直木賞作家・道尾秀介さんが原案を書き下ろし、名優・津田寛治さんと注目の美少女・駒井蓮さんがダブル主演をつとめる戸田彬弘監督の新作『名前』が2018年初夏公開されることが決定しました。
『名前』は、名前を偽り過去と素性を隠して生きる男・中村正男と、正男を「お父さん」と呼ぶ女子高生・葉山笑子のふたりを主人公とした、茨城が舞台のミステリアスなヒューマンストーリー。
メジャー作品からインディーズ作品まで幅広い作品に出演し日本映画には欠かせない存在である津田寛治さんが正男を、現在放送中のドラマ「先に生まれただけの僕」に出演中で「冬のソナタ」のユン・ソクホ監督初の劇場作品『心に吹く風』では真田麻垂美さん演じるヒロインの学生時代を演じた駒井蓮さんが笑子を演じています。
メガホンをとる戸田彬弘監督は、これまで家族をテーマにしたオール和歌山ロケの『ねこにみかん』(2013年)や、今年公開になったホラーオムニバス『狂い華』の1編「ワルツ」などの作品を監督するほか、チーズtheaterを主宰し舞台演劇の作・演出でも活躍中。
『名前』公開決定にあたり、津田さん、駒井さん、原案の道尾さん、戸田監督は、それぞれ下記のようにコメントを発表しています。
主演・津田寛治さんコメント
「名前」には、舞台となった茨城の匂いがします。学校。駅。真夜中の道。朝焼け。...観光名所や名物が出てくるわけではないのに、茨城という場所の影響を感じずにはいられません。無機質で寂しい場所だけれど、何故か優しく温かい。悲しげな目をしているけれど、何故か一緒にいて安心する。そんな、この作品でしか感じられない茨城が、今回東京で披露されると聞いて、照れくさくも嬉しい気持ちです。僕たちが描いたこの不思議な場所の物語を、一人でも多くの人に観て頂きたいです。
主演・駒井蓮さんコメント
やっと、皆さんにこの作品をお届けできることとなり本当に嬉しいです。
今回、 津田さんとダブル主演という形でやらせて頂き、今までにないプレッシャーと、自分の力不足を痛感することが沢山ありました。でも、戸田監督の1つ1つの言葉を道しるべに、茨城という地で、人と人の間で生まれ感じたもの、そして今ある私の全てを詰め込んだ、そんな作品になりました。家族、友達、愛、色んな事がテーマになっているので、全ての年代の方に観て頂きたいです。是非、劇場に足をお運びください。
原案・道尾秀介さんコメント
無償の仕事に全力投球するというのは、なかなか難しいことです。でも、この映画の製作に関わった人たちがみんな、その難しいことをやっているのを、僕は目の当たりにしました。そして僕自身も他の方々と同じように、それができたと思っています。(駒井蓮さん演じる)笑子の学校生活などは、脚本を担当した守口悠介さんが追加してくれたもので、僕の原案には書いてありませんでした。あれらのシーンのおかげで、僕が最初に想定していたものよりも、さらに広い方々の心に届く物語になってくれたと感じています。
戸田彬弘監督コメント
本作は、大好きな役者である津田寛治さんと、撮影中どんどん大人の顔つきに変貌して周囲を驚かせたフレッシュな駒井蓮さんと、沢山話し合いながら創り上げた個人的に思い入れが深い作品です。直木賞作家でもある道尾秀介さんの原案を、どう映画化するかという話し合いは非常に楽しいものでした。ミステリーとヒューマニズムを混在させながら、「名前」を偽ることを主にしたドラマを更に深める為に、演劇をモチーフに使用させて頂きました。駒井さんが後半変貌するシーンでは、あの有名なロシアの A・チェーホフ作「三人姉妹」のイリーナの名台詞を引用させて頂いています。あの台詞をあのレベルで喋れる駒井さんに魅入ってしまったことは今も鮮明に覚えています。
また、公開決定に合わせて助演キャストも発表となっており、筒井真理子さんが重要な役で出演するほか、映画出演が続く川瀬陽太さん、幅広い役をこなす波岡一喜さん『恋人たち』『三つの光』などの池田良さん、グラビアから女優へと活動の幅を広げる木嶋のりこさんや内田理央さん、ベテランの田村泰二郎さん、さらに比嘉梨乃さん、松本穂香さんら、幅広く豪華なキャストが顔を揃えています。
『名前』は、2018年初夏、シネマカリテほか、全国ロードショーされます。