現在開催中の第19回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭に正式出品されている『とおいらいめい』(大橋隆行監督/8月27日公開)の予告編などが解禁。キャストや各界著名人の新たなコメントも到着しました。
『とおいらいめい』は、俳優のしゅはまはるみさんと藤田健彦さん、舞台演出などを手がける長谷川朋史さんが結成した自主映画制作ユニット・ルネシネマが送る第三弾作品。
彗星の衝突により人類滅亡が迫る2020年を舞台に、父の死をきっかけに一緒に暮らすことになった三女と母親の違う姉ふたりが次第に「家族」になっていく姿が、ふたりの姉が小学生だった1999年の出来事を織り交ぜながら描かれていきます。
ロングヒットを記録した『ベイビーわるきゅーれ』(2021年/阪元裕吾監督)主演で話題となった髙石あかりさんが三女の音(おと)、人気ドラマのスピンオフ作品「狙われた半沢直樹のパスワード」(2020年)などの吹越ともみさんが長女の絢音(あやね)、日仏合作ショートフィルム「MINORI」(2019年/フランソワ・デクラク監督)に出演し話題となった田中美晴さんが次女の花音(かのん)をそれぞれ演じてトリプル主演をつとめ、ルネシネマ第一弾のオムニバス『かぞくあわせ』(2019年)の一編を監督した大橋隆行監督がメガホンをとっています。
7月16日より24日まで開催されているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022で国際コンペティション部門に日本映画では唯一正式出品されて注目の高まる『とおいらいめい』。解禁された待望の予告編は、三女の音がひとりで暮らす家に絢音と花音のふたりが訪れ再会を果たすシーンで始まり、人類滅亡が迫る世界での三姉妹と周囲の人々の姿が、瀬戸内の風景の中で描かれていきます。
また、大橋隆行監督の過去の作品で主演をつとめ『とおいらいめい』では次女・花音の小学校の同級生で帰郷した花音とたびたび会うようになる良平を演じたミネオショウさん、出演作の公開が続き『とおいらいめい』では良平の妻・恭子を演じた大須みづほさんの出演者ふたりに加え、監督をつとめた中編『テルロンとルンルン』(2020年)が全国公開され長編初監督作『とべない風船』公開も控えるCMディレクターの宮川博至さん、幅広い分野のアートワークを手がけるイラストレーターの坂内拓さん、数多くの作品に出演する俳優の片岡礼子さん、さまざまなかたちで映画を応援する映画活動家・放送作家の松崎まことさんが、作品へのコメントを寄せています。
良平役:ミネオショウさんコメント
僕が演じた良平は、地元に残ったことや子供を産もうと決めた自分の選択に、どこか後悔して生きている不器用な人間です。
過去を思い出して哀しみたがる自分に思考は似ているなと思いました。
そして三姉妹の次女(花音)と同級生ですが、1番上のお姉さん(絢音)のことを実は昔好きだった。。という気持ちで演じた気がします。
当然隠してるので画面からは伝わらないと思いますが。
彗星を破壊するチームを結成して宇宙に行ってきます!!的な映画ではありませんがジワジワと迫る世界の終わりを感じてほしいです。
特にラストシーンは映画館の大きなスクリーンで見てほしいです!
それを目撃した時きっと戸惑いはあるかもしれませんが、是非劇場でその瞬間を共に目撃してほしいです。
恭子役:大須みづほさんコメント
自分の命よりも大事な息子の成長をみることが叶わない恭子を、絶望的な運命に自分が壊れてしまわないよう、息子以外に心を閉ざしてしまった人と捉えました。
恭子は息子以外のことはどうでもよくて、息子のことで頭がいっぱいという人物です。息子と2人きりのときは、恭子はきっと笑っていたと思います。夫の良平や、三姉妹たちの存在は、目の隅に流れるようにいて、あまり興味がないと思いながら演じました。
完成した映画を観て、彗星も雲の流れも、ものすごく速いスピードのはずなのに、こちらからはゆっくりにしか見えなくて、不思議で美しくて、悲しいなと思いました。私たちは宇宙の中の一部なんだなと途方もない気持ちになりました。
ぜひ、登場人物それぞれの生き方を見てほしいです。劇場でしか味わえない美しさと悲しさがあります。映画館でお待ちしてます。
CMディレクター/『テロルンとルンルン』監督・宮川博至さんコメント
いつも見ている瀬戸内海がこんなにも美しく、そして儚く映画に寄り添っていることに嫉妬した。
明日、世界が終わるとしてもただ悲観するだけでなく、大切な人と、今ある「生」を喜びたいと思った。
イラストレーター・坂内拓さんコメント
望まない未来を前に、ひたむきに生きようとする姉妹の姿勢が切なくも逞しく美しい。
人が守るもの、手放したいもの、最後に想うもの。あたりまえの日常は、常に脆く壊れやすいということが、この時代に一層のリアリティーをもった風景として重なる。
ラストシーン、波音とともにきこえた小さな声は、とおくまで響いているようだった。
俳優・片岡礼子さんコメント
すべきことは何かと思案し、優しく消えた魂の亡骸を弔うこともない世界の終わりには心底悲しんだ。
抗うべく僅かな希望で発光してるような姉妹と静かな海。
行動の時が来てると彼らに言われたようだった。
映画活動家/放送作家・松崎まことさんコメント
世界が刻一刻と終わりに近づいていく中で、はじめて“家族”となっていく三姉妹の物語に、胸がギュッと搾られた。
とてつもなく残酷ながら、淡く儚い夢のような美しい“終幕”が、大橋隆行の監督人生の本格的な“開幕”となることを、願ってやまない。
ルネシネマ創設メンバーのしゅはまはるみさんと藤田健彦さんも出演し、2020年と1999年、ふたつの「世界の終わり」を交錯させてかぞくの姿を描いていく『とおいらいめい』は、8月27日土曜日より9月23日金曜日までの4週間、池袋シネマ・ロサでレイトショー上映されます。