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シアターセブンで連日満席となった梅村和史監督『静謐と夕暮』4月23日より同劇場で1週間再上映

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『静謐と夕暮』ヴィジュアル(※クリックで拡大します)

 今年3月に大阪シアターセブンで公開され連日満席を記録した梅村和史監督の初長編作品『静謐と夕暮』(せいひつとゆうぐれ)が、4月23日より1週間、同劇場にて再上映されます。

 『静謐と夕暮』は、多くの才能を輩出する京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科の2019年度卒業制作として制作された梅村和史監督の初長編作。
 川辺を歩く老人がひとりの女性から渡された原稿に記された内容を読み進むように進行する映画となっており、2020年にはブラジルで開催された第44回サンパウロ国際映画祭新人監督コンペティション部門にノミネートされ正式上映されました。

 主人公のカゲを梅村監督と同じく京都造形芸術大学出身の新人・山本真莉さんが演じ、カゲが出会うキーパーソンである川辺の老人をインディーズ作品も含め多くの作品に出演する入江崇史さんが演じています。

 ほかの監督の作品で音楽を担当することもある梅村監督が脚本・監督に加えて撮影と音楽も担当、主演の山本さんも制作と美術を担当しており、その才能の多彩さを感じさせています。

 2022年1月には東京の池袋シネマ・ロサで国内初の一般公開を迎え、3月には大阪のシアターセブンで公開され全上映日程で満席となる快挙を達成しました。
 その好評を受け、4月23日土曜日より29日金曜日(祝日)まで1週間、シアターセブンで再上映がおこなわれます。

『静謐と夕暮』1週間限定再上映

  • 上映日時:2022年4月23日(土)~29日(金・祝) ※23日~25日は14時45分より、26日~29日は18時30分より上映
  • 会場:シアターセブン(大阪市淀川区十三本町 1-7-27 サンポードシティ 5F)
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『静謐と夕暮』より

 また、『静謐と夕暮』は、『凶悪』(2013年)『孤狼の血』シリーズなどで知られる白石和彌監督が「長期熟成されたウイスキーを味わうように、深く記憶の余韻が広がる映画だ。」と評しているのをはじめ、社会現象となった『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)や近作『劇場』(2020年)など数々のヒット作を送り出す行定勲監督、『夢みるように眠りたい』(1986年)や『探偵事務所5』シリーズなどで知られ京都芸術造形大学で後進の指導にもあたる林海象監督、企画もつとめたオムニバス映画『MADE IN YAMATO』(2021年)の公開を控える宮崎大祐監督、各地で公開中の新作『リング・ワンダリング』(2021年)が好評を得ている金子雅和監督、公開の近づく『流浪の月』(2022年/李相日監督)の音楽を手がける京都在住の音楽家・原摩利彦さんらがコメントを寄せています。

行定勲監督コメント

この映画で描かれた停滞した時間に、どっぷりと浸かって漂った。ただ風が吹き緑が無駄に輝き、人々は生きて同時に死んでいるような時のはざま。主役の山本真莉に宿る虚無を見て、何者でもなかった頃の自分と重なっていった。彼女は原稿用紙に何を記し、何を葬ったのだろうか。あのどこでもない河原にある孤独な魂を見届けながら、過去でも現在でもない時が流れ出し、いつか帰結するところを想像していた。

白石和彌監督コメント

丁寧に積み重ねた映像と丹念に拾い集めた音が静かに人の呼吸を際立たせる。
一輪挿しの花のように孤独な人々を梅村監督は優しいショットで包み込んでゆく。
スクリーンと対峙しながら、いろんな問答を自分と繰り返した。長期熟成されたウイスキーを味わうように、深く記憶の余韻が広がる映画だ。

林海象監督コメント

映画には、見せる映画と見せない映画の二種類がある。殆どの映画は見せる映画であるが、稀に見せない映画が存在する。見せない映画とは、普通は見せてしまう部分を隠し、観客に想像させ感じてもらう映画である。この映画はその稀な映画である。人は森や川を見たとき、その感じようは人それぞれの感受性の中にある。この映画が伝えたい静寂は映像で撮ることができない。だから感じてもらう。
この映画を観てあなたがどう感じるのかを、この映画は問うているのだ。

宮崎大祐監督コメント

何という天才!『静謐と夕暮』は光と影と、二度とはない時間だけがつめこまれた宝石箱のような映画だ。

金子雅和監督コメント

2時間超えの長尺を、するすると水を飲むように快く観た。
同時に、選び抜かれた光と色と音により緻密に作られた逢魔が時の世界に浸食され、神隠しにあうかも知れないスリルを覚えた。最後まで観終えると、もう一度どこかから観始めたくなる本作の不可思議な魅力は、初めて行った異国でひとり、知らない人たちの日常をぼんやり眺めている時の浮遊感に近い。
私はいま、『静謐と夕暮』の時空から、現世に戻って来れているのだろうか。

音楽家・原摩利彦さんコメント

これまで静謐について考え作品を発表してきたが、この映画には私のまだ知らない「静謐」があった。ただ台詞が少ないことや、静かな場面が多いからだけではない。きっと監督のじっと見つめる眼差しがもたらすのだろう。一方で、静謐とは裏腹に監督の強い情熱が根底に横たわっているのも感じられた。音楽まで自ら手がける梅村監督がこれからどんな映画を撮っていくのか、とても楽しみにしています。
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『静謐と夕暮』より

 3月に続いて今回の上映がおこなわれるシアターセブンは作品の撮影地である十三大橋から徒歩数分。作品とゆかりの深い劇場での上映という特別な体験ができる再上映に注目です。

【『静謐と夕暮』予告編】

『静謐と夕暮』あらすじ

写真家の男が川辺を歩いていると、川のほとりで衰弱している老人に、何やら原稿の束を渡す女がいた。
翌日、再び男がその場所に行ってみると、その原稿を読む人々がいた。
その原稿には、渡した女の書いたものと思しき、この川辺の街での日常がしたためられている。

――――――ある日、いつものように川辺にやってきた女は、見知らぬ黄色の自転車と川辺に座る男を見た。
数日後、女が住むアパートの隣室にその川辺の男が越してきた。
夜な夜な隣室から聞こえる、男が弾くらしきピアノを漏れ聞くうちに、その男の生態が気になり、
毎朝、黄色の自転車に乗って出ていく彼の後ろを追いかけることにした。

そんなある日、隣室の男が失踪する。―――――
作品ヴィジュアル

静謐と夕暮

  • 山本真莉 入江崇史 石田武久 長谷川千紗 仲町よみ 野間清史 湯本ちえみ 栗原翔 南野佳嗣 和田昂士 延岡圭悟 梶原一真 赤松陽生 吉田鼓太良 鈴木一博 岡本大地 石田健太 福岡芳穂

  • 監督・脚本・撮影・編集・カラーリスト・音楽・照明:梅村和史
  • ロケーション管理・衣装管理・メイク・小道具・美術監督:山本真莉
  • プロデューサー・編集・録音技師・整音・ダビング・照明:唯野浩平

  • 2020年/カラー/アメリカンビスタ/136分

2022年4月23日(土)より29日(金・祝日)まで大阪シアターセブンにて上映

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