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若林美保さん、主演作公開に自ら「圧倒されちゃって」 『プレイルーム』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった監督と出演者。後列左より、秋山豊さん、SALAさん、間庭裕基さん、若林美保さん、佐伯日菜子さん、草野康太さん、須森隆文さん、園部貴一さん、高橋卓郎さん。前列左より、ナリオ監督、松蔭浩之監督、中村真夕監督、佐々木誠監督
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 伝説のストリッパー・若林美保さんを主演に5人の監督がメガホンをとったオムニバス『プレイルーム』が12月8日シネマート新宿で初日を迎え、若林さんと佐伯日菜子さん、草野康太さん、園部貴一さんら各作品の出演者と監督、総勢13名による舞台あいさつがおこなわれました。

 女優・現役ストリッパーとして多彩なフィールドで活躍する「ワカミホ」こと若林美保さん主演の『プレイルーム』は、結婚を考える売れないバンドマンとOLのカップルを主人公にしたナリオ監督のハートウォーミングなストーリー『などわ』、現代美術家の松蔭浩之監督によるアヴァンギャルドなSF奇譚『LION』、中村真夕監督が自らの体験を元に描いたサイコサスペンスタッチの『クローンハート』、佐々木誠監督が自身が影響を受けた作品を熱海を舞台に映画化した『熱海の路地の子』、娘を亡くして10年になる夫婦の関係を描いた福島拓哉監督の『Floating』の5編で構成されています。

 舞台あいさつは劇場での初上映終了後に開催。若林美保さんは上映中は客席で作品を鑑賞していたそうで「はじめは自分が出ているからと思って緊張して観ているんですけど、だんだん(作品の)威力に圧倒されちゃって、自分が出ているのを忘れてボーッとしてしまった感じです」と、初めて劇場の大スクリーンで主演作を観た感想を述べました。

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5本の作品すべてで主演をつとめた若林美保さん

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作品全体のプロデューサーでもある『などわ』のナリオ監督

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『などわ』に通行人役で出演している映画監督・演出家の秋山豊さん

 『Floating』で若林さんと夫婦役を演じた園部貴一さんは、クランクインしたのがかつて園部さんが付き人をつとめていた俳優・大杉漣さんが急逝した数日後だったことを明かし、作品も“死”が関係する内容のため「みんな“大杉さんのためにこの映画を完成させよう”みたいな、心がひとつになったときにですね、若林美保さんがほんとに絆創膏のような方だなと。包まれるような、優しく覆ってくれるような、ただ一緒に佇んでいるだけだったんですけど、優しい感じで受け止めてくれたという印象があります」と共演しての印象を語りました。

 中村真夕監督の「90年代に、かなり怖い役でいっぱい(ホラー作品に)出られていたので、逆に怖がらせられる役をやっていただいたら面白いんじゃないかな」という発想で『クローンハート』にキャスティングされたという佐伯日菜子さんは「怖がらせるほうは散々やったので、怖がるほうというか、若林さんの心に巻かれていく感じがすごくリアルというか、ほんとに(若林さんが)美しいじゃないですか。魅力という言葉を人間のかたちにしたら若林さんになるんじゃないかと」と話し、この言葉には若林さん本人も「すごいこと言いますね(笑)」。

 また、若林さんと共演シーンは少なかったという『Floating』出演の高橋卓郎さんも「ワカミホさんの持っている肉体の説得力みたいなものがすごくて、食らいましたね」「そのときの印象と、後日打ち上げとかで会ってお喋りをするときの感覚がまた違って、菩薩に見えたり、少女のときもあったり、この人何者なんだろうって。ぼく、ワカミホさんのこと知らなかったんですけど、一緒に作品を作ってからものすごいファンになっちゃいました」と、共演して感じた若林さんの魅力を語り、やはり主演でありながら若林さんとの共演シーンは少なかったという『熱海の路地の子』の須森隆文さんは「現場でご一緒になったときは、ほんとにひとことで言うと目のやり場に困りました」と、ほぼ顔合わせでしか若林さんと会っていないという『クローンハート』出演の草野康太さんは「初対面じゃないけど初対面みたいな感じで(作品を)観させていただきました」 と、それぞれコメント。

 個性あふれる出演者それぞれの表現で「女優・若林美保」観が披露されました。

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現代美術家で『LION』のメガホンをとった松蔭浩之監督

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『LION』に主演し監督のアシスタントもつとめた間庭裕基さん

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松蔭監督に抜擢され『LION』のナレーションを担当したSALAさん

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『クローンハート』のメガホンをとった中村真夕監督

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『クローンハート』でOL・みゆきを演じた佐伯日菜子さん

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『クローンハート』で謎の男・直樹を演じた草野康太さん

 『プレイルーム』全体のプロデューサーもつとめたナリオ監督は「ずっとこの5人の監督で頑張ってきた『プレイルーム』が公開されて、文字通り超満員のお客さんに来ていただきまして、ありがとうございます」とあいさつ。

 映画監督としては2作目となる松蔭浩之監督は、アシスタントをつとめ出演もしている間庭裕基さんとナレーションのSALAさんと監督という少人数のスタッフ編成で「2年前くらいから、天気のいい日とか、気候のいい日とか」にセッションをする感覚で撮影が進められたと説明し、若林さんはその撮影について「映画の撮影と言うよりは(スチールなどの)作品撮りをしている感じだから逆に気張ってやらなくてすんだって感じはします」と振り返り、松蔭監督も「ダイナミックな現場じゃなかったかもしれないね、淡々としていたかもしれない」と、通常の映画とは違ったスタイルでの映画制作を語りました。

 5人の監督の中で一番最後に参加したという中村真夕監督は「女性監督ということで呼ばれたので、ほかの人と違うことをしたほうがいいかなと思って、若林さんを脱がせるのではなくて心を脱がせたいという(笑)、そういう気持ちでやりました」と作品の意図をコメント。

 『熱海の路地の子』の佐々木誠監督は、映像作家・帯谷有理さんのテキストを複数の映画作家が映像化するという作品群「路地の子」を学生時代に鑑賞し「面白いと思ってずっとやりたいと思っていたので、この『プレイルーム』のお話をいただいたときに”ちょうどいいや”と思って撮らせてもらったという感じ」とかねてからの企画が実現したことを明かし、若林さんは、若林さんと須森隆文さん、撮影も担当した佐々木監督の3人だけでおこなわれた撮影について「衝撃的な映像とは別で、アットホームな現場でしたね」と振り返りました。

 『Floating』の福島拓哉監督は自作の大阪公開のため舞台あいさつは欠席となりましたが「新宿でみなさんにお会いできず申し訳ありません。いま東京でみなさんの目の前に立っている『プレイルーム』メイトたちにぜひ感想などをお聞かせください。本日は本当にご来場ありがとうございました」というメッセージが、舞台あいさつの進行もつとめたナリオ監督により代読されました。

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『熱海の路地の子』で撮影も担当した佐々木誠監督

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撮影を振り返る若林美保さん、佐々木誠監督と、佐伯日菜子さん、草野康太さん、須森隆文さん

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『熱海の路地の子』で主演をつとめた須森隆文さん

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『Floating』で主人公夫婦の夫を演じた園部貴一さん

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『Floating』で妻の不倫相手を演じた高橋卓郎さん

 若林さんは「3年前に企画して、ほんとにいろんなことがあったので、今日この日が来るのが感無量って感じです。でも、まだ上映は始まったばかりなので、成功するかというのは(上映期間の)2週間にかかっていると思うので、2週間いろいろな方に観ていただきたいと思っています」と初日を迎えた心境を語り「来ていただいた方に、とにかくSNSとかでどんどんつぶやいていただけると嬉しいです」と呼び掛けて舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、『などわ』に渋川清彦さんやロックバンド・イギリス人、『Floating』に稲村梓さんらが出演する『プレイルーム』は、12月8日(土)より21日(金)までシネマート新宿にて2週間限定レイトショー。公開期間中は、5編の監督・出演者やゲストを迎えたトークショーなど連日イベントが開催されます

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