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コメディ挑戦の吉本実憂さん「役を生きれてよかった」 『レディ in ホワイト』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった久住小春さん、波岡一喜さん、吉本実憂さん、矢本悠馬さん、大塚祐吉監督(左より)
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 吉本実憂さんが常識外れの新入社員を演じるコメディ『レディ in ホワイト』が11月23日に初日を迎え、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で主演の吉本さんと共演の波岡一喜さん、矢本悠馬さん、久住小春さん、メガホンをとった大塚祐吉監督が舞台あいさつをおこないました。

 『レディ In ホワイト』は、裕福な家庭で育ち自信満々の発言を連発する新入社員・如月彩花が主人公。いつも白いスーツでバッチリと決め上司にも平気で口答えする如月彩花と、横暴で体育会系な典型的ブラック上司・松山翔平という相性最悪のふたりの熾烈な社内バトルが笑いたっぷりに描かれていきます。

 如月彩花を演じた吉本実憂さんは、強烈な個性を持った役について「はじめに脚本を読んだときはこういった役になると思ってなくって、完全に監督のワールドに引き寄せられたキャラクターになりました」とコメント。「私自身は性格が落ち込むとズドーンと落ち込むタイプで、彩花の役のときはずっとテンションを上げていなくてはいけないので、監督とお話をしたりとか、遊んだりとか、監督も私のテンションが下がらないようにしてくださってました」と撮影を振り返り「お芝居で“あ、ダメだったな”とか思うとすごく落ち込んじゃうので、思わないように、いつもはカットがかかると自分の芝居をチェックしにモニターに行くんですけど、チェック一切しなかったです」と、個性的な役を演じる上で普段の撮影とは違った工夫もしていたことを明かしました。

 怒鳴ったり怒ったりが日常茶飯事のブラック上司・松山翔平を演じた波岡一喜さんは「ぼく、こんな見た目してますがとっても心優しい人間なんで、偉そうにしたりとかオラオラしたりとか、パワハラとかをしたりするキャラクターですけど、ぼくはパワハラとは縁遠い人間なんで、とっても振り切ったかたちで楽しくやらせていただいた感じです」と、横暴な役を「思い切って」演じたと話し、世間で話題となることの多いパワハラについて「ダメですよみなさん」の一言も。

 周りから怒られてばかりの頼りない先輩社員・猪瀬康太を演じた矢本悠馬さんは「部下からも上司からも、下請け会社の工場長からもメチャクチャ言われて、ほんとブラック企業だなって。ぼくだったら訴えてやるだろうなみたいな感じでしたね(笑)。つらかったです、演じていて」とつらいポジションの役を演じた感想を述べ、その矢本さんの感想に波岡さんが「でも、ほんとの会社ってああいう感じかもしれないよ、意外と」と言うと、矢本さんは「役者というチヤホヤされる職業やっていてよかったなって(笑)」と冗談で会場を沸かせました。

 如月彩花とそりが合わない先輩社員の相川來未を演じた久住小春さんは「台本を見たときはしっかり者の上司というイメージがあったんですけど、監督から“実憂ちゃん(が演じた如月)をいっぱいイジメてください”と言われたので、いっぱいイジメました(笑)」と、初出演となる映画の撮影を振り返りました。

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「今日は祝日という大切な日にここに来てくださって、ありがとうございます」と、主人公・如月彩花を演じた吉本実憂さん

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ヒット中の作品のタイトルを出し「ではなく『レディ in ホワイト』、ありがとうございます」と松山翔平役の波岡一喜さん

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この作品含め「なぜか今年、猪瀬という役を3つやっているんですよね(笑)」という先輩社員・猪瀬康太役の矢本悠馬さん

 司会者から撮影中に印象に残ったことを質問されると、波岡さんは「さっき実憂ちゃん自分で言っていましたけど、とっても楽しそうにしていたので、それがこの作品にうまく反映されるんやろうなとは撮影しながら思っていました」と答えましたが、同じ質問に吉本さんは「カメラ回ってないところで、ふたり(波岡さんと矢本さん)にすごくイジメられていました(笑)」とまさかの告発(?)。
 その吉本さんの発言に波岡さんが「ちょっと待て語弊があるわ! “イジられていた”のと“イジメられていた”のは違うから」と反論すると、吉本さんは「波岡さんは毒がありながらも優しくって感じなんですけど、矢本くんは靴とか踏んでくるんですよ(笑)」と、波岡さんについては訂正。引き続き告発されてしまった矢本さんは「楽しませようかと思って」と弁解し、吉本さんも「でも楽しめました、すごく。いっぱい笑わせてもらいました」と、波岡さん、矢本さんの現場での行動が撮影の助けになったと笑顔で話しました。

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先輩社員・相川來未役の久住小春さんは映画初出演で「舞台あいさつは初めてなんですけども、緊張しています」とあいさつ

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「本日は、朝の早い時間にもかかわらずお越しくださり、どうもありがとうございます」とあいさつした大塚祐吉監督

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撮影中の様子を笑顔で振り返った吉本実憂さん(右)と波岡一喜さん

 吉本さんが演じた如月彩花は、なにがあっても自分のスタイルを貫くキャラクターで、もし如月彩花のような人が身近にいたらと質問されると、吉本さんは「周りにいたら嫌です。でも最初は嫌なんですけど、実力だったりとか言っていることは正しいと思うので、嫌だなという次にライバル視をして、最後にはすごい脅威に思うような人になるんじゃないかと思います」と答え、映画のポスターや予告編などで如月彩花が「クズ新人」と書かれていることについて「私は演じていてクズっていう感覚がなかったのでビックリしました」という感想も。

 波岡さんも「真面目な話、この映画で(如月彩花が)クズみたいにワガママみたいに映りがちですけど、俳優をやっていても個性を持つこととワガママであることって紙一重であって、でもそれって社会ですごく大切なことなのかなと思ってて、それを貫いて続けることの大切さがいまちょっと失われつつあるのかなとは思ってます。だから、ぼくは俳優をやりながら“馴染んでしまう”ことに対してちょっと恐怖を感じつつ、ちょっとワガママに映るかもしれんなと思うことをわざとやってみたりとかっていうことは、俳優としても世の中を生きていくいろいろな職業もそうだと思うんですけど、とっても大切なのではないかなと思いました」と、如月彩花のような個性は大切であるとコメント。

 矢本さんは「ぼくも社会に入ったのが役者(という仕事)だったので、最初のころは実憂ちゃんが演じた主人公みたいに、根拠のない自信だけでやっていたんですけど、ほんとに先輩方は化け物(のようにすごい人)ばっかりですし、後輩でもすごい奴いっぱい出てくるし、いつの間にか“根拠のない自信だけじゃヤバいなあ”みたいな、けっこう計算的に生きていくようになっちゃって、でもこの作品をやっているときに、根拠のない自信を持っている奴とか、なにも知らない強さみたいなのがある奴っていいなあって。俺も(如月彩花が)クズだと思ってなかったし。羨ましい、取り戻そうみたいな感じだったです」と、作品を通して如月彩花の姿から刺激を受けたと回答。

 久住さんは、波岡さんに「小春ちゃんは素でもそんな感じやもんな、ちょっと」と、マイペースな部分が如月彩花に通じるのではと指摘され、久住さん自身も「そうですね、彩花にはすごい共感はある部分があったりとかはしますね(笑)」と笑い、吉本さんも「わかる(笑)」と一言。久住さんは「でも私もちょっと考えてやりたいと思います」と今後の抱負を述べました。

 吉本さんとは小説を映画化したサスペンス『罪の余白』(2015年)以来2度目のタッグとなる大塚祐吉監督は「吉本さんとは3年ぶりくらいですかね、一緒に映画をやるのは。ぼくも彼女も、今回このような社会派の映画でなかなか最初のほうは苦労しましたけど、終わってみると見事にコメディにあがったのでホッとしております。(吉本さんは)ずいぶん変わったなと思いますね。3年前に会ったときはもっと大人びた人だったんですけど、だんだん幼稚になっていっていますね(笑)。明るくなっています」と、数年を経て再会した吉本さんの印象を述べ、吉本さんも「明るくなったというのは監督からずっと言われていて、自分でもそう思いました。なんか自由に生きられるようになってきたんですよね。昔よくいろいろ考えすぎて窮屈になりすぎていたところがあったんですけど、自由に生きることは大切だなと思って、自由に生きられるようになりました。明るくなりました」と、精神面の変化を明かしました。

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2度目のタッグを振り返る吉本実憂さん(左)と大塚祐吉監督(右)、そして矢本悠馬さん

 如月彩花の成長物語でもある映画の内容にちなんで、自身の成長を感じたことや昔の失敗談を質問されると、吉本さんは「いまのと被っちゃうんですけど、明るくなったことです。今回の役、すごい破天荒な役じゃないですか。監督に“こんな暗い人をここまでやるの大変だ”って言われるくらい監督の中での(吉本さんの)印象は暗かったみたいで、でも無事に監督も満足できるような作品を作れて、役を生きれてよかったなと思います」と、これまでにないキャラクターを演じた自身の成長を回答。

 同じ質問に矢本さんは「今年にかけて、すごい太りましたね」と、別の意味で「成長」したことを告白し「28歳、ぼくと同い年の同級生とか、地元帰るとみんな腹出てて、これが普通。俺と同い年のイケメン俳優たち(のスタイルの良さ)が、異常。天に与えられたルックスと思っていますので、それをお忘れなく」とアピールしました。

 久住さんは失敗談として、この作品のオーディションを受けるためオーディション用のセリフを完璧に覚えたにもかかわらず「オーディションのときに何人かいて、すごい緊張しちゃって、一応台本は自分のテーブルの下にあって見られる状態なんですけど、これは絶対に見ちゃダメだと思って、やったんですけど1分ぐらいずうっと沈黙しちゃって……すいませんでした」と、セリフを忘れてしまったことを監督に謝罪し、大塚監督は「普通の方々はセリフが飛んだら自分からストップをかけるような感じなんですけど、彼女はずっとやめなかったですね、カットかけるまで。その間ずっとテーブルをガリガリやってて“この人はなにを表現しているんだろうか”みたいな。強烈に残っています」と、オーディションでの様子が強い印象を残したと話しました。

 波岡さんは同じ質問をされるたび「矢本くんなにかありますか?」「小春ちゃんはなにか?」と矢本さんや久住さんに話を振って自分では答えを回避していましたが、最後に「週に3、4回とか、時間があるときジムに行くわけですよ。トレーニングして、プロテイン飲んで、筋肉はだいぶ成長しましたね」と、日頃のトレーニングの成果を報告し「矢本にもトレーニングしろと言いたいところです」と、体重増加を明かした矢本さんに先輩らしくアドバイスも送りました。

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オーディションのときの失敗談を語る久住小春さん(左)と、その話に耳を傾ける吉本実憂さん(右)、波岡一喜さん

 舞台あいさつの終盤には、作品の内容にちなんでこれから社会に出る方たちへのメッセージが求められました。

 吉本さんは「私も、社会という場所にまだ全然慣れていないのでなにを言っていいのかわからないんですけど、いろんなな人にいろんなことを言われるじゃないですか、いいことも悪いことも。それはうまく自分の中で受け入れる部分と捨てる部分をちゃんと作って、楽しく生きていく人が増えてほしいなって思いますね。あと、彩花までにはならないにしても、自分の個性だったりをしっかり自分で知って、できるだけ自由に心を解放して生きていっていく人が増えてくれたら嬉しいなって思います。そういうことを笑いもありながら教えてくれる作品だと思います」と作品をアピール。

 波岡さんは「これは、ぼくさっき喋ったことがすべてなんです。でも、彩花にしろ翔平にしろ、自分を少しでも信じてあげるということ、自分の思っていることは正しいと思うこと、っていうことも大事にしてもらえたら嬉しいです」と、先の発言に補足するかたちで話し、矢本さんは「楽しいと思うことをまずやってみたらいいんじゃないですか?」とシンプルに回答。久住さんは「私も、この世界しかお仕事をしたことないので、私が言うのもおこがましいんですけど、自分をしっかり持つというのはいいのかなといまは思います」と答え、大塚監督は「ぼくは言える立場じゃないので(笑)」と笑って回答は辞退しました。

 そして、吉本さんの「この作品は、彩花をはじめ、いろんな色が混ざり合った作品になっています。でもそれがゴチャゴチャしていなくて、うまく混ざりあってカラフルな面白い作品になっていると思います。会社だったりとか、なにかをがんばっている方の少しの背中を押せたりできたらいいなと思っていますので、今日、楽しんでいただけたら良かったなと思っています。ぜひたくさん広めてください」というメッセージで舞台あいさつは締めくくられました。

 個性あふれる登場人物たちの人間模様をコミカルに描きつつも現代のリアルを浮かびあがらせていく『レディ in ホワイト』は、11月23日(金・祝)よりユナイテッド・シネマ アクアシティお台場(東京)、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋)ほか、全国順次公開されます。

作品スチール

レディ in ホワイト

  • 監督:大塚祐吉
  • 出演:吉本実憂 波岡一喜 矢本悠馬 久住小春 小山田サユリ いとうまい子 利重剛 吹越満 ほか

2018年11月23日(金・祝)よりユナイテッド・シネマ アクアシティお台場、ミッドランドスクエアシネマ ほか全国順次公開

『レディ in ホワイト』の詳しい作品情報はこちら!

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