近代漫画の始祖と呼ばれる北沢樂天(きたざわ・らくてん)の人生をイッセー尾形さんの主演、1986年生まれの新鋭・大木萌監督のメガホンで描く『漫画誕生』(2018年公開予定)の製作がこのほど発表されました。
北沢樂天は、現在の埼玉県さいたま市大宮区にあたる大宮宿の旧家・北沢家の四男として1876年(明治9年)に誕生。西洋漫画の技法を学んだのち、新聞に時事問題を題材とした“時事漫画”を描くようになり、当時の日本では評価の低かった風刺画を“近代漫画”として確立させた日本初の職業漫画家とされています。
樂天は晩年を故郷である大宮で過ごし、その居宅は現在、日本初の公的な漫画美術館である「さいたま市立漫画会館」となっています。
映画『漫画誕生』は、樂天の生誕140年と、さいたま市立漫画会館開館50周年を記念して製作されるもので、世界に発信する日本の文化となった“マンガ”へと続く近代漫画を確立しつつもあまり知られていない樂天の人物像を、明治・大正・昭和という激動の時代の中で描く作品。
史実から創造されたフィクションドラマと、秘蔵写真や資料を用いたドキュメント、さらにアニメーションとの合成やデジタルとアナログの融合を用いた“漫画の力”という3通りのアプローチを用い、樂天の人生と漫画文化に迫っていきます。
メガホンをとる大木萌監督は、テレビバラエティのアシスタントディレクターを経て井土紀州監督『犀の角』(2009年)に助監督として参加。完全自主制作として2012年に手がけた監督作『花火思想』が2014年に一般公開され注目を集め、今回の『漫画誕生』を待望の長編第2作となります。
樂天を演じるのは『沈黙-サイレンス-』『ふたりの旅路』と、国際的に活躍するイッセー尾形さん。
ほかのキャストやスタッフは今後発表の予定となっています。