舞台あいさつをおこなった古里静花さん、宮原拓也さん、四本研祥さん、安達勇貴監督、二田絢乃さん、田中一平さん、黒住尚生さん(左より)
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ひと組の恋人の姿を描きTAMA NEW WAVEで特別賞を受賞した『優しさのすべて』が10月1日にシアター・イメージフォーラムで初日を迎え、出演者の二田絢乃さん、田中一平さん、黒住尚生さんと安達勇貴監督らが舞台あいさつをおこないました。
『優しさのすべて』は、東京で暮らすひと組の恋人・マアサとカイが、些細な衝突を繰り返しつつも楽しくそれぞれ自由に生きている日常を映し出していく上映時間51分の作品。2021年に開催された日本映画界の新たな才能にスポットを当てる映画祭・第22回TAMA NEW WAVEで特別賞を受賞するなど各所で高い評価を得て一般劇場公開を迎えました。
マアサ役で主演をつとめた二田絢乃さんは、TAMA NEW WAVEでの上映の際に「客席を見たときに、映画ってこうやって作品と一緒に旅ができるから素敵だなと思いました」と振り返り「その日が旅の出発の日だったと思うんですけど、今日は2日目ですね。この2日目をみなさんと一緒に迎ええられたことを本当に嬉しく思っています」と劇場公開を迎えた心境を語りました。
さらに二田さんは作品について「温かくもなく、冷たくもなく、生ぬるいような温度を感じられる映画だと思います」と表現し「その温度を体感していただけたらすごく嬉しいです」と話しました。
マアサとカイの友人・アキを演じた黒住尚生さんは、シアター・イメージフォーラムでの公開について「思い出のある映画館なので、自分の出演作が、しかもこの『優しさのすべて』という作品がこの劇場で公開してもらったというのは本当に嬉しいです」と喜びを語りました。
スタッフも「自分もスクリーンで観るのは初めてなので、観客の気分で楽しみたいと思います」(撮影:宮原拓也さん)、「この作品に関われたことで自分の人生に於ける映画への関わり方がすごく広がったので、この作品と、仲間に入れてくださった監督とスタッフの映画作りの先輩の方々には感謝しています」(衣裳・助監督:古里静花さん)、「安達監督と一緒に企画を立ち上げて、映画を作ろうと話していて、まさかイメージフォラムで上映できるとは思っていなかったので、とても幸せな気持ちです」(脚本:四本研祥さん)と、それぞれに公開を迎えての心境をコメント。
また、カイ役の田中一平さんは「いまでこそ安達監督とぼくら、すごく仲良くなって」と、撮影期間中にキャスト3人と安達監督で食事に行ったときに、撮影開始からかなり日数が経っていたにもかかわらずまだ監督が打ち解けていなかったという裏話を笑いを交えて披露。
その話に安達監督は、二田さんの「作品と一緒に旅ができる」とい言葉を受けて「旅を通じて、撮影が終わってからより仲が深まるというのは、本当にいいチームだったんだなと、いま思い返すと思うところではあります」と、スタッフ・キャストのチームワークのよさを感じさせました。
安達勇貴監督
『優しさのすべて』には、映画監督の深田晃司さんや前田弘二さん、映画評論家の蓮實重彦さんや森直人さんら、多くの推薦コメントが寄せられており(※映画公式サイトに掲載)、安達監督は「スモールに始まった映画がTAMA NEW WAVEで賞をいただいたりとか、錚々たる方々から熱いコメントをいただいたりとか、たくさんの奇跡が起こって今日の日を迎えることができたというふうに思っているのですが」と話し、キャストとスタッフの力によって映画が「奇跡に見合うだけの作品」になっていると作品に参加した人々に感謝。
そして安達監督は「今日この場所でこの作品を観てよかったなと、5年後、10年後に思ってもらえるような作家としてチームとして、これからもがんばってまいりますので どうぞみなさま、ご支援ご声援のほど、引き続きよろしくお願いいたします」今後への抱負の述べて舞台あいさつを締めくくりました。
東京大学表象文化論コースで学んだ1997年生まれの新鋭・安達監督をはじめ、20代・30代前半の若いスタッフ・キャストが作り上げた現代の恋愛の映画『優しさのすべて』は、10月1日より渋谷のシアター・イメージフォーラムでレイトショー上映。上映期間中は連日ゲストを迎えてのトークがおこなわれます。