会見に出席したいまおかしんじ監督、渡辺万美(わたなべ・ばんび)さん、永岡怜子さん、小田飛鳥さん、高原秀和監督(左より)
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大人の男女に向けた新たな映画レーベル「エロティカ クイーン」第1弾3作品の公開に合わせ、3作それぞれの主演・渡辺万美さん、永岡怜子さん、小田飛鳥さんと、メガホンをとったいまおかしんじ監督、高原秀和監督が出席して3作合同の会見が4月6日に都内でおこなわれました。
「KING RECORDS presents エロティカ クイーン」は、音楽‥映像でさまざまな話題作を送り出してきたキングレコードが大人の男女に向けて魅力的な作品を届ける新たな映画レーベル。
第1弾として、モデルのハルカと肉屋を営む中年男・安春がテレパシーで通じあっていく渡辺万美さん主演『こえをきかせて』(いまおかしんじ監督)、あるコンプレックスを持つ中堅グラビアアイドル・はるかと不器用なバツイチ男性・田畑の恋を描いた永岡怜子さん主演『グラグラ』(高原秀和監督)、母を亡くした若い女性・紗弓と年老いた資産家・藤堂の出会いから始まる小田飛鳥さん主演『焦燥』(高原秀和監督)の3作品が同時公開されます。
それぞれの作品の見どころについて、渡辺万美さんは「モデルをやっているハルカと肉屋のおじさん、普段は出会わないような間柄なんですけど、テレパシーというちょっと不思議な能力を通じて、恋愛ではないんですけど、心の声で話し合うにつれて特別な関係になっていく模様がみなさまに伝わっていけばなと思っております」、永岡怜子さんは「けっこうポップなへんてこなお話ですよね(笑)。あんまり既存のセクシー目の作品にはなかったような切り取り方をされているというか、肩肘張らずに観ていただけるような、そして最後にはホロリ、なにかが残せるような作品になっていると思います」、小田飛鳥さんは「やはり最後の濡れ場ですかね、紗弓が体を張って、けっこう常識では考えられない行動を起こすんですけど、その中には紗弓の覚悟と愛があって、それは私も迷うことなく思い切ってすることができたので、見応えのあるシーンになっているんじゃないかと思います」と三者三様にアピールしました。
今回の3作が一部で「平成最後のエロス」と呼ばれていることについてどう思うかという、この時期ならではの質問がされると、『グラグラ』『焦燥』の2作品を手がけた高原秀和監督は「どうも思いません(笑)。もう、令和になってもエロ撮ります」と力強く宣言。『こえをきかせて』のいまおかしんじ監督は「最後にあるというのはいいかなと思うんですけど。いろんなものが終わるっていう、終わりはなにかの始まりだから」と答え、高原監督から「でも、令和になってもちゃんとエロ撮るでしょ? いまおかはエロしか撮れないもんね」と言われると「エロすら撮れない(笑)」とジョークを返しました。
同じく「平成最後のエロス」について聞かれると、渡辺さんは「私は平成元年生まれなので、芸歴も13年ずっとエロと関わってきたつもりなんですけど、それが終わっちゃうってなると私の時代が終わっちゃうのかなと思うのですが、先ほどいまおか監督がおっしゃったように“終わりは始まり”ということで、令和になっても“ニュー万美”で新しいエロスを追求できればなと思います」、永岡さんは「わたくし昭和生まれなので、通過点に過ぎないといいますか(笑)。でもこの平成最後という冠をいただける作品に出演できたことがとても私の中では誇りになって、この先も永岡怜子として活動していけるのではないかと思っていますので、個人的な感想ですがありがたいです(笑)。平成最後のエロスを背負って生きていきたいと思います」、“セクシー番長”の異名を持つ小田さんは「私も平成2年生まれなんですけど、自分が自分で平成生まれと思えないんです(笑)。趣味が落語と高校野球と、それだけでも昭和だったのにそれに拍車をかけて最近は大相撲にもハマってしまって(笑)。でも、まぎれもなく平成に育ててもらった“セクシー番長”ですし、平成は終わってしまいますけど、この『エロティカ クイーン』は始まったばかりで、変わり目に使っていただけて光栄に思います」と、それぞれに変わらぬ「エロス」への意欲を覗かせました。
今回、渡辺さんと永岡さんは初の濡れ場に、小田さんも初のフルヌードに挑戦。
安春役の川瀬陽太さんを相手に初濡れ場に挑んだ渡辺さんは「意外とそこまで緊張というのはしなくてですね」と振り返り「体のラインだったり、見せ方を大事にしていたつもりです」と意識したポイントを紹介。そしてリハーサルでいまおか監督から「そんな大げさにやらなくていい」と指摘されたことを明かし「私はまったく大げさにはやっていなく(笑)、私、普段から大げさなのかなと帰り道に悩んでしまいました(笑)」と話して笑いを誘いました。
同じく初濡れ場挑戦の永岡さんは、演じたはるかが性に関するコンプレックスを抱えている設定のため「一筋縄ではいかない演じ方をしなければいけないという、だから普段の私を出すのではなく“はるかならどうするか?”というのを頭に入れつつ演じた濡れ場でもあるので」と感想を述べ「やっているときはあっという間だったんですけど、完成されたものを観たときに、やっぱりプロの方の手にかかるとこんなにも美しく映るのかという感動がございましたので、手応えをとても感じています」と、初濡れ場の出来栄えに自信を見せました。
小田さんは、以前に主演をつとめたいまおか監督の『契約結婚』(2017年)で川瀬陽太さんを相手に初濡れ場を演じており、渡辺さんが同じ川瀬さんを相手に初濡れ場だったと聞くと「ちょっと興奮しているんですよ、初濡れ場の相手が一緒だという(笑)」と謎の笑顔。そして今回の『焦燥』について、親子以上に年齢の離れた相手との関係を描いているため「ときには母親のように見守ったりとか、あるときは年上の男性として頼ったりとか、少しずつ心を近づけていって」と話し「心と体の駆け引きみたいな作品だと思います」と表現しました。
そんな主演女優について、いまおか監督は、渡辺さんを撮影したことのあるカメラマンの方と会ったときに「(カメラマンの方が)“万美は色気ないんだよなあ。でも根性あるんだよなあ”と言ってて、まさにそうだなと現場のことを思い出しました」と、監督からのちょっと違った視点でコメント。
高原監督は「永岡怜子は大変でした。苦労しましたけど、やっぱり開き直って、裸をさらけ出して最後までやるというのは、それはもう素敵なことで、脱ぎっぷりはよかったですよ。本人をモデルにして脚本作りをしていたので、それも活かせてよかったんじゃないかなと思います。小田飛鳥はドーン! ですよ、よくわからないけど(笑)。脱ぎっぷりいいのは当たり前なんだけど、芝居も素直にドーンとやってくれたんで、もうそれでよかったんじゃないかなという感じですね。だからふたりともやりやすくはなかったかもしれないけど、結果オーライという感じで、ぜひ観てほしいなと思います」と評しました。
作品のポスターを囲む渡辺万美さん、永岡怜子さん、小田飛鳥さん(左より)
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会見は、主演3人のあいさつで締めくくられました。
「実は私、この映画を今日(会見のあとの上映で)初めて観るんですけど、先ほども言ったようにモデルをやっているハルカは、ほんとに私と重なる部分があるんですけど、芸歴12年、13年目に入りまして、仕事との葛藤、仕事のストレスだったり、そういうので友達とか親とかにも言えないことをテレパシーっていう不思議な力でいままで会ったこともない肉屋のおじさんに甘えられる、そんなそういう拠り所を描いている映画です。安春との関係も、恋愛まではいかないふたりの心の支えがうまく表現できていればなと、観ているみなさんにも心に残るものがあればいいなと思っております」(『こえをきかせて』ハルカ役:渡辺万美さん)
「スタッフのみなさまにいろいろお気遣いいただいたので、とても気持ちよく裸をさらけ出すことができまして、ラストのシーンとかも、私の覚悟というか、そういうものも少しみなさまにお見せできていると思いますので、なかなか見ない画でなんか楽しくなっちゃうと思うので、みなさんぜひぜひ最後までご覧いただければと思います。最後すごいです。最後まで観ていただければ、なにか心に残るものがあると思います」(『グラグラ』はるか役:永岡怜子さん)
「私は1回目を観たときになにが起きたかわからなくて、この映画なんじゃ! って思って、次の日にすぐ2回目を観たんですね。やっぱり演じているから役になりきっているので、自分は愛は正義だと思ってやっていたことが、実際に(完成した映画を)観たときにすごいことをやっていたんだなと思って、なので1回じゃなくて、2回観てほしいですし、答えはひとつじゃないと思っていて、観た方ひとりひとりに訊いて回りたいような焦燥感に駆られています」(『焦燥』紗弓役:小田飛鳥さん)
『こえをきかせて』には出演作の公開が続く日本映画界注目の男優・川瀬陽大さん、『グラグラ』にはバラエティ番組でも活躍する湯江タケユキさん、『焦燥』では長いキャリアを持つ隆大介さんと、相手役にも魅力的なキャストが揃った「エロティカ クイーン」第1弾3作品は、4月6日(土)より8日(月)までの3日間、渋谷ユーロライブにて限定公開。3日間の上映では全上映回で監督と主演女優ほかによる舞台あいさつがおこなわれます。