後列左より、石川誠さん、タカさん、小川あんさん、髙橋雄祐さん、五十嵐美紀さん、藤井桂さん、穂村有希さん、黒宮けいたさん。前列左より、司会をつとめた放送作家・映画活動家の松崎まことさん、吉岡そんれいさん、廣瀬祐樹さん、古川ヒロシさん、長部努さん、寺林弘達さん、柴田啓佑監督
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映画と演劇の学校・ENBUゼミナールの「シネマプロジェクト」から生まれた青春映画『あいが、そいで、こい』が6月22日に新宿K's cinemaで初日を迎え、小川あんさん、髙橋雄祐さんら出演者と柴田啓佑監督が舞台あいさつをおこないました。
柴田啓佑監督の長編初監督作となる『あいが、そいで、こい』は、大ヒット作『カメラを止めるな!』を送り出したENBUゼミナール主催「シネマプロジェクト」の第8弾作品。2001年夏の海辺の町が舞台となり、ボランティアでイルカの世話をすることになった男子高校生・萩尾亮と台湾からの留学生でイルカ調教師を目指している王佳鈴(ワン・ジャーリン)の出会いを軸に、高校生たちの青春模様が描かれていきます。
ちょうど撮影からほぼ1年を経ての公開となり、柴田啓佑監督は「インしたのが7月1日とかで、(1年前の)いまはちょうどあと1週間後くらいっていう感じだったので、いろいろと準備して、台本もギリギリまで悩んでたなあと、ちょうど思い出したのが今朝という感じですね」と振り返り「ぼくは去年のこの時期っていうのは、ある種大人になってからの青春みたいな感じだったので、あの瞬間というのはだいぶ前に(あったことのように)感じてて、ほんと1年かって感じなんですけどね。5年前くらいに感じちゃってるくらいですね」と、公開を迎えての心境を語りました。
物語の中心となる高校生・萩尾亮を演じた髙橋雄祐さんも柴田監督と同様に「ぼくもほんとに5年前くらいの感覚ですよね」とコメント。また、1992年生まれの髙橋さんをはじめ、本作では男子高校生役にワークショップで選ばれた20代後半から30代の俳優陣が起用されており、実年齢と離れた役について髙橋さんは「いやもう大変ですよ、いかんせんバカなんで高校生は(笑)。みんなもうオッサンですけど、みんなでバカになるべく、日頃からバカなことをしてました」と感想を述べ「現場もずっとバカでした。(亮の同級生役の)4人揃うとバカでした(笑)」と現場での様子を語りました。
ヒロインの王佳鈴を演じた小川あんさんは「暑さがすごい大変だったのと、(イルカのいる)いけすの場所が、もちろん野外なので、涼むところもなく、ずっとあそこで撮影していたのがつらかったですね」と、夏の撮影の苦労を語りましたが、イルカの調教シーンについては意外にも「大変……ではなかったです(笑)」と笑顔。
柴田監督によると、佳鈴がイルカをジャンプさせるシーンがあるため、前もって本物の調教師の方にジャンプのさせ方を教わっていたそうですが、大変だと言われていたにもかかわらず小川さんは「わりとサラッと」(柴田監督談)とジャンプさせてしまったそう。しかもジャンプの高さも調教師の方より高いくらいだったそうで、柴田監督は「みんなに驚かれていましたね」と、監督曰く「神がかっていた」撮影エピソードを明かしました。
柴田監督は、台風のために撮影前日にいけすが壊れてしまうアクシデントがあったことにも触れ「そこら辺はパンフレットに載っているんですけど(笑)」と、劇場で販売中のパンフレットも紹介。パンフレットには脚本もフルで掲載されており、柴田監督は「(完成した作品と)比べられて面白いかなと」とPRしました。
数々の脚本賞を受賞する村上かのんさんが脚本を担当、これまで短編作品が各地の映画祭などで高く評価されてきた柴田啓佑監督が片田舎の高校生たちの夏を描く『あいが、そいで、こい』は、舞台あいさつ登壇者のほか、中垣内彩加さんや、テレビなどでもおなじみの山田雅人さんらが出演。新宿K's cinemaで6月22日(土)より3週間上映のほか、全国順次公開予定となっています。
新宿K's cinemaでは、公開期間中は連日、監督・出演者やゲストを迎えたトークイベントを開催するほか、公開1周年を記念して同劇場で上映中の「シネマプロジェクト」第7弾『カメラを止めるな!』との相互割引も実施。さらに「せっかく劇場に来ていただいたので、ぼくからも映画以外に余韻として楽しめるものを」という柴田監督の考えにより、QRコードを利用して劇場を訪れた人だけが観ることができる劇場限定特典映像も用意されています。
※記事初出時、出演者のお名前を誤って記載した箇所がありました。お詫びして訂正いたします(6月25日修正)