松本動(まつもと・ゆるぐ)監督『星に語りて~Starry Sky ~』の公開を記念し、同作と松本監督の短篇4作品を上映する特集上映がマイクロシアター・高円寺シアターバッカスで7月6日・7日に開催されます。
松本動監督は、フリーの助監督として活動し、大林宣彦監督『花筐/HANAGATAMI』監督補佐・予告編制作などを経て、2019年に初の劇場長編となる『星に語りて~Starry Sky ~』が公開。アップリンク吉祥寺では好評により当初の上映期間を延長し3週にわたり上映されました。また2015年以降は短篇作品も精力的に発表しており、国内外の映画祭で受賞するほか海外での特集上映がおこなわれるなど注目を集めています。
今回の特集上映では長編『星に語りて~Starry Sky ~』をプログラムA、短篇4作品をプログラムBと、ふたつのプログラムに分けて上映されます。
プログラムAの『星に語りて~Starry Sky ~』は、東日本大震災の際の障害者と支援者の状況を取材に基づいて描いた松本監督初の劇場長編作品。名作「どんぐりの家」で知られるマンガ家の山本おさむさんが脚本を担当しており、実際の障害者の方々が俳優として起用されているのも注目点です。
プログラムBは『ミックス』(2015年)、『ガチャガチャ /GACHA GACHA』(2016年)、『公衆電話』(2018年)、『カセットテープ』(2019年』の短篇4作品。
『ミックス』は、ある場所を目指す5歳の少女と、偶然に少女に出会った会社員のふたり旅を描いた作品。『ミックス』単体でも完結していますが、ひとりの少女が成人するまで5年おきに4本の短篇を作る意欲的なプロジェクトの第1章でもあります。
『ガチャガチャ /GACHA GACHA』は、冴えないアラサー女子を主人公に、不思議な男から「ドラマのヒロインになれる」というガチャガチャを勧められたことで思わぬ方向に進む彼女の運命を描いていきます。いまおかしんじ監督『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』(2011年)の正木佐和さんが主演をつとめるほか「ウルトラマンオーブ」ジャグラスジャグラー役の青柳尊哉さんらが出演しています。
『公衆電話』は、あるOLの携帯に公衆電話からの着信が入ったことから始まる、不器用な父と娘の一夜のストーリー。菅井玲さんが娘、入江崇史さんが父親を演じており、翌年制作された『カセットテープ』は、同じ父娘が再登場し、結婚の決まった娘とその父のささやかな物語が描かれます。
『公衆電話』が国内外30以上の映画祭で上映され3つのグランプリを含む11冠を獲得しているのをはじめ、短篇4作品はいずれも高い評価を受けており、今回の特集上映はその作品を一度に観られる機会となっています。
会場となる高円寺シアターバッカスは、前身の「高円寺アンノウンシアター」から名称を変え今年1月にリニューアルオープンしたマイクロシアター。
座席数35席と小規模ながら快適で鑑賞しやすい劇場で、ワークショップや現役映画人による講座などもたびたび開催されており、今回の松本動監督特集上映でも、最終上映回後に監督を囲む会がおこなわれるほか、全上映会でトークショーなどのイベントが開催される予定です。
上映は、7月6日(土)にプログラムA・B各2回ずつ、7日(日)はA2回、B1回で上映。各回とも1000円+ワンドリンク(500円~)制で、ネットでチケット予約ができるサイト・Peatixで現在予約が受け付けられています。