舞台あいさつをおこなった東海林毅監督(左)と橋本梨菜さん。橋本さんは撮影以来初めて着るという劇中衣裳で登場
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グラビアアイドルの橋本梨菜さんが“グラビアアイドル役”で初の映画主演をつとめた『はぐれアイドル地獄変』が9月12日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、橋本さんと東海林毅監督が舞台あいさつをおこないました。
大阪出身で健康的に日焼けした肌で「なにわのブラックダイヤモンド」の愛称を持つ橋本梨菜さんの初主演作『はぐれアイドル地獄変』は、雑訴「漫画ゴラクスペシャル」(日本文芸社)連載の高遠るいさんによる同名セクシーコメディマンガの映画化。空手の達人で歌手を目指す沖縄出身のグラビアアイドル・南風原海空(はえばる・みそら)が、芸能界で生き残るため奮闘する姿が描かれていきます。
映画への出演自体が初めてで、主演の話があったときは「ドッキリくらいの感じで、まさかという感じでした」という橋本さんは、最初は原作のセクシーな内容に「私、ホンマにこの役やるんかな? みたいな気持ちでした(笑)」と明かしつつ、主人公・海空が内面的にも強い女性であるところが橋本さん自身とは「まったく真逆」で「尊敬できる部分」と感じ「自分以外の誰かがこの役をやるというのは絶対に嫌やなと思ったので、すぐに“やります!”というふうに答えました」と、海空役を受けたときの心境を振り返りました。
東海林毅監督は、原作の南風原海空が褐色の肌のグラビアアイドルという設定のため「逆に橋本さん以外だったら誰ができるのかって」と橋本さん起用について話し、原作では超人的な強さを見せる海空を実写で成立させる上で「(橋本さん)ご本人が現役のグラビアアイドルで、劇中の南風原海空も現役のグラビアイドルなので、その共通点を最大に活かして撮るべきじゃないかなというふうに考えました」と実写映画化にあたってのポイントを挙げました。
映画では、海空が過酷な条件を賭けて100人を相手に闘う「百人組手」が見せ場となっており、橋本さんは「3ヶ月くらいアクションレッスンに通って、琉球空手の先生に琉球空手を教えてもらって、型を付けてもらって」臨んだその撮影について「自分も体ボロボロなくらい(相手の)パンチも当たってましたし、たぶん(橋本さんも相手に)当ててるんですよ、お互い(笑)。でもそのときはまったく痛くなくて、とにかくよりリアルに撮っていただけるように自分もギリギリのところを攻めて闘ったり」とコメント。
東海林監督は、格闘技経験のない橋本さんがアクションに挑むことに不安はあったものの「最初に運動のテストみたいなことをアクション監督とやったんですけど、実は(橋本さんの)動きがすごくよくて、これは鍛えれば成立するなというのはみんな共通の見解としてあったんです」と話し「ただ、リアルなグラビアアイドルの橋本さんが劇中でもグラビアアイドルを演じてリアルに格闘をやっていくとなったときに、それをどうリアルに見せていくか。そこからが大変だったんですよね」と、リアルに見せるための手法に工夫もあったと説明。監督はさらに撮影の前日に丸一日かけて百人組手の通しリハーサルをおこなった上で撮影に臨んだことを明かし「ぼくら(スタッフ)がどうこうというよりは橋本さんがほんとにがんばったところなので、みなさん見逃さずに観ていただきたいなと思いますね」と強調しました。
そんなアクション撮影のハードさをうかがわせる発言の一方で橋本さんは、百人組手で闘う相手の男優陣がブリーフ姿のため「すごい寒い中みんなブリーフで正座して待っていて、現場はカオスでしたね(笑)」という裏話も付け加え笑いを誘いました。
道着を脱いで作品を観るとわかるというポーズを決める橋本梨菜さんと、東海林毅監督
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演技もほぼ初めてだった橋本さんは、海空が涙を流すシーンでうまく泣けず「うまくできなくて“もう1回やりたいです”と言ってる自分がメッチャ泣いてたんですよ。そのシーンではうまく泣けないのに(笑)。そしたら(監督が)“そういうのはすぐ言ってくれていいから。もう1回やりましょう”みたいに言ってくださって」と、初めての映画の現場で印象に残ったエピソードを披露。
現場は「すごい順調」だったという東海林監督は「映画の撮影では深夜までやってまた5時に集合みたいなことがざらにあるんですけどそれが一切なく、ほぼ毎日オンタイムで終わって家に帰って寝られるという素晴らしい撮影だったんです。それは橋本さんがセリフを全部を入れてくれていたというのがあるんです」と、撮影前に伝えた主役の心構えを実践した橋本さんに「ほんとに感謝しています」と、橋本さんの撮影への姿勢を紹介しました。。
そして、橋本さんは「ちょっとエッチなアクションの映画だって私は思っているんですけど、それだけじゃなくて愛情もたくさんあったりとか、元気になるようなシーンもたくさんあって、ホロっと涙が流れるようなシーンもあるので、そちらも楽しみに観ていただきたいです」、東海林監督は「いわゆる劇映画なんですが、いまの橋本さん自身のキャラクターというか本人の考えていることみたいなものが作品の中ところどころに出ていると思うんです。ぼくは手応えを感じています」とそれぞれ作品をアピールし「アクションの練習続けておきます(笑)」(橋本さん)「シリーズ化できるように観終わったあと拡散していただけると」(東海林監督)と、続編への意欲も。
また、公開翌日の9月13日は橋本さんの27歳の誕生日ということで、橋本さんは「26歳のときに今後どういうお仕事をしたいかというときに、映画をやったことないのでチョイ役でもいいので映画に出てみたいという夢はあったんですけど、まさかまさかそれが叶えていただいて、しかもちょうど26歳最後の日に公開できるというのも、ほんとに嬉しく思います。明日から27歳になるんですけど、まずこの映画がとにかく大ヒットすることを願っています。それから、いまは普段のような楽しいイベントみたいなのが難しい状況ではあるんですけども、また応援してくださっているみなさんと楽しいイベントなどができたらいいなと思っています。そのために、自分のお芝居も、もちろんグラビアももそうなんですけど、パワーアップできるように、素敵な女性になれるように、自分を磨く1年にしたいと思います」と、27歳への意気込みを語って舞台あいさつを締めくくりました。
エンターテイメント作品のほかアート色の強い作品を手がける映像作家としても活躍する東海林毅監督、数々の作品に参加する小原剛アクション監督らの精鋭スタッフと、文字通り体当たりで作品に挑んだ橋本梨菜さんが“超問題作”と言われた原作を見事に実写化した『はぐれアイドル地獄変』は、9月12日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開中です。