埼玉県さいたま市の市民映画祭「第6回岩槻映画祭」が、6月4日と5日の2日間にわたりさいたま市民会館いわつきで開催され、短編コンペティションや“Jホラーの父”鶴田法男監督の作品上映とトークショーなどがおこなわれます。
さいたま市の伝統と文化の街・岩槻で市民による映像の祭典として開催される岩槻映画祭は、2014年に初開催され、2018年以来4年ぶりの開催となる今回で第6回目を迎えます。
さいたま市公認のコンペティション映画祭であり、映画祭の中心となるのは短編コンペティション部門。今年は13作の入選作品を4つのプログラムに分けて6月5日に上映し、グランプリほか各賞を決定します。
同部門では過去に『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督がグランプリと観客賞をダブル受賞しているほか、『歯まん』の岡部哲也監督、『公衆電話』などで国内外の映画祭を席巻する松本動監督、『透明花火』の野本梢監督ら気鋭の監督の作品が入選・受賞しており、今回の上映作品や結果も注目です。
短編コンペティション部門以外にも、映画祭ならではの企画が用意されています。
6月4日には、さいたま市にゆかりの深い鶴田法男監督の作品上映とトークショーがおこなわれます。
鶴田監督は、1991年にオリジナルビデオ(OV)作品『ほんとにあった怖い話』で監督デビュー以降、数多くのホラー作品を手がけて世界から注目されるジャパニーズ・ホラーの礎を築き“Jホラーの父”と呼ばれる存在。
今回の企画では、のちの『リング』『回路』『呪怨』などにも多大な影響を与えている鶴田監督の初期作品から、1992年のOV『ほんとにあった怖い話 第二夜』の一編『霊のうごめく家』を上映。OVからフジテレビ系のテレビシリーズへと発展して現在まで続く『ほんとにあった怖い話』最初期の作品である同作は、『回路』の黒沢清監督や『リング』の脚本家・高橋洋さんに絶賛された、17分の短編ながらジャパニーズ・ホラーの歴史を語る上で欠かせない1本。もともとビデオ用作品のため、スクリーンでの上映は貴重な機会となります。
中国で製作された最新監督作『戦慄のリンク』の国内上映も控えている鶴田監督が、トークショーでどんな話題に触れるかも楽しみです。
同じく4日には、川﨑麻世さんと野村真美さんがダブル主演をつとめた2021年公開のながせきいさむ監督作品『ある家族』が、特別招待作品として上映されます。
同作は実親と暮らせない子どもたちを家庭に迎え入れて養育するファミリーホームを題材とした社会派作品で、上映後にはファミリーホームを切り盛りする主人公を演じた川﨑麻世さんと、ながせきいさむ監督、川﨑さん演じる主人公の娘を演じ主題歌も担当した寺田もかさんらによる舞台あいさつがおこなわれます。