とアピール。
企画・制作もつとめたこの映画の仕掛け人と言える島田元監督は「一昨年の12月に俺と大工原さん、BoBAが集まって、俺は3776、大工原さんはFantaRhymeと決めていたんですけど、BoBAが“長野ゆかりのアイドルがいい”って、その場で3人でスマホで探してオトメ☆コーポレーションを見つけて、見つけたおかげでとてもドラマティックな作品になってしまったという(笑)。でも、そのドラマティックな作品になったあともこうやってみんな舞台あいさつに来て祝ってくれる、この気持ちがありがたい」と、予想外の事態を経ての公開と舞台あいさつの実現に感謝を示しました。
また、印象に残った点として井出さんは「極寒の中すごい震えながら撮ったので、多少“ん?”ってところがあっても“寒かったんだな!”って思ってくれればいいなと思います」「普段からまばたきメッチャ多いんですよ、自分がね。女優さんとか俳優さんってまばたき全然しないじゃん。だから(まばたき)しないようにするのがすごく大変でした」と、寒さとまばたきの2点を挙げ、島田監督は「この3組が一番最初の交渉のときに一発でみんな決まったというのが、ほんとにその辺から運が良かったです。BoBAのバッドラックも含めて、最終的に全部充実した作品になったので、作品には運が降りてきていると思います」と、作品全体の“運の良さ”を挙げました。
そして、舞台あいさつ終盤に登壇者それぞれが今後の予定などをインフォメーションする中、大工原監督は「映画の中のオトメ☆コーポレーションにちなんで(※オトメ☆コーポレーションは動員1000人を目標にツアーをおこなった)、このシネマート新宿でレイトショー2週間で1000人を突破したら、第2弾を作ります」と宣言。ロコドルたちも驚く中、大工原監督は「島田さんが」と付け加えた上で「全国(での上映)で2000人を越えたら、第3弾もきっとあるでしょう。という宣言でした」と、今後の展開にも期待を持たせました。
井出ちよのさんの「右手がL左手がO、LOCO DD!」という掛け声に合わせ、劇中でも披露されているポーズをとって舞台あいさつは締めくくられました
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『LOCO DD 日本全国どこでもアイドル』は、シネマート新宿で9月30日(土)より10月13日(金)まで2週間レイトショー公開。また、10月21日(土)より27日(金)までシネマスコーレ(愛知)、11月4日(土)にオトメ☆コーポレーションの地元・長野県、12月8日(金)より12日(火)まで神戸映画資料館(兵庫)での上映が決定しているほか、各地での上映も予定されています。