『ウルフなシッシー』で注目を集めた大野大輔監督の新作で早織さんが主演をつとめる『辻占恋慕』(つじうられんぼ)が5月21日より新宿K's cinemaほか全国順次公開決定し、ポスターヴィジュアルと特報、大野監督と早織さんのコメントが解禁されました。
第18回TAMA CINEMA FORUMでグランプリとベスト女優賞・ベスト男優賞の三冠に輝いた『ウルフなシッシー』(2017年)や、YouTubeドラマから劇場用映画へと発展した松本穂香さん主演『アストラル・アブノーマル鈴木さん』(2018年)など、不器用で癖のあるキャラクターを観客が共感を覚えるようなリアルなセリフややりとりで描き出す鬼才・大野大輔監督。その新作となる『辻占恋慕』は、芽の出ないまま三十路を迎えたミュージシャンの男女が主人公の物語。
ロックデュオのボーカル・岡部信太とシンガーソングライター・月見ゆべしがライブハウスでの共演をきっかけに出会い、やがて信太がゆべしのマネージャーとなり活動していく中で、メジャーに進出したい信太と自分のスタイルを変えたくないゆべしの間の溝が次第に深まっていく過程が描かれていきます。
ギターを抱えフォークソングを歌うシンガーソングライター・月見ゆべしを演じるのは、10代でデビューし主演作『過激派オペラ』(2016年/江本純子監督)など映画やドラマ、舞台と幅広く活躍する早織さん。ギター未経験ながらゆべし役のためにギター練習を積み、吹き替えなしでの演奏シーン撮影を実現させました。
そして、マネージャーに転身してゆべしを支えようとするもどこかすれ違ってしまう信太を演じるのは大野監督自身。「青春の挫折」を描いた『さいなら、BAD SAMURAI』(2016年)と「青春の停滞」を描いた『ウルフなシッシー』と、過去の監督作でも主演をつとめた大野監督が、その2作に連なる三部作となる本作でも引き続き主演をつとめています。
公開決定にあたり、早織さんと大野監督は次のようにコメントを発表しています。
月見ゆべし役:早織さんコメント
公開決定、ありがとうございます。
もう今のわたしには月見ゆべしを演じられないと思います。撮影期間中、心とからだ、そのときのわたしのすべてを注ぎました。 持っていた理想に届かず涙もしました。月見ゆべしはまぎれもなく等身大の自分の姿です。
『辻占恋慕』は観てくださる方にどんな風に映るのでしょうか。人生の上ではわずかかもしれない、でも確かだったあの時間を楽しんでいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
監督・原作・脚本/岡部信太役:大野大輔監督コメント
およそ三年の歳月を経て「辻占恋慕」が遂に完成しました。
コロナ禍もあって製作は難航しましたが、そのおかげで作品のテーマはより重層的なものになったと思います。
何より先の見えない準備期間中、ひたむきに月見ゆべし像を作り上げてくださった早織さんには感謝してもしきれません。
この作品がより多くの人に届くことを心より祈っております。
劇中でゆべしが歌う劇中歌は、出演もした『無限ファンデーション』(2018年/大崎章監督)の音楽を担当しMOOSIC LAB2018長編部門ベストミュージシャン賞に輝いたシンガーソングライター・西山小雨さんが作詞・作曲を手がけており、西山さんは早織さんのギター練習もサポートし、映画本編にも登場。
解禁された特報は、ライブハウスの袖でゆべしが出会ったばかりの信太に「怖くないですか?」と話しかける場面で幕を開け、ゆべしが歌う西山さん作詞作曲の劇中「雨の日」に乗せてゆべしと信太のさまざまなやりとりが映し出されていきます。
またポスターヴィジュアルも、ギターを抱えたゆべしの写真に「すべてのミュージシャンに捧ぐ」とされた激しいメッセージと主題歌「辻占恋慕」の歌詞があしらわれてもの。
ミュージシャンが主人公の映画らしく、特報、ポスターヴィジュアルともに劇中歌・主題歌が大きくフィーチャーされています。