舞台あいさつをおこなった鳥居康剛監督、市原朋彦さん、飯窪春菜さん、小牧那凪(こまき・なな)さん、内山愛さん(左より)
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人気ホラーオムニバスの劇場最新作『劇場版ほんとうにあった怖い話2019~冬の特別篇~』が11月16日に渋谷ユーロスペースで初日を迎え、主演の飯窪春菜さんと小牧那凪さん、共演の市原朋彦さんと内山愛さん、鳥居康剛監督が舞台あいさつをおこないました。
15年にわたりオリジナルDVDや劇場版で展開している「ほんとうにあった怖い話」シリーズは、投稿で寄せられた恐怖体験を再現ドラマ化した心霊オムニバスホラーシリーズ。劇場最新作となる『劇場版ほんとうにあった怖い話2019~冬の特別篇~』は、大学生たちが肝試しで遭遇する恐怖を描いた橋本祥平さん主演「Trick or Treat」、ハロウィンの時期にある夫婦が奇妙な現象に見舞われる飯窪春菜さん主演「Phantasm」、公園で外国人女性を見かけた女性の周りで奇妙な出来事が起こる小牧那凪さん主演「The Door」の3エピソードで構成されています。
昨年12月にアイドルグループ・モーニング娘。を卒業し女優として活躍している「Phantasm」主演の飯窪春菜さんは「私は初めて映画に関わらせていただいたのですごい緊張した撮影の日だったんですけれども、このあと、みなさんに楽しく怖がってもらえたらなと思います」とあいさつ。
また飯窪さんは、この作品で既婚の役を演じたことについて「去年12月にアイドルを卒業して、すぐに夫婦を体験するとは思っていなかったので、すごく新鮮だったんですけれども」と感想を述べ、撮影現場は「けっこう和気あいあいとして」楽しかったものの、深夜まで及んだ撮影の休憩時間に監督が怖い話を始めたため「私、そのあとひとりで着替えなくちゃいけなくて、なんでいまこのタイミングで怖い話しだすんだろうって、それがちょっと大変というか怖かったですね(笑)」と、ホラー映画の現場らしいエピソードを紹介しました。
飯窪さんと夫婦を演じた市原朋彦さんは、事前に役になじめるようにという監督の配慮で衣装合わせの際に飯窪さんと夫婦の設定で即興のお芝居をしたところ「いまから夫婦で旅行にいく話をやってみようかって(監督が)振ってくださって、やってたんですけど、どう話が転んでもなんか雲行きが怪しくなっていって、離婚しよう、離婚しようって」と即興芝居が不仲な展開になったと暴露。「それで尻に敷かれる関係性が完成しちゃって、それが映画にうまくにじみ出たと思うんですけど」という市原さんに飯窪さんは「すみません」と頭を下げて照れ笑い。市原さんも「おかげさまで楽しく」と笑いました。
「The Door」で主演をつとめた小牧那凪さんは「(脚本の)準備稿の段階で私はすべてのキャストのセリフを全部覚えてがんばっていたんですけど、(撮影の)2週間弱前に決定稿が来て、7割くらい物語の内容が違ったときにはムチャクチャ焦りました(笑)。セリフを全部を(もう一度)覚えたっていう、大変でした(笑)」と、作品への姿勢ゆえの苦労があったことを告白。
「The Door」で主人公の友人を演じた内山愛さんは、劇中の女子会の場面で用意された小道具や食べ物が「そんなキラキラしているようなものではなかった」ため「スタッフさんとキャストみんなで、どれだけ超女子っぽくするかっていう」と、出演者も加わって用意されたものがかわいく見えるよう盛り合わせ方などを工夫したと現場の様子を紹介しました。
「ほんとうにあった怖い話」シリーズ劇場版でメガホンをとるのは『劇場版 ほんとうにあった怖い話2017』に続き2回目となる鳥居康剛監督は「自分がホラー映画を作るときにこだわっている部分を今回もこだわらせていただいているんですけど、カメラワークが一番こだわっている部分でして、ホラー映画は特に役者の動き、役者の力と音楽と効果音、それとカメラワークすべてがうまく重なりあったときに相乗効果で観客の方が怖いと思ったり不気味と思ったりしてくれるので、そういうところにこだわっているので、それを観ていただけたら」とこだわりのポイントをアピールするとともに「カメラワークには必ず役者の力が必要なので、今回は素晴らしい役者が揃ったので、そこにも期待していただけたらなと思います」と、出演者に賛辞を送りました。
舞台あいさつではホラー映画の初日らしく、登壇者に「最近、身の周りであった怖いエピソード」が質問されました。
モーニング娘。時代からロングヘアーがトレードマークの飯窪さんは「最近というか」と断った上で「今日、真っ白なワンピースで来てしまって……」と、長い髪と白いワンピースで自分の格好がホラー映画っぽくなってしまったとコメント。
続いて市原さんは、飯窪さんがレギュラー出演しているラジオ番組を「心のどこかで“映画の話出てくるかな?”って思いながら」聴いていたところ、番組中で飯窪さんが夫婦役の相手は誰かと質問され「聞かれた瞬間に飯窪さんが黙りこんでしまって」という、市原さんにとってはちょっと衝撃的なエピソードを披露。客席から笑いが起こる中で「すみませんでした! ほんとにすみません!」と頭を下げる飯窪さんに、市原さんは「全然大丈夫、爆笑しました」とフォロー。次のオンエア分では市原さんの名前を出しているという飯窪さんの話に、市原さんは「聴きます絶対」と答えると「ほんとうにあった怖い話でした」と鮮やかにオチを付けてさらに大きな笑いを誘いました。
最後に鳥居監督は、自宅で就寝中、風呂場から水音が聞こえ見に行こうとしたら「自分の頭を誰かが掴む手がワッと来たんですよ」と話し、場内に緊張が走る中「そしたら目が覚めました」と一言。飯窪さんに「まさかの夢オチですか?」とツッコミを受けつつ、鳥居監督は「夢オチなんですけど、掴まれた感触が残ってて、こんなリアルなのは初めてだなと思ったのが怖い話。将来、自分の作品でそういうシーンが出てきたら実体験だなと思っていただけたら」と“ほんとうに”怖い話でまとめました。
ホラー映画らしく、みんなで絶叫ポーズ+監督は驚かしポーズ。左より鳥居康剛監督、市原朋彦さん、飯窪春菜さん、小牧那凪さん、内山愛さん
舞台あいさつは、主演の飯窪さんと小牧さん、それぞれのあいさつで締めくくられました。
「今回、ハロウィンのお話が3本立てになっていまして、ハロウィンは終わってしまったんですけど、ここは渋谷ですし、まだまだ渋谷のハロウィンは続いていくという気持ちで、みなさんにハロウィンの怖ーいお話を観ていただいて、終電を逃さないように帰っていただけたらなと思います。そして面白かったら、お友達とかにも口コミをよろしくお願いします。楽しんでください」(飯窪春菜さん)
「拡散の力をみなさんにお借りしたいので、少しでも多くの方に観ていただきたけるように、どうぞ拡散よろしくお願いします。楽しんで観ていってください」(小牧那凪さん)
『劇場版ほんとうにあった怖い話2019~冬の特別篇~』は、舞台あいさつ登壇者に加え、2.5次元作品を中心に舞台で活躍する橋本祥平さんが「Trick or Treat」に主演し、蒼波純さん(「The Door」)、吉田大輝さん(「Trick or Treat」)らが出演。渋谷ユーロスペースで11月16日(土)より1週間限定レイトショーされ、11月18日(月)には橋本祥平さんら「Trick or Treat」出演者と鳥居監督による舞台あいさつがおこなわれます。