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主題歌も歌う主演の知英さん「役になって歌えた気がします」 『私の人生なのに』完成披露上映会

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舞台あいさつをおこなった原桂之介監督、知英(ジヨン)さん、稲葉友さん(左より)
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 知英さん主演で人生の新たなステージに向かう女性の姿を描く青春ストーリー『私の人生なのに』(7月14日公開)の完成披露上映会が6月18日に新宿バルト9で開催され、知英さんと共演の稲葉友さん、原桂之介監督が舞台あいさつをおこないました。

 清智英さんと東きゆうさんによる同名小説を映画化した『私の人生なのに』は、新体操選手として将来を期待されながら脊髄梗塞により下半身不随となった主人公・金城瑞穂が、幼なじみのストリートミュージシャン・柏原淳之介と再会し、音楽に誘われる中で新しい人生に向き合っていくストーリー。知英さんが「JY」の名前で主題歌「涙の理由」を歌っており、知英さん(JY)のヒット曲を手がけた山本加津彦さんが主題歌と劇中音楽を担当しています。

 瑞穂役で新体操のシーンや車椅子に乗っての演技に挑んだ知英さんは「新体操から車椅子に初めて乗って、しかも歌まで、ほんとにやることばっかりの作品だったんですけど(笑)、不安だったりプレッシャーもあったり、でも改めて感じたのは、やっぱり歌って素晴らしいなって思いましたし、主題歌として歌わせていただいたのもほんとに嬉しいです。映画の主題歌は初めてなので、自分が演じて、しかも歌うということは、いままでとはまた違う感じで、役になって歌えた気がします」と、主演と主題歌をつとめた心境を述べ、劇中で瑞穂が心情を伝える歌としても使われている「涙の理由」について「劇中の瑞穂だけでもなくて、自分の中でもけっこう勇気をもらえたというか、今回の曲でもまた新たな感じがありましたね」と語りました。

 淳之介を演じた稲葉友さんは、劇中での歌とギター演奏に加え、山本加津彦さんとともに劇中歌の作曲も。作曲は撮影前に監督や稲葉さん、山本さんで話をしていく中で「“(曲を)作ったぜ!”って感じじゃなくて、ワタワタと“これを練習して撮影までに”という感じ」(稲葉さん談)で進んだそうで「エンドロールを見て、作曲のところにクレジットが入っていて“あ、やったー!”って。俺も(作曲を)やったっていうことでいいんだって。でも、言われてみたら“メロディとか作ってたわ、そりゃ作曲だわ”みたいな感覚だったので、すごい新しい感慨でしたね。映画で(出演者の)上から2番目に名前が出てくるだけで嬉しいのに、2曲も、なんかありがとうございますという気持ちですね」と、作曲として名前がクレジットされる嬉しさを覗かせました。

 「原作をそのまま映像化しようとしたら、連ドラくらい時間がかかるんじゃないかなと思って、それを凝縮して映画としてどう見せていくかみたいなことは考えながらやっていました」という原桂之介監督は、監督・脚本に加えて劇中で淳之介が歌う歌の作詞も手がけており「淳之介のことを台本に書いていたので、やっぱりなにを歌っているかってすごく気になったので、自然の流れで」と作詞を担当した理由をコメント。
 原監督が「稲葉さん、山本さんと3人で話し合いながら」と語る曲作りは、知英さんが「(中に入れず)ちょっと寂しかったです」というほど3人が仲良さ気な様子で進んでいたそうで、知英さんが「3人で“わあ、いいじゃん!”みたいな。そこで私は遠くから」と振り返ると、原監督は「山本さんがコーヒーをこぼして」と打ち合わせでのエピソードを披露。稲葉さんは「思い出深すぎて、そのコーヒーの付いた紙、俺いまだに持ってますよ。“これ持って帰ろう”って思って」と、曲作りの経験が強い思い出となったことを感じさせました。

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「いま持っている夢は?」という全員への質問に「自分にとって新しい作品に出会うことを毎日夢見ています。そして新しい自分を見つけていく」と答えた金城瑞穂役の知英さん

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「いま持っている夢」は「死ぬまでこの仕事をしていたいなというのが大きいところで言うと夢で、近いところではこの作品をどれだけ広められるか」だと柏原淳之介役の稲葉友さん

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「いま持っている夢」は「(来場した方々にこれから)作品をご覧いただくので、2時間後くらいに楽しんで帰っていただきたいというのがほんとに夢ですね」と原桂之介監督

 舞台あいさつでは映画の内容にちなんで「自分にとってかけがえのないものは?」という質問もされました。
 最初に答えた原監督は「(事前に答えを)考えてきちゃったなっていうのがバレちゃうかもしれないですけど」と前置きしつつ「こうやって映画を観にきてくださるお客さまがいらっしゃらないと映画って作っても意味がないので、自分だけじゃなくて、スタッフ、俳優部、日本で映画作っているみんなもそうだと思うんですけど、ほんとにお客さまにお運びいただけることがかけがえのない存在です」と答え、会場からは大きな拍手が。
 その監督の見事な答えに「私から言えばよかった(笑)」と照れたような笑顔を見せた知英さんは「(監督が)こんな素敵なこと話したら、私は自分の猫だとは(笑)」と話して会場の笑いを誘い、改めて「猫を飼っていて、レオンくんとニニくん。癒やされていますね」と答えたあと「みなさんにも(癒やされています)」。
 稲葉さんは、客席にご両親が来ていることを明かした上で「この映画を観て、改めて家族は大事だなって、かけがえないなってすごく思うんです。こういうところに来てくれるのもそうですし、うちは男三兄弟で(稲葉さん自身は)末っ子で、兄たちもすごく良くしてくれて、その兄貴には子どもが産まれて甥っ子ができたりとか、ほんとに、この人たちがいないと生きていけないなと思う今日このごろなので、家族ですね」と答えた上で、監督の答えを意識して「あとは足を運んでくださるみなさま(笑)」と付け加えました。

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和やかな雰囲気でトークを繰り広げ笑顔を見せる知英さん(中央)、稲葉友さん(右)、原桂之介監督
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 また、お勧めのシーンを尋ねられると、原監督は「限定しちゃうと“そこなんだ”ってなっていただくというのも違うと思っていて」と「ご覧になったみなさんが感じられるところは違うんじゃないかと思っていて“ここがいいな”と思うところがもしあるとしたら、そこを“いいな”と思っていただいたことを自分は大事にしたいなと思いながらおりますです」と、あえてシーンを限定せずに回答。
 稲葉さんは同じ質問に「どの年齢で観ても、人生のどのタイミングで観ても、どこかでなにかが引っかかる映画だなという気がしているので、それぞれ全然響き方とか違うと思うんですけど、やっぱりギターで歌っているところもそうだし、『(およげ!)たいやきくん』の話をしているところとか喋っていて楽しくてすごい好きで」といくつかのシーンを挙げつつ「やっぱり新体操をしている知英がすごくきれいなので、みなさんぜひそこを見どころだと思って観ていただければ」と知英さんの新体操シーンをお勧め。
 知英さんは「信じられないかもしれないんですけど、この3人が同じシーンで出てくるんですよ」と、実は監督もあるシーンで出演していることを発表。原監督は、そのシーンで監督が演じた役の動作で稲葉さんがケガをする可能性があったため「なら自分が」という想いから自ら演じたと説明し、その監督の姿勢を稲葉さんは「愛情でしかない」と一言。その上で稲葉さんは「(映画が)終わって“どこだったかな?”と思うくらいでちょうどいいと思うんですけど(笑)。ほんとにあの人おったかいなって(笑)」と、監督の出演シーンがわかりにくいことをうかがわせました。

 そして知英さんは「まだまだいろいろお話したいんですけど、映画を観てもらうのが一番いいかなと思います。今回この映画では、いままでやったことないことに挑戦して、ほんとにやりがいを感じたりするんですけど、それ以外にも、家族だったり周りの大切な友達だったり、周りの人の愛を改めて感じられたなと、今日改めて思うんですけど、この映画を観終わって、みなさん感じることもそれぞれ違うと思いますし“いい映画だったな”ってなればそれが一番かなって思いますし、主題歌とか歌を聴いて勇気をもらってほしいです」と舞台あいさつを締めくくりました。

 瑞穂を支える新体操部トレーナー・誉田を演じる落合モトキさんや、髙橋洋さん、赤間麻里子さん、根岸季衣さんら、実力派俳優陣が出演する『私の人生なのに』は、7月14日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショーされます。(配給:プレシディオ)

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