アーティスト・xiangyuさんや鈴木慶一さんらが出演する東かほり監督の初長編『ほとぼりメルトサウンズ』が2022年夏、新宿K's cinemaほか公開されることが決定し、東監督自身によるポスターヴィジュアルが解禁されました。
短編『土曜日ランドリー』(2017年)『湯沸かしサナ子、29歳』(2019年)が各地の映画祭で高評価を得ている東かほり監督の初長編となる『ほとぼりメルトサウンズ』は、注目を集めるアーティスト・xiangyu(シャンユー)さんの、ある町で出会った人々との交流記録をもとにした劇映画。
祖母の家だった空き家を訪れた主人公・コトが、庭に住み着いた老人・タケの“音の墓”を作る作業を手伝う中で体験する、不思議な生活が描かれていきます。
昨年12月から今年1月にかけて開催された音楽×映像の祭典「MOOSIC LAB[JOINT]2021-2022」でお披露目され好評を博し、待望の単独一般劇場公開が決定しました。
人気音楽ユニット・水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさんのサウンドプロデュースで音楽活動をおこなうxiangyuさんがコトを演じて主演をつとめるのに加えてケンモチさんとともに音楽も担当。
さらに、デビュー46周年を迎えなお精力的に活動するバンド・ムーンライダーズのメンバーでソロやユニットでも活動、北野武監督『座頭市』(2003年)『アウトレイジ 最終章』(2017年)で2度の日本アカデミー賞最優秀音楽賞に輝くなど数々の映画で音楽を担当し、映画出演も多いミュージシャンの鈴木慶一さんが老人・タケを演じます。
そのほか、2020年の話題作『アルプススタンドのはしの方』(城定秀夫監督)や公開を控えた『階段の先には踊り場がある』(2021年/木村聡志監督)いまおかしんじ監督の新作『神田川のふたり』など出演作が続く平井亜門さん、東監督とともに『湯沸かしサナ子、29歳』を共同製作し主演もつとめた監督の盟友といえる女優の宇乃うめのさん、数多くの作品に出演する名バイプレイヤーの坂田聡さんら、多彩なキャストが揃っています。
解禁されたポスターヴィジュアルは、デザイナーとしても活躍する東監督自身がデザインしたもので、xiangyuさん演じるコトと、鈴木慶一さん演じるタケが公園で音を録音する姿をメインに、xiangyuさんによる劇中イラストや、印象的な「どうしても、届けたい音がある。」というコピーが配置されています。
東監督は、公開決定にあたり次のようにコメントを発表しています。
東かほり監督コメント
このご時世で、生きること、死ぬことについて考えることが多くなりました。この映画のテーマの1つになっています。企画を進める上でたくさんの方の家族の話を聞かせてもらうようになりました。それぞれの家のルールがあったり、食べ物の食べ方にも違いがあったりと様々な家庭の想像をする中で、不思議な人が夢に出てくるようになりました。みんな何か意味深なことを言うのです。そういう人達も脚本にいれながら今の自分の感性を映画にできたこと、関わってくださった方々全員に感謝しています。
そして、この映画は生活の音を集めるシーンが出てきます。
音を通じて家族との思い出や、これからの人生を少しでも想像していただけたら嬉しいです。
3月10日より20日まで開催中の第17回大阪アジアン映画祭ではインディ・フォーラム部門の企画「焦点監督」として本作『ほとぼりメルトサウンズ』と新作短編『暮らしの残像』が特集上映されるなど、今後の活躍が期待される新鋭監督として注目される東かほり監督が送る『ほとぼりメルトサウンズ』は、2022年夏、新宿K’s cinemaほか劇場公開されます。
『ほとぼりメルトサウンズ』あらすじ
祖母の家だった空き家を訪れるコト(23)。だが様子がおかしい。庭には見知らぬダンボールハウスが建ち、妙な老人が住み着いていた。街の音を録っては土に埋める〝音の墓〟を作っているという老人。その奇妙な行動に興味を持ち、コトは手伝いを始める。そこへ、家の立ち退きを要請しに訪問者がやってきて...。一冬のコトの“何かイケてる”不思議な生活が始まる。