若者たちの“青春の記憶と旅立ち”を全編8mmフィルム撮影で描いた仙元浩平監督の長編『逝く夏の歌』が、新宿K's cinemaで9月18日・19日・20日の3日間限定公開されることが発表され、メインヴィジュアルと予告編、場面写真、仙元監督のコメントが解禁されました。
“青春のもののあわれ”を8mmフィルム撮影で描く仙元浩平監督『逝く夏の歌』9月に3日間限定公開
『逝く夏の歌』は、ニューヨーク大学映画学科を卒業し、自主映画制作グループ「第七詩社」を主宰して20年以上自主映画制作をおこなってきた仙元浩平(せんげん・こうへい)監督の初の長編作品。
いまも多くの人々の心を捉える詩人・中原中也の詩集「山羊の歌」に収録されている同名の詩にインスパイアされた仙元監督によるオリジナルストーリーで、青年・ナツとその友人のハル、アキ、フユたちを中心に、若者たちのいつか消えゆく日々が描かれていきます。
仙元監督は8mmフィルムにこだわり映画制作をおこなっており、今回の『逝く夏の歌』も全編8mmフィルムで撮影。
仙元監督の過去の作品にも出演している吉田剛士さんがナツを演じるのをはじめ、佐野日菜汰さん、秋山みりさん、岡本恵美さん、石嶋隆生さん、桜木洋平さん、伊藤広大さんらが出演しています。
解禁された予告編は、8mmフィルムならではの質感を持った映像で若者たちが経験する出来事が映し出され、作品に寄せられた賞賛のコメントも紹介されています。
公開決定にあたり、仙元監督は次のようにコメントを発表。作品のテーマとそれを8mmフィルム撮影で表現する意味に触れています。
仙元浩平監督コメント
これまで20年以上にわたって自主映画をつくり続けてきましたが、長編は本作が初めてです。劇場公開に至るのもこれが最初の作品で、身が引き締まる思いをしています。作品のテーマは「青春のもののあわれ」。これは私がこれまでの作品において一貫して追い続けてきたものです。一作ごとに、輝かしくも過ぎゆく青春をせめて映画の中だけでは永遠のものとして刻みたいという願いをこめています。フィルムは流れ去っていくけれども、一つひとつのフレームには「永遠」が閉じ込められている、フィルムには儚いものへの愛おしさが宿っている、そんな思いを抱き続けてきました。これが、デジタルではなくフィルムで撮影している最も大きな理由です。本作のハル・ナツ・アキ・フユのような青年を現実に見かけることはないかもしれません。でも彼らは、フィルムの中では喋ったり走ったり、お墓参りをしたり劇を演じたりします。71分というわずかな時間ですが、この映画が美しい夢として見る人の胸に届くのであれば、それは私にとって大きな幸いです。
『逝く夏の歌』は、今年5月にドイツで開催された第22回ニッポン・コネクションでプレミア上映され、フランスのLacorne International Film Festivalで最優秀作品賞を受賞、アメリカのThe REEL Recovery Film FestivalとフランスのParis Play Film Festivalに入選しており、海外での高評価を得ての国内公開となります。
3日限定の貴重な機会となる『逝く夏の歌』上映は、9月18日日曜日、19日月曜日(祝日)、20日火曜日に新宿K's cinemaにておこなわれます。
『逝く夏の歌』ストーリー
ナツとその友人ハル、アキ、フユは4人で演劇の上演を計画している。夏が過ぎゆくにつれて、ナツの周囲ではさまざまな変化が起きつつある。4人もまた、別々の道を進まざるを得ない。いつまでもこのままでいるのが当たり前だったナツは、その変化をもどかしく受け入れながら、もはや2度とないこの「夏」を精一杯に生きようとする。