白づくめのいでたちで横浜の町に立ち、多くの人に知られた伝説の老婦人「ヨコハマのメリーさん」の実像に迫ったドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』が、10月に横浜と東京でリバイバル上映されます。
銀幕でメリーさんに会える! ドキュメンタリー『ヨコハマメリー』横浜・東京で10月リバイバル上映
『ヨコハマメリー』は、かつて白く化粧した顔と貴族のような白い服という姿で横浜の伝説的存在となった女性・メリーさんの知られざる軌跡を、横浜育ちの中村高寛監督が追ったドキュメンタリー映画。さまざまな人々の証言や取材により知られざるメリーさんの姿を浮き上がらせた同作は2006年に劇場公開され、新宿や横浜の劇場では連日長蛇の列ができるヒットを記録しました。
メリーさんが忽然と姿を消した1995年から25年の年でもある今年2020年、映画の完成から15年を記念してのリバイバル上映が決定しました。
メリーさんゆかりの横浜では横浜シネマリン(10月3日(土)より16日(金))とシネマ・ジャックアンドベティ(10月17日(土)より30日(金))、東京ではアップリンク渋谷(10月9日(金)より22日(木)まで)で上映されます。
リバイバル上映にあたり、中村監督は以下のようにメッセージを発表しています。
中村高寛監督からのメッセージ
メリーさんがヨコハマから去って、今年で25年が過ぎた。
全身真っ白の老女、まさに都市伝説に出てくるような人で、街の有名人だった。
しかし、彼女がどこから来て、どこへ消えていったのか?誰も知らない。
それが面白くて、私は映画を撮り始めた。
そして2005年に完成(公開は06年)すると、多くの観客が劇場に詰めかけ、予想外の反響があった。あの「メリーさんは何だったのか?」を知りたかったのかもしれない。
それから15年が経った。主な舞台となった伊勢佐木町を歩いても、映画の中の景色は殆どが消え去って「メリーさん」を知っている人たちも少なくなった。
メリーさんが去った年に生まれた子が、25歳になるのだから当然のことで「メリーさんって誰?何?」という反応ばかり……。
でもあのインスタ映えする容姿、風貌をみて、ちょっとでも引っかかったのならば、ぜひ観にきてほしい。SNSなどではお目にかかれない、貴重な映画体験になるかもしれない。
また、リバイバル上映に先駆け、中村監督が執筆し2017年に出版された映画と同題の書籍「ヨコハマメリー」が8月下旬に文庫化されています。
河出文庫「ヨコハマメリー」
- 著者:中村高寛(映画『ヨコハマメリー』監督)
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- 河出文庫 な41-1
- 文庫判/384ページ
- ISBN:978-4-309-41765-3
- 発売日:2020年8月27日発売
- 定価1078円(本体980円)
「メリーさんがいたヨコハマ」を映像に収めた『ヨコハマメリー』は、メリーさんの軌跡であると同時に、もう戻っては来ない時代の記録でもあるかもしれません。
メリーさんのいたころとは年号も変わった現在、ぜひ劇場でメリーさんに会ってみてください。
ヨコハマメリー
- 出演:永登元次郎 五大路子 杉山義法 清水節子 広岡敬一 団鬼六 山崎洋子 大野慶人 福寿祁久 松葉好市、森日出夫 ほか
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- 監督・構成:中村高寛
- 企画・制作:人人FILM
- プロデューサー:白尾一博/片岡希
- 撮影:中澤健介/山本直史
- 編集:白尾一博
- MA:濱田豊/Prestage
- 音響効果:齊木琢磨
- 音楽:Since(コモエスタ八重樫+福原まり)
- テーマ曲:「伊勢佐木町ブルース」歌唱:渚ようこ
- 写真:森日出夫
- 宣伝美術:鈴木一誌
- イラスト:宇野亜喜良
- 2005年/カラー/スタンダード/92分
10月3日(土)~16日(金) 横浜シネマリン
10月17日(土)~30日(金) シネマ・ジャックアンドベティ
10月9日(金)~22日(木) アップリンク渋谷
にてリバイバル上映