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梅村和史監督『静謐と夕暮』京都上映を前に劇中の原稿を模した小説版小冊子を京都の店舗に設置

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配布される『静謐と夕暮』小冊子(※クリックで拡大します)

 梅村和史監督の初長編『静謐と夕暮』が11月18日より京都・出町座で上映されるのを前に、劇中に登場する「原稿」を模した小冊子が京都の各所で配布されます。また、12月に名古屋で開催される「仙頭武則MONJIN映画祭」で招待上映されることも決定しました。

 『静謐と夕暮』は、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科で学んだ梅村和史監督の初長編作。主人公のカゲと、アパートのカゲの隣室に越してきた黄色い自転車の男、川辺に佇む老人といった人物たちが登場し、イメージを紡ぐように進行していく作品となっています。
 梅村監督と同じく京都造形芸術大学で学んだ山本真莉さんが主人公のカゲを演じ、さまざまな監督の作品に出演する入江崇史さんがキーパーソンの老人役で出演。
 2020年にブラジルで開催された第44回サンパウロ国際映画祭新人監督コンペティション部門での正式上映を経て、2022年東京、大阪で劇場公開され好評を博してきました。

 『静謐と夕暮』では、劇中でカゲが老人に託す原稿が重要な役割を持っており、今回配布される小冊子は、この劇中原稿の内容を7篇の短編として梅村監督が書き下ろした小説版。デザインも劇中の原稿を模したものになっています。
 小冊子は畳むと文庫本サイズになる四つ折りのリーフレット形式で「上」「中」「下」の三章に分かれており、10月19日より上巻が配布。追って中巻、下巻が配布される予定で、いずれもフリーペーパーとして店舗などに置かれて無料配布されます。10月19日の段階で、書店・喫茶店など京都市内の3つの店舗に置かれることが決定しています。
 『静謐と夕暮』は京都と大阪で撮影がおこなれており、撮影地である京都で劇中原稿をもとにした小冊子を手にすることで、現実との垣根を越えて映画劇中の世界にいざなわれるような、またとない感覚を体験することができるのではないでしょうか。

『静謐と夕暮』小冊子設置決定店舗

  • 恵文社一乗寺店 (〒606-8184 京都市左京区一乗寺払殿町10)
    本にまつわるあれこれのお店
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  • 六曜社珈琲店 (〒604-8031 京都市中京区河原町三条下ル大黒町40)
    1950年より今日迄ネルドリップで淹れるオリジナルブレンドを中心に、街のサロンとして歩んできた喫茶店
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  • ホホホ座 (〒606-8412 京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1階)
    銀閣寺や法然院、哲学の道からほど近い、静かな住宅街にあるお店。新刊書、古書、雑貨は作家ものが中心となり、陶器などの生活雑貨から文房具、衣類まで幅広く取り扱いしている
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配布される『静謐と夕暮』小冊子

 また、『EUREKA ユリイカ』(2000年/青山真治監督)などで知られる映画プロデューサー・仙頭武則さんに師事した名古屋学芸大学卒業生をはじめとする20代による作品を集めて上映する「第二回仙頭武則MONJIN映画祭」で『静謐と夕暮』が特別招待作品として上映されることも決定しました。
 同映画祭は12月19日より25日まで名古屋市の大須シネマで開催され『静謐と夕暮』の上映日は追って告知されます。中部地方での『静謐と夕暮』上映は初となります。

 京都、大須での上映を前に、仙頭武則さんと、東京藝術大学大学院出身のアーティスト・飯山由貴さんによる新たな作品へのコメントも公開されました。

映画プロデューサー:仙頭武則さんコメント

何年か前、本作と同じロケ場所で撮影されたTVドラマを偶然みた。それが同じ場所であることに気がつくまでにはかなりの時間が必要だった。映る風景や物質は全く同じなのに。その事実に気がついた時、私は戦慄した。美しい映像と容易く片付けてはならない。たった3人で始められた驚異の試みは新たな映画制作の到来を告げた最重要作品となった。何年かのち、観ていないことを恥入る時が来るだろう、身を委ねて体験してほしい。

アーティスト:飯山由貴さんコメント

書く、食べる、働く、そして、あの人を追いかける。時折、記憶が侵入してくる。とてもとても耐えられない出来事があっても、それでも一口、食べる。

 新たな展開を見せる『静謐と夕暮』は、11月18日より京都・出町座で上映されます。

【『静謐と夕暮』予告編】

『静謐と夕暮』あらすじ

人気のないアパートに一人住む物書きの〈カゲ〉は、 いつも両親と通った川辺の夢を見る。
その夢で見た景色を追って、今日も川辺に向かうと、黄色い自転車と座る男を見た。男は、〈カゲ〉の隣室に越して来た人だった。夜な夜な隣室から聞こえるピアノの音を漏れ聞くうちに、その男の生態が気になり、毎朝、黄色の自転車に乗って出ていく彼の後ろを追いかけ、この日々を原稿にしたためはじめた。
そんなある日、黄色い自転車の男が失踪する。

〈カゲ〉は川のほとりに居座る老人の手に書き終えた原稿を託して、この街を去っていく。
吹く風に吸い寄せられるように、街の人々は川辺を訪れ、一人また一人と原稿へと手を伸ばす。静謐に満ちた夏の終わりの夕暮が、それぞれの新たなはじまりを告げる。
ポスター

静謐と夕暮

  • 山本真莉 延岡圭悟 入江崇史 石田武久 長谷川千紗 梶原一真 仲街よみ 野間清史 ゆもとちえみ 栗原翔 和田昂士 岡本大地 石田健太 福岡芳穂 赤松陽生 吉田鼓太良 南野佳嗣 鈴木一博 中山慎悟

  • 監督・脚本・撮影:梅村和史
  • 主演・制作・美術:山本真莉
  • プロデューサー・録音・編集:唯野浩平

  • カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/136分

2022年11月18日(金)より 京都・出町座にて上映

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