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映画初主演の井上裕介さん「私以外は一流」と謙遜 『耳を腐らせるほどの愛』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった村田秀亮さん(とろサーモン)、山谷花純(やまや・かすみ)さん、黒羽麻璃央(くろば・まりお)さん、井上裕介さん(NON STYLE)、 森川葵さん、石田明さん(NON STYLE)、豊島圭介監督(左より)
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 お笑いコンビ・NON STYLEの石田明さんが原案・脚本、井上裕介さんが主演をつとめるミステリーコメディ『耳を腐らせるほどの愛』が6月14日に初日を迎え、シネ・リーブル池袋でNON STYLEのふたり、森川葵さんら出演者と豊島圭介監督が舞台あいさつをおこないました。

 『耳を腐らせるほどの愛』は、たとえ話で会話する愛好者の集まり「たとえ話サークル」の合宿がおこなわれているリゾートホテルでサークル部長である男の死体が発見され、たまたま同じホテルに来ていた探偵が犯人を探す中で明らかになる意外な事実や人間模様を笑いをふんだんに盛り込みながら描いた作品。

 井上裕介さんが演じる主人公のサークル部長・鈴木鈴吉は映画がスタートした時点で死んでいるという役で、相方であり脚本を担当した石田明さんは「どうすれば井上をなるべく喋らせずに行けるかというところが一番難しかったですね。その結果、オープニングから死んでいるということなんですけど」と話して場内の笑いを誘いました。

 映画初主演となる井上さんは、脚本を読んだときの感想を尋ねられると「この映画をやるときに“死んでればお金もらえる”と言われましたんで、ちゃんと見ていないんですよ」と告白。「セリフもほとんどないと思っていたので。現場に行って“あ、喋るとこちょっとあるやん”みたいな感じだったんで、最初(脚本を)ザザッと読んだりはしていなかったですね。相方からも“黙って寝ていれば給料が入るシステム作ったんで”って言われていたので、それを信じてやっていました」と井上さんが話すと、石田さんがすかさず「台本読みこまれて変なキャラ作りこまれたら嫌やないですか(笑)」と返し、息のあったやり取りを見せました。

 また、石田さんは脚本を書く上で「おいしくない役」を作らないよう心がけた結果「全員がみんないいところがあるので、それがほんとによかったと思っています」と登場人物ひとりひとりへの思い入れを感じさせ、井上さんは「みなさまがほんとに一流の方々ですので、いろいろ教えていただきながら、ぼく以外はちゃんと演技されていますけど、ぼくだけコントをやっている感じなので、そのアンバランスな感じを楽しんでもらえたらなと思いますけど」と主演をつとめての想いを述べました。

 メガホンをとった豊島圭介監督は「できにひじょうに満足していまして、早くみなさんに観ていただきたかったんですけど、とうとう初日を迎えることができて感激しています」と、作品への自信を覗かせながら初日を迎えた心境を語りました。

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たとえ話サークルの部長・鈴木鈴吉を演じた井上裕介さん

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サークル部員のひとり・葉山瑠奈を演じた森川葵さん

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サークル副部長の倉敷純一を演じた黒羽麻璃央さん

 「たとえ話サークル」の部員のひとり・葉山瑠奈を演じた森川葵さんは「私、けっこう静かそうに見えてたけど急にベラベラ喋るみたいな役、多かったので、私はけっこう台本はキチンと読んで、キチンと覚えて現場に行ってましたね」と、井上さんの台本を読んでなかったとい発言を踏まえてコメント。さらに森川さんは、探偵・真壁を演じた八嶋智人さんについて「つねにセリフっていうかアドリブっていうかずっと喋ってて、ほんとにすごいなって、頭の回転力が違うなって。(自分は)静かでおとなしいという役だったので、笑わないようにするのが大変でしたね」と印象を語りました。

 サークルの副部長・倉敷純一を演じた黒羽麻璃央さんはサークルの中でイジられる設定の役で、そういう役を演じたことについて「あんまり生きててイジられてこなかったので、イジってほしい精神はあったんですよ。そういうのを今回は引き出してもらったというか」と感想を。そして、映画の中では倉敷を虐げる役を演じた井上さんにプライベートでは焼肉をご馳走になったりしたというエピソードを紹介し「実はいい人なんですよ」とアピールしました。

 やはりたとえ話サークル部員の福山朱音を演じた山谷花純さんは「コメディの作品だとセリフを速く言ったほうがテンポがよくなったりというような印象があったんですけど、今回やっぱりセリフがたとえ話なので、観ている方にも理解してもらいながら話を進めないといけないので、セリフの速さとかはリハーサルを重ねてみんなで調整しながらやらせていただきました」と、独特な設定のコメディならではの演技のポイントを振り返りました。

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サークル部員のひとり・福山朱音を演じた山谷花純さん

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リゾートホテルの管理人・出口誠二を演じた村田秀亮さん

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原案・脚本、そしてホームレス役で出演もしている石田明さん

 リゾートホテルの管理人・出口誠二を演じたお笑いコンビ・とろサーモンの村田秀亮さんは「最初(役を)もらったときに、よくわかんない役やったんですよね。ほんと謎の男の役なんですよ、ドン臭いし、急に変なことしたりとか、急にブチ切れたりするんで、そこの役どころはどういうつもりで俺にオファーしたのかっていう」と疑問を述べると、自ら村田さんにオファーしたという脚本の石田さんは「酒呑んでるときの村田さんを意識しているっていう(笑)」と意外な(?)回答を。村田さんは呑んでいると「情緒がこうなる(乱高下する)」と評した石田さんは、自分も似たタイプなため「ふたりでエライことになるんでね、いつも(笑)」と笑いました。

 そして『耳を腐らせるほどの愛』というユニークなタイトルについて理由を訊かれた石田さんは「すげえ難しい話になっちゃうんでパッと言いますけど『湯を沸かすほど熱い愛』(2016年/中野量太監督)のパクりです。パクらせていただきました」とまさかのパクり宣言で場内を沸かせた上で「俺、井上が囁く声って超キライなんですよ。ネタでも女性に対して(井上さんが)囁く台本は書くんですけど、(本番では井上さんが)わざわざマイクに寄ってやるんですよね。ほんまにあのたびに“耳、腐るな”と。それを今回『耳を腐らせるほどの愛』を伝えられたらいいなという想いからですね」と、井上さんへの苦情を熱弁しつつ「内容を観てもらったら“あ、そういうことなのね”と思っていただけると思うんですが」と付け加えました。

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メガホンをとった豊島圭介監督

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「脚本家と思われたくていろいろ迷った結果こんな感じになりました」という石田明さんの衣裳に井上裕介さんからツッコミも

 舞台あいさつの最後には、登壇者ひとりひとりよりこれから上映を観る方々へメッセージが贈られました。

「ギャグ満載なんですけど、1個だけ(紹介すると)、ぼくが大好きなギャグがあって、小木茂光さんがお出になるんですけど、小木さんがすごく特殊な名前のキャラクターなんですよね。小木さんが名乗るシーンは、ぜひみなさんに楽しんでいただけたら嬉しいなと思います」(豊島圭介監督)

「ホンマに帰り道に空き缶転がっていたら絶対に蹴ると思うんですよ(笑)。それくらい“マジなんやってん!”ってなるかもしれないですけど、ホンマ気の抜けた映画になっていますし、見どころたくさんですので、ぜひ『カメ止め』に対抗して『みみくさ』で行きますので、みなさんツイートとかしていただけたらありがたいなと思います。よろしくお願いします」(石田明さん)

「ほんとにね、バカバカしくて、ちょっほっこりするシーンとかもたくさんあるので、そういうところを重点的に観てもらってね、あと井上が死んでるシーンとかもね、見ごたえあると思うので、やっぱり終わったあと井上のね、その言葉とかも聞いていたら、耳が腐ると思いますので、それも楽しんで帰っていただきたいなと思います」(村田秀亮さん)

「最近、梅雨入りしたということで、雨降って気持ちもやんわりする気温だなって思うことも多いと思うんですけど、この映画を観るとそれも吹っ飛ぶくらいほんとにハッピーな気持ちで家に帰れると思います。あと、このご時世、CG技術がすごい進んできている中、この作品の中でほんとに役者さんカメラマンさん全員が力を合わせて、CGを超えたCGみたいなシーンもあるので、そこの部分も注目して観ていただけたらいいなと思います」(山谷花純さん)

「人が亡くなって笑える話ってなかなか珍しいタイプの作品だと思いますし、死人がこんなに活躍するというのも珍しいタイプの作品だと思いますので、ほんとに笑ってお腹を痛めて、耳を腐らせて帰ってください」(黒羽麻璃央さん)

「私、時間があるとすっごいいろんなことを考えすぎちゃう人間なんですけど、考えれば考えるほど人生の本質っていうか大切なことってどんどん見えなくなっていくなって思っていて、そんなときにこの映画を観ると“もっと気楽に生きていていいや”ってすごい思える映画で、それくらいの気持ちで生きていたほうが本当のことって見えてくるんじゃないかなって思うんですよ。だから、そういうふうにほんと気楽な気持ちで観てもらって“なんだったんだろう、あれ。ま、いっか”みたいな気持ちになってもらって、心を軽くして帰っていただけたらなと思います。ありがとうございます」(森川葵さん)

 最後に井上さんが「帰ってください、みなさん。いいです観なくて。私ずっと死んでますから(笑)。でも、映画すごく面白い内容にはなっていますし、あと断言できるのは、この映画がどれだけヒットしようが続編『2』はありませんので、このメンバーでやるのはおそらく最初で最後でしょうから、目に焼き付けていただいて、みなさんにいろいろ広めていただいたらな思いますし、このあと映画を観ていただけるということですから、私死んでますけどチョコチョコ出てきています。心の中で毎度、森川葵、山谷花純とキスしたいなと思いながら演技していますので、それを観ていただけたらなと思います」とあいさつすると、石田さんから「なんと(井上さんの)キスシーンと濡れ場ありますので、そちらのほうも楽しみにしてただけたらなと思っています(笑)」と驚きの発言が飛び出し、井上さんも「AVを超えたかもしれないですよね」。どこまで信じていいのかわからないふたりの爆弾発言に続き、井上さんは「私以外は一流の方々が揃っていますので、ぜひ楽しんで観ていだけたらなと思います」と舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつ登壇者のほか、探偵役の八嶋智人さんをはじめ、信江勇さん、長井短さん、菅原永二さん、小木茂光さん、MEGUMIさんらが出演する『耳を腐らせるほどの愛』は、6月14日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国ロードショーされています。

作品スチール

耳を腐らせるほどの愛

  • 監督:豊島圭介
  • 原案・脚本:石田明(NON STYLE)
  • 出演:井上裕介(NON STYLE) 森川葵 黒羽麻璃央 山谷花純 信江勇 長井短 村田秀亮(とろサーモン) 菅原永二 石田明(NON STYLE) 小木茂光 MEGUMI 八嶋智人
  • 配給:KATSUDO

2019年6月14日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー

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