神戸発の衝撃作関東初上映は涙と笑いに歌とダンスも 『みぽりん』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなったキャストと監督、後列左から津田晴香さん、松本大樹(まつもと・だいき)監督、垣尾麻美さん、片山大輔さん、mayuさん、篁怜(たかむら・れい)さん、合田温子さん。前列左が近藤知史さん、右が井上裕基さん
※画像をクリックすると大きく表示します
京阪神で先行公開され熱狂的なファンも生まれている衝撃作『みぽりん』が12月21日に池袋シネマ・ロサで東京公開初日を迎え、垣尾麻美さん、津田晴香さんら7名の出演者と松本大樹監督らが舞台あいさつをおこないました。
『みぽりん』は、愛称“みぽりん”のボイストレーナー・みほの合宿レッスンを受けることになった音痴のアイドル・優花が体験する恐怖の5日間をコミカルな表現もたっぷりと盛り込んで描いた“新感覚パニックホラー”。
神戸出身・神戸在住の松本大樹監督がオール神戸ロケ、出演者も関西で活動する俳優を起用して作り上げた自主制作の初長編作品で、公開前からSNSで盛り上がりを見せ、神戸・元町映画館をはじめとする京阪神のミニシアターでの先行公開や神戸のシネコンでの成功を受けて東京公開を迎えました。
東京での初の上映終了後に登壇した松本大樹監督は「去年『カメラを止めるな!』を関西のほうで観まして衝撃を受けてですね、映画を作りたいという想いはあったんですけれども『カメ止め』に背中を押されたというか、勇気をもらってこの『みぽりん』という作品を作りはじめたんですけど、それがこの池袋シネマ・ロサさん」と、昨年大旋風を起こした『カメラを止めるな!』を最初期から上映した「聖地」での公開を迎えた喜びを述べました。
また、初日には関西から応援に駆けつけた“みぽらー”と呼ばれるファンの方々の姿もあり、松本監督は来場した方々やSNSなどで応援している方々、そして京阪神でのヒット前から上映を決定していた劇場に報いるために「これから3週間、楽しんでいただけるようにがんばっていきたいと思います」と意気込みを語りました。
これが初長編作品となる松本大樹監督は脚本と撮影、編集も担当
ボイストレーナーの“みぽりん”ことみほを演じた垣尾麻美さん
アイドルグループのセンター・神田優花を演じた津田晴香さん
“みぽりん”ことみほを演じた垣尾麻美さんは「控室にいるときにからすごい(客席の)笑い声とか聞こえてきて、最後のほう(客席の)うしろから様子を見させていただいていたんですけど、みなさんすごく笑ってくれてて、いまこの光景を見てるとすごく嬉しくて」と涙を見せながらあいさつ。「私たちにとっては東京というのはアウェイというか、ものすごい緊張感があったわけなんですけど、なんか関西も関東も変わらないのかなって。みなさんすごくあたたかくて、ほんとにほんとにありがとうございました。もう、それしかないです」と、初の東京上映を終えての心境を述べました。
みほのレッスンを受けるアイドル・優花を演じた津田晴香さんも涙を堪えられず「会場の中の雰囲気とか知るのか怖くて、寝たふりとかしてごまかしていたんですけど“爆笑してくれているよ”って言われて、いてもたってもいられなくなってそこ(客席横)で見ていたんですけど、ほんとにみなさん笑ってくださってて、そうじゃない方ももちろんいらっしゃると思うんですけど、でも誰かひとりは笑顔にできたというのが嬉しくて、自分が出てる作品でこれからもひとりでも多くの人をたくさん笑顔にできたらなと思うので、これからもがんばりたいと思います。本日はありがとうございました」とあいさつしました。
東京公開を迎え感極まり涙を流すみほ役の垣尾麻美さん
キャストは公開の1ヶ月ほど前からたびたび東京を訪れてはビラ配りなどの宣伝活動をおこなっており、アイドルグループのマネージャー・相川役の合田温子さんは「ほんとに、やっとこの日を迎えられたかなという気持ちですね」と話すと、初日は好調とはいえ満席ではなかったため「最終日に満席で嬉し涙を流したいなと思っておりますので」口コミで広めてほしいとアピール。
客席には実際にキャストからチラシを受け取って観にきたという方もいらっしゃり、アイドルオタク・加藤を演じた近藤知史さんは「チラシを受け取っていただいた方も、受け取っていただかなかった方も、みなさんがSNSなんかで“なんじゃこら?”と思いながらつぶやいてくださった、そういうひとつひとつの力がぼくらを東京にまで連れて来てくれたのかなと思っています」とSNSなどでの拡散に感謝しました。
アイドルグループのプロデューサー・秋山を演じた井上裕基さんは「ビラ配りをさせていただいているときも、お客さんも劇場の方もすごいあたたかいなと思って、本日もこれだけ来てくださってほんとに感謝感謝なんですけど」と感謝の一方で「ぼくらがなぜ東京に来たかといいますと、監督の借金を返すために来ました」と、監督が映画制作や宣伝、さらに船を借りてのクルージングイベントまで開催したため「さまざまな借金が入り混じりまして膨大なことになっております」と、映画の内容とは違った意味で衝撃的な発言。場内の笑いの中、松本監督も「“監督の借金のため”と言っている程度のモチベーションではぼくの借金は減らないです。自分がここで一発当ててやるんだという気持ちでやってもらわないとぼくの借金も減っていかないので、みなさんよろしくお願いしますよ」とキャスト陣に呼びかけ、改めて映画のヒットへ向けた決意を表明しました。
優花たちのグループのマネージャー・相川梢役の合田温子さん
優花推しのアイドルファン・加藤淳を演じた近藤知史さん
アイドルグループのプロデューサー・秋山快役の井上裕基さん
優花と同じアイドルグループのメンバー・里奈役のmayuさんは「東京に来たら都会すぎて、なんてビルが多いんだろうとビックリしたんですけど、それよりもこんなにたくさんの方が来てくださったということに一番ビックリしました。そしてすごく嬉しいです。『みぽりん』って、私は正直けっこう好き嫌いが分かれっる映画かなと思うんです。でも私はほんとにもう大好きで、すごく大切な作品で、がんばってよかったなと思いました。よければこれからも応援してください」と声をつまらせながらコメント。
本業はヘアメイクで『みぽりん』にもスタッフとして参加していたところ、監督に「ちょっと出てみませんか?」と言われて強い印象を残すキャラクター・某(なにがし)役で出演もすることになったという篁怜さんは、松本監督が「ホラーの要素が少なかったからホラーの要素が欲しかった」という理由で出演を依頼していたと知り「最初に“ありのままの怜さんでいいので”と言われていたので、この人(松本監督)には私がどう見えているんだろう」と思ったと話して客席の笑いを誘いつつ「いまここに立てているのがすごく嬉しいです」と涙を浮かべながらあいさつしました。
優花と同じグループのアイドル・木下里奈役のmayuさん
詳細は書けないキャラクター某(なにがし)役の篁怜さん
イベントなどで披露されてきた主題歌を担当する片山大輔さん
舞台あいさつはキャストのコメントだけにとどまらず、イベントなどで披露されてきた主題歌のライブもおこなわれました。主題歌の作者・片山大輔さんは女性キャストの8割が泣くという状況の中「やりにくいわ!」と言いながら登場して笑いを誘うと、キャストとともに主題歌を生で披露。歌披露の前には垣尾さんによる客席への振付指導もおこなわれ、歌とダンスで会場は大いに盛り上がりました。
片山大輔さんとキャストによる主題歌ライブは、キャストが客席にまで降りてまさに劇場全体を熱く盛り上げました。左より、舞台上の津田晴香さん、垣尾麻美さん、片山大輔さん、mayuさん
現在のアイドルシーンへの風刺やかつてのさまざまなジャンルの映画へのオマージュも込められ、ラスト10分には怒涛の展開が待つ『みぽりん』は、12月21日(土)より池袋シネマ・ロサにて3週間上映。上映期間中には監督・キャストによるイベントが連日予定されています。
みぽりん
- 監督:松本大樹
- 出演:垣尾麻美 津田晴香/井上裕基 合田温子 近藤知史 mayu ほか
2019年12月21日(土)より 池袋シネマ・ロサにて3週間上映