今関あきよし監督が、復興10年目の釜石を元気にするために製作する『喜劇 釜石ラーメン物語』の製作支援クラウドファンディングが6月16日よりおこなわれています。
1982年に『アイコ十六歳』でプロの監督としてデビューして以降さまざまなジャンルの作品を監送り出し、近年は原発事故を題材とした『カリーナの林檎~チェルノブイリの森~』(2011年公開)を皮切りにした東ヨーロッパロケの三部作、台湾を舞台にした『恋々豆花(れんれんどうふぁ)』(2019年)と、海外での映画作りを続けてきた今関あきよし監督が、久々に日本国内を舞台に映画を製作します。
今関監督が舞台に選んだのは、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市。2014年に初めて訪れて以来、毎年釜石を訪れ町の復興を見続け地元の人々との交流も深めてきた今関監督は、映画で釜石を元気づけられないかと試行錯誤を重ねる中で「釜石ラーメン」に着目。
極細の縮れ麺と淡麗な醤油味スープが特徴の釜石ラーメンは、近年全国でも知名度を上げつつあります。今関監督は、この釜石ラーメンを出す小さな中華食堂を舞台にしたドタバタ家族ドラマの製作をスタートさせました。
今関監督は“田舎町の「寅さん」のようなタッチで、都心では失われつつある人情劇を、昭和を回顧するのではなく、昭和のうざったい温かさを、この釜石の町で映画にしてみよう!と決めた。映画が釜石の町で公開され、全国で公開され、釜石を日本をちょいとだけでも元気にしたい!”と映画製作への想いを発表しています。(※今関監督のコメント全文はクラウドファンディングサイトに掲載)
釜石と今関監督を結びつけプロデューサーをつとめるのは、森川葵さんと菅田将暉さんと森川葵さん主演の『チョコリエッタ』(2015年/風間志織監督)などのプロデュースを手がける伊藤直克さん。
脚本は2002年の『十七歳』以降のすべての今関監督の劇場作品の脚本を担当しているいしかわ彰さんが担当、撮影は『カリーナの林檎~チェルノブイリの森~』やテレビドラマで今関監督作品に参加し『この空の花 長岡花火物語』(2012年)から『海辺の映画館 キネマの玉手箱』(2019年)まで故・大林宣彦監督の監督作に参加し近年の大林映画を支えてきたカメラマンの三本木久城(さんぼんぎ・ひさき)さんが担当と、今関監督と永く組んでいる精鋭スタッフが揃いました。
また、映画製作にあたっては釜石市出身で釜石応援ふるさと大使をつとめる画家の石森寛さんも企画に賛同。
さらに今関監督と野田武則釜石市長が面会し釜石市の全面協力が得られています。
クラウドファンディングは、映画関連のクラウドファンディングで豊富な実績を持つプラットフォーム・MOTION GALLERYで6月16日よりおこなれています。
支援は一口5000円から可能で、支援のリターンにはスタッフからの感謝メッセージやエンドクレジットへの名前掲載、サイン入り台本など、映画のリターンとしては定番のもののほか、釜石の特産品やインスタント釜石ラーメンのセット、劇中で使われる映画オリジナルのどんぶりなど、この作品ならではのリターンも用意。
そのほか、撮影現場に差し入れができるというユニークなかたちで映画作りに参加できるコースや、企業向けに今関監督へのCM製作依頼権も用意されています。
『喜劇 釜石ラーメン物語』は、復興10年目となる2021年中の撮影を目指し、今年8月にメインキャストを決定し10月の撮影を予定。2022年に完成、2022年8月の釜石での先行上映、9月から10月の全国公開が予定されています。
復興半ばの釜石を応援してい、うまい釜石ラーメンを有名にしたいという釜石応援映画ププロジェクト『喜劇 釜石ラーメン物語』のクラウドファンディングは8月31日まで、目標額達成の如何にかかわらず期限までに集まった額がファンディングされる方式で実地中。
今関監督が“宝石箱のようなロケーション”と評する岩手県釜石市で作りあげる人情喜劇映画の今後の情報に注目です。