マルチに活動し注目を集める新星・織田ひまりさんが映画初出演にして主演をつとめる『泥の子と狭い家の物語』（西岡眞博監督）の公開日が12月２日に決定し、メインヴィジュアルと場面写真、予告編が解禁されました。

　映画『泥の子と狭い家の物語』は、現代の大阪を舞台に、平凡ながら幸せに暮らしていた家族がひとりの女性の出現により壊れはじめ、高校生の娘が家族を守るため奮闘するという、家族の崩壊と再生を描くファンタジー人間ドラマ。
　関西演劇界で活躍するオカモト國ヒコさんが執筆し２０１２年に初演、ラジオドラマ化もされた同名戯曲を原作に、ＣＭディレクターとして数々の受賞歴を持つ西岡眞博監督が自身初の長編作品として映画化しました。

　主人公の高校生・内田小豆を演じるのは、２００６年生まれで現在16歳の新星・織田ひまりさん。関西発の５人組ガールズポップユニット・BREAK TIME GIRLS（ブレイクタイムガールズ）のメンバーとしての活動に加え、テレビや舞台への出演や第９回日本制服アワードグランプリ受賞など幅広い活躍で注目される期待の美少女が、初の映画出演にして主演をつとめ、複雑な状況に揺れる高校生の心理を見事に表現しています。

　そして、デビューから25年を越えてなお精力的な活動を見せる田中美里さんが小豆の母で徐々に様子がおかしくなる康子を演じ、宝塚歌劇団に男役スターとして11年在籍した月丘七央さんが内田家に入り込む女性・加賀美玲子役で怪演を見せます。

　そのほか、内田家の家族や小豆を取り巻く人々には、有田洋之さん、四天王寺紅さん、藤井佳代子さん、湯浅崇さんら個性豊かな実力派に加え、テレビや舞台で活躍する早坂風海（はやさか・かざみ）さん、男性グループ・EBIDAN NEXTに所属する筒井俊旭さんら、若手も顔を揃えています。

　12月２日の公開に向けて解禁されたメインヴィジュアル（※記事最後に掲載）は、怪しげな加賀美と家族の写真をバックに、織田ひまりさん演じる制服姿の小豆がバットを手に凛々しく立ち「こんなん、ほんまもんの幸せとちゃう」というコピーが添えられた、不穏さとともに小豆の芯の強さを感じさせるデザイン。
　予告編も、加賀美によって内田家に立ち込めていく異様な空気を漂わせつつ、それに負けない小豆のまっすぐな姿が印象に残ります。

　平凡なひとつの家族に起こる出来事を通して「洗脳」「マインドコントロール」が決してニュースやフィクションの中だけの問題ではなく、ごく身近なところで起こる可能性があることを示す『泥の子と狭い家の物語』。内田家に、小豆に、どんな運命が待ち受けているのかが明らかとなる劇場公開は12月２日金曜日。東京の池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開されます。

『泥の子と狭い家の物語』ストーリー

現代の大阪。不動産屋曰く「ちょっと狭めですけど、みんなが幸せになれる家」に暮らす内田さん一家は、様々な問題を抱えながらも、開放的で幸せな家族だった。加賀美と名乗る女が、祖母松子の介護にやって来るまでは。
加賀美が来るようになって、どうも母康子の様子がおかしい。主人公の小豆は訴えるも、事勿れ主義の父幸男は、まともに取り合わない。やがて、家族に良い変化が起き始める。鍼灸師だという加賀美は、幸男の酷い腰痛を一瞬にして治してみせ、再就職を叶えた。康子も明るさを取り戻し、少しギスギスしていた夫婦仲も良くなったように見えた。やはり自分の思い違いか。母や父が言うように、加賀美は幸せを運んでくれるのか。そうして加賀美は、内田家に居着いてしまう。
ところが、加賀美の行動が徐々にエスカレートし始める。家事、食事、小豆の進路や交流関係、果ては下着の色にまで口を出し、家族から自由を奪おうとする。
謎の女に、徐々に蝕まれていく一家が織りなす、ファンタジー人間ドラマ。家族の崩壊と再生の物語。