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PFFアワード2020グランプリ受賞作『へんしんっ!』が“オープン上映”で6月下旬より劇場公開

 PFFアワード2020でグランプリを獲得した石田智哉監督『へんしんっ!』が6月下旬より日本語字幕・音声ガイド付きの“オープン上映”で劇場公開されることが発表されました。

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『へんしんっ!』より。右が石田智哉監督

 『へんしんっ!』は、自らも電動車椅子を使い生活する石田智哉監督が「しょうがい者の表現活動の可能性」を探っていくドキュメンタリー映画。
 さまざまな人と創作活動をおこなうダンサー、演劇や朗読で活動する全盲の俳優、読み聞かせなどで手話の魅力を伝えるろうのパフォーマーへの取材を重ねていく過程で自らパフォーマーとして舞台に立つことになる石田監督の姿や、取材の中で変化していく映画の作り方が映し出されていきます。
 立教大学現代心理学部映像身体学科の学生であった(現在は同大学院修士課程在学中)石田監督が学部の卒業制作として制作した初監督作品であり、同学科の第2回スカラシップ助成作品。同学科第1回スカラシップ助成作品で第32回東京国際映画祭で上映され話題となった『サクリファイス』(2019年)の監督・壷井濯さんと撮影・出演の柗下仁美さんも、一部の撮影担当として参加しています。

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『へんしんっ!』より

 第42回ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード2020コンペティション部門に出品され、最終審査員の大森立嗣監督に「とにかく興奮しました。映画をつくる楽しみが、画面全体から伝わってきました」(※講評抜粋)と評されるなど多くの映画人から好評を得てグランプリに輝いた作品が、ついに6月下旬より東京のポレポレ東中野とシネマ・チュプキ・タバタを皮切りに一般劇場公開を迎えます。

 劇場公開にあたっては「どのように届けるかにも思いが込められる」という石田監督の意向により“オープン上映”というかたちがとられます。これは端末機器などを用いて字幕や音声ガイドを提供する“バリアフリー上映”とは異なり、スクリーンに日本語字幕を投影し劇場スピーカーから劇中音声とともに音声ガイドを流すもの。石田監督はこの上映形式について「本作における、日本語字幕と音声ガイドは、この映画制作で自分が探究し、掴んでいったものを 『自分なりに表現する』には不可欠なものとなった。この上映の形に、驚きや戸惑いが生じるかもし れない。だが最後まで、観たときに何らかの引っかかりや新しい感覚、面白さを感じてもらえたなら ば、作り手として、これほどうれしいことはない。」と語っています。

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『へんしんっ!』より

 劇場公開の発表にあわせてメインヴィジュアルも公開されました。このヴィジュアルはグラフィックデザイナーの成瀬慧(なるせ・けい)さんがデザインを担当。アートユニット「小森はるか+瀬尾夏美」の最新監督作『二重のまち/交代地のうたを編む』(2019年)や大ヒットを記録したドキュメンタリー『人生フルーツ』(2016年/伏原健之監督)の宣伝美術、コロナ禍の中で立ち上げられた配信サービス「仮設の映画館」ロゴ制作など、数々の映画に携わる気鋭のデザイナーによるヴィジュアルは、ポップな色使いが印象的です。

 作品の内容だけでなく、上映のあり方までもがメッセージを伝える『へんしんっ!』は、劇場公開に向けて公式サイトが開設されたほかTumblrfacebookTwitterでも公式アカウントがスタートしました。各SNSなどでいよいよ一般公開を迎える意欲作の情報をチェックしましょう。

へんしんっ!

  • 出演:石田智哉 砂連尾理 佐沢(野﨑)静枝 美月めぐみ 鈴木橙輔(大輔) 古賀みき

  • 監督・企画・編集:石田智哉
  • プロデューサー・録音:藤原里歩
  • 撮影:本田恵/壺井濯/柗下仁美
  • 整音:橋本昌幸
  • 字幕監修:北川光子/木山直子/佐沢(野﨑)静枝
  • 音声ガイド制作:鈴木橙輔(大輔)/美月めぐみ/平塚千穂子
  • ナレーション:ぺんぺん
  • 協力:バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり/立教大学しょうがい学生支援室/立教大学ボランティアセンター/バリアフリー映画上映会実行委員会 ほか
  • 指導教授:篠崎誠

  • 2020年/94分

  • 第42回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2020 グランプリ受賞作品
  • 第2回立教大学映像身体学科学生研究会スカラシップ助成作品

2021年6月下旬 ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタにて公開、ほか全国順次

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