日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>9月開催の関西クィア映画祭2022全上映作品公開 “性”をテーマにした多彩な作品を上映

9月開催の関西クィア映画祭2022全上映作品公開 “性”をテーマにした多彩な作品を上映

記事写真

「第15回関西クィア映画祭2022」ロゴ

 9月に大阪と京都で開催される第15回関西クィア映画祭2022の全上映作品が発表されました。世界14の国と地域から集まった28作品が上映され、日本映画は国内作品コンペティション入選作5作品に加えて8作品の、計13作品が上映されます。

 2005年に初開催された関西クィア映画祭(KQFF)は、クィア(Queer)を切り口に“性”をテーマにした映像作品を上映する映画祭。「奇妙な・変な」という意味の英語「クィア」を敢えて掲げ、性のあり方は典型的であってもなくてもいい、クィアでもいいという趣旨のもとに開催されており、15回目となる今回は、9月に大阪のシネマート心斎橋(2日〜8日)と京都のゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川(23日〜25日)の2会場で開催されます。

 今回で3回目となる国内作品コンペティションは、世界初上映となる3作品を含む上映時間30分以内の5作品を上映。観客投票により、最優秀観客賞が決定されます。

作品スチール

神谷、ゲイらしいよ?(英題:KAMIYA)

  • 監督:濱本真優
  • 7分|2022年|日本|日本語
  • 人気タレント・神谷泰斗の“ゲイ疑惑”報道。失踪した神谷本人。心配した交際相手の溝口が探し回るも、世間は、心無い言葉で笑い合う。親しい人のこともネットで確認し合う時代に生きる私たちを、淡々と描く群像劇。
  • ★世界初上映

作品スチール

少し未来のある部屋で(英題:Slightly future, in a room.)

  • 監督:柳澤公平
  • 16分|2021年|日本|日本語
  • 少子化対策の一環で人工子宮の技術が実用化された、近未来の日本。人工子宮の移植を受け、見ず知らずの夫婦の受精卵をお腹で育てている貴志。ある日、貴志のお腹の子の父親と名乗る人が、貴志のもとを訪ねてきて…。

作品スチール

手のひらのパズル(英題:Puzzle in the palm)

  • 監督:黒川鮎美
  • 26分|2022年|日本|日本語
  • 北陸金沢のローカル雑誌社で働く30代の梨沙。匠と同棲開始後、周囲からの結婚・出産の過度な期待感に心地 悪さを感じ、「私にとっての幸せとは何か」と思い悩む。 親友の真子とのある出来事をきっかけに進むこの作品は、金沢の美しい街並みを背景に「私」を見つける物語。
  • ★関西初上映

作品スチール

いつかのいま。(英題:ITSUKA ; Someday, now)

  • 監督:山田瑛瑠
  • 26分|2022年|日本|日本語
  • 生後1週間で、同性夫夫・山田と佐藤のもとにやってきた「いつか」の目に映る世界。子の反応や成長に喜んだり、時には落ち込んだり悩んだり、初めての子育てに奮闘するふたりがつづる、大変だけど幸せな日々の記録。
  • ★世界初上映

作品スチール

私たちの、(英題:Ours)

  • 監督]伊藤梢
  • 30分|2022年|日本|日本語
  • りょうは親友と2人暮らし。大切な人達を写真に収め、ひっそりとした幸せの中で生きていた。ある日親友は恋人と暮らすため家を出ると告げた。そこから、りょうの小さくも幸せな世界は、不意に崩壊の時を迎える。
  • ★世界初上映

 コンペティション入選作品のほかにも、第17回大阪アジアン映画祭で来たるべき才能賞」を受賞するなど話題を集めている『世界は僕らに気づかない』(飯塚花笑(いいづか・かしょう)監督)や、世界初上映となる『サラダは人生』(岡田麻李監督)、ファッションモデルのイシヅカユウさんが映画初主演をつとめた『片袖の魚』(東海林毅監督)など8作品の日本映画を上映。
 フィリピンハーフの高校生を主人公にしている『世界は僕らに気づかない』や、フィリピンハーフである稲津勝友監督が自らの経験をもとに制作した『愛達』、ろう者と聴者の四角関係を描いた『ジンジャーミルク』(今井ミカ監督)と、日本のセクシャルマイノリティ内のマイノリティに焦点を当てた作品が揃っているのが今回の上映作品のひとつの特色となっています。

作品スチール

世界は僕らに気づかない(英題:Angry Son)

  • 監督:飯塚花笑
  • 112分|2022年|日本|日本語・タガログ語
  • 群馬県太田市に住む高校生の純悟は、フィリピン人の母レイナと2人暮らし。滞納で電気が止まるなど現在の生活で精一杯で、「卒業後はパートナーシップ制度を利用しよう」と言う同級生の恋人・優助と次第にすれ違っていく…。

作品スチール

ジンジャーミルク(英題:Ginger & Honey Milk )

  • 監督:今井ミカ
  • 60分|2021年|日本|日本手話、日本語
  • 健斗は淳が好き。淳は玲衣が好き。でも玲衣はあすかとキスしてる。そして、あすかは健斗が好き!?この四角関係、一体どうなる!?KQFF2018で上映した『虹色の朝が来るまで』の、ろう者の今井ミカ監督の最新作。)
  • ★関西初上映

作品スチール

サラダは人生(英題:salad is life)

  • 監督:岡田麻李)
    • 34分|2021年|日本|日本語
    • ルームシェアをする女ふたりの物語。3話オムニバス形式で描かれるふたりの日常には、セクシュアリティにまつわる“あるある”も散りばめられている。そんな世の中に追従しない彼女たちの存在は清々しい。
    • ★世界初上映

作品スチール

片袖の魚(英題:The Fish with One Sleeve)

  • 監督:東海林毅
  • 34分|2021年|日本|日本語
  • 主人公のひかりは、好きな仕事につき、理解ある上司や親友と過ごす充実した毎日を送っている。対照的に描かれるのが、外側で会う人々の無知やマイクロアグレッション。その描写は絶妙で、観る側の立場を自然とあぶり出すだろう。

作品スチール

夫=夫(英題:FUFU)

  • 監督:山後勝英
  • 16分|2021年|日本|日本語
  • 海辺の街で辰紀と佑大は夫夫生活を送る。
    おはよう、いただきます、ただいま、おかえり、おやすみ。なんでもない言葉を誰より大切な人と交わし合う。ただそれだけ。ただそれだけの日々を送ることが、2人にとっての幸せ。
  • ★関西初上映

作品スチール

Veils(英題:Veils)

  • 監督:なかやまえりか
  • 19分|2021年|日本|日本語
  • ブライダルフォトを撮ろう。あゆみと紗香は、写真の中だけでも2人の誓いを立てようと決めていた。しかし、指輪も届き、幸せ絶頂の2人に、LGBTQ対応可と謳う店から突きつけられたのは、シングルブライダル2名として対応するとの言葉だった。
  • ★関西初上映

作品スチール

自分が自分であるために(英題:to be myself)

  • 監督:簑手優
  • 4分|2022年|日本|日本語
  • 同性どうしの権利を求める運動や、結婚の平等を求める運動が、ある異性愛者の生き方や選択肢も増やし、結婚の内容や意味も変えていく。そんな、まさにいま日本で起きている時代の変化を、コンパクトに表現する作品。
  • ★世界初上映

作品スチール

愛達(英題:loves)

  • 監督:稲津勝友
  • 18分|2019年|日本|日本語
  • フィリピンパブ嬢の母をもつ勝也は、黒服の黒田に恋をしていた。ゲイであることと、敬虔なクリスチャンの母から受け継いだ信仰とが、激しくぶつかり合う。フィリピンハーフである稲津監督が、自身の経験を元に、本人と家族の出演でつくった作品。KQFF2019最優秀観客賞受賞作。

 海外作品も充実のラインナップが上映されます。
 男性・女性という性別のどちらにも当てはまらないという考え方「ノンバイナリー」をテーマにしたミニ特集では、いずれも日本初上映となるスウェーデン、アメリカの2作品を上映し、テーマに沿ったトークもおこなわれる予定。
 ミニ特集以外にも、アジア、ヨーロッパ、北米、南米と、世界中から集まった長編・短編が上映され、日本初上映作品も多数含まれています。

ミニ特集「ノンバイナリー」

  • 『アンバー、いつまでも』2020年・スウェーデン/Lia Hietala監督,Hannah Reinikainen監督 ★日本初上映
  • 『ここのある美しさ』2021年・米/Leah Waring Byck監督 ★日本初上映

海外長編作品

  • 『フリアの週末』2021年・アルゼンチン,ポルトガル/Mara Pescio監督 ★日本初上映
  • 『最初の花の香り』2021年・台湾/鄧依涵監督 ★関西初上映
  • 『アグネスを語ること』2022年・カナダ,アメリカ/チェイス・ジョイント監督
  • 『ノー・オーディナリー・マン』2020年・カナダ/アシュリン・チンイー監督,チェイス・ジョイント監督
  • 『リトル・ガール』2020年・仏/セバスチャン・リフシッツ監督
  • 『未来は私たちのもの』2020年・独/ファラズ・シャリアット監督

海外短編作品

  • 『昼下がりの疑惑』2019年・スペイン/Pedro Rudolphi監督
  • 『魔法のガス屋さん』2021年・台湾,米/Erich Rettstadt監督 ★関西初上映
  • 『それいけ!アレクサ』2020年・フィリピン/Vahn Leinard C. Pascual監督 ★日本初上映
  • 『抱き合うとき』2021年・独/Marit Östberg監督 ★日本初上映
  • 『秘密の授業』2021年・シンガポール/Jen Nee Lim監督 ★日本初上映
  • 『ボーイ・クィーン』2021年・ミャンマー/Sai Nyi Min Htut監督 ★日本初上映
  • 『神の娘ダンス』2020年・韓国/BYUN SUNGBIN監督 ★関西初上映

 国内のセクシャルマイノリティ系映画祭では最多となる28作の上映作品を揃えた第15回関西クィア映画祭は、9月2日より8日までシネマート心斎橋で、9月23日より25日までゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川でそれぞれ開催されます。
 上映される機会が限られている作品も多く、多彩な作品に劇場のスクリーンで触れられる貴重な場となるでしょう。

ポスター

第15回関西クィア映画祭2022

2022年9月2日(金)より8日(木) シネマート心斎橋(大阪)にて

2022年9月23日(金)より25日(日) ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川(京都)にて開催

スポンサーリンク