舞台あいさつをおこなった吉田蒼さん、鈴木まゆさん、木場明義監督、中山雄介さん、吉見茉莉奈さん(左より)キャスト4人は劇中でも披露しているポーズ!
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国内外の映画祭で好評を得た短編コメディを長編化した『サイキッカーZ』が1月15日に池袋シネマ・ロサで初日を迎え、出演者の中山雄介さん、吉見茉莉奈さん、鈴木まゆさん、吉田蒼さんと木場明義監督が舞台あいさつをおこないました。
長編『サイキッカーZ』は、特殊だけど微妙に使いどころのなさそうな能力を持つ超能力者のグループ・サイキッカーZの奮闘を描く“脱力系サイキックアクションコメディ”。2016年に制作され第1回四日市映画祭でグランプリを受賞するなど国内外の映画祭で上映・受賞してきた同名短編コメディを長編化した作品で、サイキッカーZと彼らを狙う超能力者グループの闘いを軸に、短編版からスケールアップしたストーリーが展開していきます。
公開初日の客席には短編版から応援しているという方々も多く人気の高さをうかがわせましたが、木場明義監督は「“長編版を観たい”とか“長編を作りましょうよ!”という声がある中、ぼくは全然乗り気じゃなかった(笑)」と告白。ひとつのアイディアで押し切るような作品だった短編をどう発展させるか難しさを感じつつも「なんにも思いつかないのも悔しいんで話を考えていたら、けっこういろいろとストーリーも広がりまして、これは面白くなるなっていう段階まで行って“長編化やるぞ”って決めました」と、長編に至る道を振り返りました。
短編版に引き続きサイキッカーZのリーダー・アキラを演じた中山雄介さんは、最初に長編版の脚本を読んだときに「もう、まるまるそのまま中山雄介じゃないかというくらい木場監督がぼくに当て書きをしてくれていて、これはそのまま自分でアキラをやればいいんだ」と、アキラは中山さん自身だという気持ちで撮影に臨んだそうですが、完成した作品を観ると「(アキラが)木場監督に見えることが多々(笑)」あったため「アキラっていう役はぼくじゃなくて木場監督自身のことなんじゃじゃないかな」と思ったと感想を。
その中山さんの言葉に共演の吉見茉莉奈さんは「あれですか、ちょっと夫婦とか似てくると言うじゃないですか。そういう感じですか?」。中山さんが「我々も付き合い長いもんでね(笑)」と答える一方で木場監督は「ないよ(笑)」ときっぱり否定し「脚本はどうしても自分を投影するんですよ。アキラはやっぱり中山くんにしかできない役だから。それはもう観てもらえればわかる」と、アキラに中山さんの個性が反映されていることを強調しました。
フォトセッション時以外は劇場でも販売中の『サイキッカーZ』マスクを付けてトーク。左より鈴木まゆさん、吉見茉莉奈さん、中山雄介さん、木場明義監督
アキラの幼なじみである能力者のハルカを演じた吉見茉莉奈さんは、撮影中、帰りの方向が同じ中山さんに車で送ってもらう途中、共通の趣味である「怖い話とか都市伝説、未解決事件の話」で盛り上がったのが「いい思い出です」とコメント。
やはりサイキッカーZのメンバーのセイコを演じた鈴木まゆさんは、映画の中でハルカが身につけているデコレーションされたアイテムを木場監督が「女子ってこういうの好きでしょ!?」と自信満々に見せてきたとき「古いなあというか、ちょっと遅れてんなあ(笑)」と思ったと手厳しい指摘で会場の笑いを誘い、吉見さんは画面にはあまり映っていないというそのアイテムについて「そこにばっかり注目しちゃうと内容が見えないので、2回目とか3回目くらいに目を凝らして観てください」とアピール。
アキラと過去に因縁を持つ能力者・リョウコを演じた吉田蒼さんは、公開前に映画を宣伝する際「いい大人たちの真剣な悪ふざけを煮詰めたような、しょうもない、くだらない、でもあったかい映画です」と表現していたと話し「ご覧になっていただいたらわかると思うんですけど、不器用な人間たちが一生懸命生きて、だからこそそれが滑稽であったりちょっと切なかったりする映画ですので、そんなところをみなさんに観ていただけたら嬉しいです」と作品の魅力を語りました。
舞台あいさつは、登壇者それぞれのコメントで締めくくられました。
「改めまして、こんなにたくさん来ていただいてありがとうございます。ずっとぼくが宣伝している間も応援してリツイートしていただいたみなさんもありがとうございました。おかげさまで無事に初日を迎えることができましたが、あとここから4週間(上映期間が)ありますので、よろしくお願いします。映画館というところですので、意外とコメディとかで我慢する方もいらっしゃるかもしれませんけど、遠慮なく笑ってくれたらぼくたちも嬉しいので、笑っちゃってください」(木場明義監督)
「『サイキッカーZ』というのは、もう6年くらい前に木場監督と愉快な仲間たちと一緒に楽しく笑いながら作ったのが一番最初で、それがときを経て長編化されて、こうして映画館で上映されるという機会をいただけて、ほんとに嬉しく思っています。そういうのも全部『サイキッカーZ』に関わってくれたみんなと今日ここに来てくれたみなさまのおかげだと思っております。ありがとうございます」(中山雄介さん)
「私は長編版から仲間に入れていただいたんですけど、今日まで宣伝をさせていただいて、短編版から見守ってくださっている方がこんなにいっぱいいる映画なんだなとすごい感じまして、観てくださっている方々が愛して応援してくれている映画なんだなと肌で感じて、それがすごいあたたかかったし、私も仲間に入れていただいたのがすごく嬉しかったです。短編版と同じように、この長編版も今後いっぱいみんなが応援したいと思ってもらえるような映画になるといいなと思っているので、今日は最後までいっぱい笑って楽しんでください」(吉見茉莉奈さん)
「今日は公開初日にお集まりいただきほんとにありがとうございます。いまから上映されるんですけど、とりあえずわたし的にはアキラの最初っからのセリフの癖、そういう細かいところから雑なところまで全部笑かしにかかっていくんで(笑)、みなさんぜひ楽しんで観ていただけたらと思います。本日はほんとにありがとうございました」(鈴木まゆさん)
「さっきも言いましたとおり、この悪ふざけを煮詰めたようなこの映画をですね、まずは本編をお楽しみいただいて、帰り道にちょっとだけ“この脱力系サイキックアクションコメディをこんないい大人たちがよってたかって撮ってたんだなあ”と思いながら考えていただいたら、この寒空の中ほんの少し心があたたまるんじゃないかと思いますので、そんな気持ちを持って帰っていただけましたら幸いです。本日はどうぞお楽しみください」(吉田蒼さん)
一生懸命だけどどこかとぼけたアキラたちの姿に笑いつつ、いつの間にか熱い感動が沸き起こる……かもしれない『サイキッカーZ』は、舞台あいさつ登壇者のほか、小島彩乃さん、映画監督としても活躍する安楽涼さん、嶋村太一さんらが出演。池袋シネマ・ロサにて1月15日(土)より4週間限定上映、大阪シアターセブンで2月12日(土)より上映されるほか、全国順次公開予定となっています。