舞台あいさつをおこなったキャストとスタッフ。後列左より、ナナ・ブランクさん、望月オーソンさん、飯島珠奈(いいじま・しゅな)さん、川口高志さん、アンシュル・チョウハン監督、茂木美那プロデューサー。前列左より、清水拓蔵さん、山田太一さん、マックス・ゴロミドフ撮影監督、米元信太郎さん、古越健人さん
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外国人クルーと日本人俳優によって制作され国内外の映画祭で高い評価を得ている『東京不穏詩』が1月18日にシアター・イメージフォーラムで初日を迎え、主演の飯島珠奈さんほか出演者とアンシュル・チョウハン監督らが舞台あいさつをおこないました。
インド出身のアンシュル・チョウハン監督の初長編作品となる『東京不穏詩』は、恋人に裏切られ女優となる夢も閉ざされて東京から故郷に戻った主人公・ジュンの姿を通して、人間の中に潜む衝動を描いた作品。2018年開催のブリュッセル・インディペンデント映画祭でグランプリを受賞したほか、主演の飯島珠奈さんが2018年の第13回大阪アジアン映画祭など3つの映画祭で最優秀主演女優賞を獲得するなど各地の映画祭での高評価を得て日本公開を迎えました。
舞台あいさつは茂木美那プロデューサーが司会と通訳を担当して進行。上映後の舞台あいさつとあって質疑応答の時間が設けられ、画面のサイズが4:3スタンダードサイズである理由を質問されたアンシュル・チョウハン監督は「背景が見えなくなってキャラクターにフォーカスしたものになるので感情が伝わりやすい」と意図を説明しました。
また監督は撮影中の大変だったことを質問されると、飯島珠奈さんが演じた主人公・ジュンの部屋の撮影の際にトラブルがあり、監督と茂木プロデューサー、撮影監督と制作マネージャーの4人が警察に事情を聞かれる事態があったことを明かしました。
キャストも撮影中のエピソードを紹介し、ジュンが地元で再会する旧友・ユウキを演じた川口高志さんは、アンシュル・チョウハン監督がトリックで俳優を騙すような演出をおこなうため「撮影のときは大変だったし、どんな罠が潜んでいるかと半分楽しみにしていた部分も」あったと振り返りつつ、完成した作品を観て「この演出はアンシュルの演出が生み出したものなんだなって、最終的にはハッピーになる感じでした。素晴らしい演出だったなって」と、監督の演出を経験しての感想を述べました。
舞台あいさつの最後に飯島珠奈さんは「撮影してから3年近く、映画祭も回ってようやくこうやって劇場公開にこぎつけた作品です。映画は毎日のようにすごくいっぱい生まれますけれども、でも劇場公開されるのはそのうちの限られたものだというのを、とても身にしみて感じました。キャストもクルーも一生懸命、全身全霊込めて身を振り絞った作品ですので、もし少しでも好んでいただけたら、いろいろな人に伝えていただけると嬉しいです」と公開初日を迎えた心境を語り、アンシュル・チョウハン監督は劇場公開までに関わった関係者への感謝も述べて舞台あいさつを締めくくりました。
東京、そして地方を舞台に人々の衝動を描き、日本映画界に新風を吹き込む『東京不穏詩』は、1月18日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて公開のほか全国順次公開。シアター・イメージフォーラムでは連日ゲストを迎えてのトークショーが開催されます。