9月に大阪と京都で開催される第15回関西クィア映画祭2022の全上映作品が発表されました。世界14の国と地域から集まった28作品が上映され、日本映画は国内作品コンペティション入選作5作品に加えて8作品の、計13作品が上映されます。
2005年に初開催された関西クィア映画祭(KQFF)は、クィア(Queer)を切り口に“性”をテーマにした映像作品を上映する映画祭。「奇妙な・変な」という意味の英語「クィア」を敢えて掲げ、性のあり方は典型的であってもなくてもいい、クィアでもいいという趣旨のもとに開催されており、15回目となる今回は、9月に大阪のシネマート心斎橋(2日〜8日)と京都のゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川(23日〜25日)の2会場で開催されます。
今回で3回目となる国内作品コンペティションは、世界初上映となる3作品を含む上映時間30分以内の5作品を上映。観客投票により、最優秀観客賞が決定されます。
コンペティション入選作品のほかにも、第17回大阪アジアン映画祭で来たるべき才能賞」を受賞するなど話題を集めている『世界は僕らに気づかない』(飯塚花笑(いいづか・かしょう)監督)や、世界初上映となる『サラダは人生』(岡田麻李監督)、ファッションモデルのイシヅカユウさんが映画初主演をつとめた『片袖の魚』(東海林毅監督)など8作品の日本映画を上映。
フィリピンハーフの高校生を主人公にしている『世界は僕らに気づかない』や、フィリピンハーフである稲津勝友監督が自らの経験をもとに制作した『愛達』、ろう者と聴者の四角関係を描いた『ジンジャーミルク』(今井ミカ監督)と、日本のセクシャルマイノリティ内のマイノリティに焦点を当てた作品が揃っているのが今回の上映作品のひとつの特色となっています。
海外作品も充実のラインナップが上映されます。
男性・女性という性別のどちらにも当てはまらないという考え方「ノンバイナリー」をテーマにしたミニ特集では、いずれも日本初上映となるスウェーデン、アメリカの2作品を上映し、テーマに沿ったトークもおこなわれる予定。
ミニ特集以外にも、アジア、ヨーロッパ、北米、南米と、世界中から集まった長編・短編が上映され、日本初上映作品も多数含まれています。
国内のセクシャルマイノリティ系映画祭では最多となる28作の上映作品を揃えた第15回関西クィア映画祭は、9月2日より8日までシネマート心斎橋で、9月23日より25日までゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川でそれぞれ開催されます。
上映される機会が限られている作品も多く、多彩な作品に劇場のスクリーンで触れられる貴重な場となるでしょう。