美術部の高校生たちの青春ストーリー『ミューズは溺れない』が9月30日より公開されるのを前に、テレビプロデューサーの佐久間宣行さん、人気バンド・クリープハイプの尾崎世界観さんらの応援コメントが公開。あわせて監督・キャストや佐久間さんらゲストが登壇する劇場イベントの日程も発表されました。
『ミューズは溺れない』は、助監督などでさまざまな作品に携わりつつインディーズで映画制作をおこなってきた淺雄望(あさお・のぞみ)監督の初長編作。
美術部に所属する高校生・朔子と、海に落ちてしまった朔子をモデルに絵を描いた美術部員の西原(さいばら)のふたりを中心に、クラスメイトとの関係や家庭環境の変化、将来への不安の中で「創作する」10代の姿が描かれていきます。
主人公の朔子をを『この街と私』(2019年/永井和男監督)で主演をつとめた上原実矩(うえはら・みく)さんが演じ、周囲になじまない美術部員・西原を『ジオラマボーイ・パノラマガール』(2020年/瀬田なつき監督)などの若杉凩(わかすぎ・こがらし)さん、朔子の親友の栄美を主演作『わたしの見ている世界が全て』(2022年/佐近圭太郎監督)が控える森田想さんと、映画界注目の若手女優が共演。そして朔子の父親を川瀬陽太さん、父親の再婚相手を広澤草さんら、実力派が脇を固めています。
『ミューズは溺れない』より。上原実矩さん演じる主人公・木崎朔子(左)と若杉凩さん演じる西原光
9月30日よりテアトル新宿で公開を迎えるのを前に、テレビ東京「ゴットタン」など数々の人気番組を手がけるテレビプロデューサーの佐久間宣行さん、主題歌を担当した映画も多い人気バンド・クリープハイプのボーカル&ギターの尾崎世界観さん、お笑いコンビのザ・マミィで活動する林田洋平さん、ドラァグクイーンで美術家のヴィヴィアン佐藤さんによる応援コメントが解禁されました。
思春期の不安定さに目を向ける佐久間さん、創作活動に共感する尾崎さんと林田さん、映画の象徴する意味を読み解く佐藤さんと、それぞれの観点から映画に賛辞を贈っています。
テレビプロデューサー:佐久間宣行さんコメント
世界の海辺に立ち、今から船出する少女たち。
怒りと悲しみと恐怖、そして高揚。
誰にでもあるけど、自分だけのもの。
それらが純度の高い結晶となって、毎カット毎シーン輝いている。
世界が歪んで見える。声がちゃんと出ているかわからない。
眼差しが誰かと交差することはない。
自分がおかしいと思い悩む、すべての人に見てほしい。
「それは、私が決めることだよ」とこの映画は言ってくれる。素晴らしい青春映画だ。
ミュージシャン:クリープハイプ 尾崎世界観さんコメント
ずっと何かを作ることでバランスを保ってきたので、主人公に共感しました。その不安定な状態が意外と心地いいことも、誰かの作品に対する妬みも、全部よく知っています。
お笑い芸人:ザ・マミィ 林田洋平さんコメント
作っては壊し、書いては消し、大切な何かをかき集めて、朔子さんが船を作ったように、淺雄監督もこの映画を作っていったんだ。画1つ、音1つ、どこをとってもそれがビシビシと伝わってきて、心が震えた。朔子さん達に出会えて、彼女たちの息遣いを感じられて、嬉しかった。大切にします。この映画がたくさんの人の宝物になりますように。
ドラァグクイーン・美術家:ヴィヴィアン佐藤さんコメント
世界が大洪水になっても、選ばれた女は溺れない。「女神」としての啓示を受ける運命だから。
世界を破壊し再構築する。まったく新しい未知の「世界」へと船出する者たちのなんと清々しいことか。
録音できない音たち、録画できない光たち、映り込まない心の動き、、、
この映画体験が、まるで奇跡を孕む聖書のようだった。
『ミューズは溺れない』より。美術室で西原の絵のモデルになる朔子
また、テアトル新宿での公開期間中、連日イベントが開催されることが発表されました。
公開初日に主演の上原実矩さんらキャスト6名と淺雄監督が舞台あいさつをおこなうのをはじめ、淺雄監督とゲストを迎えてのトークを連日開催。ゲストには、佐久間宣行さんや、淺雄監督が助監督をつとめた映画監督の大九明子さん、淺雄監督が立教大学大学院現代心理学研究科時代に指導にあたった映画監督の万田邦敏さんら、豪華なメンバーが連日登場。上原実矩さんもゲストトークのうち3回に登壇します。
第15回田辺・弁慶映画祭でグランプリを含む4冠、第22回TAMA NEW WAVE コンペティションでやはりグランプリを含む2冠と、すでに各地の映画祭で高評価を得て待望の劇場公開を迎える『ミューズは溺れない』は、田辺・弁慶映画祭コンペティション部門受賞作を一挙上映する田辺・弁慶映画祭セレクション2022の上映作品として、9月30日(金)より10月6日(木)までテアトル新宿で、10月14日(金)・15日(土)シネ・リーブル梅田で、それぞれ上映されます。
『ミューズは溺れない』ストーリー
美術部に所属する高校生の朔子は、船のスケッチに苦戦している最中に誤って海に転落。それを目撃した美術部員の西原が「溺れる朔子」の絵を描いてコンクールで受賞、絵は学校に飾られるハメに。悔しさから絵の道を諦めた朔子は、代わりに新たな創作に挑戦しようとするが、ある日、西原から次回作のモデルを頼まれてしまい・・・。
思春期のもがき、アイデンティティのゆらぎ、創作をめぐる葛藤—
社会の海へ漕ぎ出そうとするふたりの、高校最後の夏を瑞々しく鮮烈に描き切った青春エンタテインメントが誕生した。