現在活躍する多くのクリエイターにも影響を与えた故・実相寺昭雄監督の生誕80周年と没後10周年を記念した特集企画「実相寺昭雄の光と闇」が4月15日より21日までユーロスペースで開催され、ドラマ初演出作など貴重な作品も上映されます。
今回の特集上映の目玉のひとつとなるのが、実相寺監督が25歳のときの初演出ドラマ「おかあさん」(1962年~1963年)の実相寺監督担当回全6話の上映。当時テレビ放映されて以降は一般に公開される機会はありませんでしたが、キネコしたフィルムが実相寺監督の自宅で発見され、今回の上映が可能となりました。脚本は大島渚監督や石堂淑朗さん、田村孟さんといった錚々たるメンバーが手がけ、初演出にしてすでに「実相寺演出」の原点を見出すことのできる作品となっています。
また、やはり放映当時以降は公開の機会がなかった再現ドラマを含むドキュメンタリー番組「歴史はここに始まる」2話も上映されます。
このほか、初の劇場公開監督作となる中編『宵闇せまれば』(1962年)や、テレビシリーズを再編集した『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』(1979年)、江戸川乱歩の同名小説を映画化した『D坂の殺人事件』(1998年)などの劇場公開作品はもちろん、「ウルトラセブン」(1967年~1968年)「シルバー仮面」(1971年~1972年)などテレビ用作品も上映。
女優・加賀恵子さんを主演に迎え実相寺監督が濃厚な“エロス”に挑んだ『アリエッタ』(1989年)『ラ・ヴァルス』(1990年)『ディアローグ「對話」より 堕落』(1992年)というオリジナルビデオ作品も含む三部作が3作揃って劇場のスクリーンで上映されるのも貴重な機会です。
初の劇場上映作も含む幅広い上映作品は、まさ生誕80周年という節目に実相寺監督の存在の大きさを振り返るのにふさわしいラインナップ。ぜひ、監督の遺した「光と闇」に触れてみてください。
※上映作品は日替わり、料金は作品によって異なります。詳しくはユーロスペース公式サイトをご覧ください。